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2012

[No.1] SUPER8/スーパーエイト(Super 8) <78点>

Super 8



キャッチコピー:『僕たちは1人じゃない。』

 世界を救うのは、いつだって少年のピュアなハート。

三文(さんもん)あらすじ:14歳のジョー(ジョエル・コートニー)は、友人のチャールズ(ライリー・グリフィス)らとともにゾンビ映画の自主制作に熱中している。ヒロインとしてアリス(エル・ファニング)を迎え深夜の駅で撮影に臨む彼らは、エリア51から”何か”を輸送する列車の脱線事故に遭遇。直後から町では次々と奇怪な出来事が起こり始めるが、その元凶である”何か”をジョーたちの8mmカメラ(Super 8)が捉えていた・・・

 
~*~*~*~


 ポスターの視点が横向きなのは、主人公達のカメラが”アレ”を映していたときに横倒しになっていたからだろう。シンプルでいてちゃんと意味もあるいいデザイン。キャッチコピーの『僕たちは1人じゃない。(We Are Not Alone.)』は、『未知との遭遇』のそれと同じ。

 全体の印象としては、『スタンド・バイ・ミー』、『E.T.』と『クローバーフィールド』ないしは『グエムル』を足したような映画。特に『クローバーフィールド』を期待して観た人は多いはず。
 なんせ公開前の予告編は、脱線後の貨物車の扉を何かが内側からぶち破ろうとしているだけという極めてミステリアスな作りになっていて、否が応でもワクワクは100倍。しかも監督は『クローバーフィールド』J.J.エイブラムスなのだから、斬新な仕掛けが施されたSFを期待せざるを得ないだろう。

 でも実際は、少年ジョーがエイリアン騒動を通して恋を知り、勇気を学び、母の死を乗り越え、父との絆を深める、そんなハートフルな青春冒険活劇。これにチャールズを筆頭とした映画仲間達との友情も織り混ざって、むしろ『スタンド・バイ・ミー』に近い感じになっている。宣伝も、映画公開後は『スタンド・バイ・ミー』とか『E.T.』に寄せた展開の仕方になっていたはずだ。

 筆者は、公開時に観る機会を逸したことが幸いし、既に少年ジョーのピュアな物語であることを知っていたのでかなり楽しめた。実際そのような観点で視聴する限りこの映画の完成度はかなり高い。確かに、ベタなストーリー、ベタな展開で、映像にも特に目新しい点はない。しかし、そこはJ.J.エイブラムス&スピルバーグ。抜群の安定感で2時間弱を見せきる。さらに、これは鑑賞後に知ったことだが、『スター・ウォーズ』シリーズのサウンドデザインや『E.T.』の声をデザインしたあのベン・バートがサウンドデザインを担当している。超豪華だ。

 アクション面で記憶に残るのはやっぱり列車脱線のシークエンス。普通サイズの車が衝突しただけで飛ぶわ跳ねるわ爆発するわ。こういう無駄に爆薬を使う(マイケル・ベイなんかがやりそうな)演出は個人的に好感が持てる。
 あと、飛来する列車の破片をジョーが走りながら間一髪で避けていくシーンはすごい。『M:I:Ⅲ』でイーサンが戦闘機から爆撃を受け車にたたきつけられるシーンや、『ゴーストプロトコル』でギリギリのところに車が落ちるシーンのような”生々しさ”がある。最近はこういうアクションシーンが増え、CGは進歩してるなぁと感心する。

 あとはやっぱり子役の演技がピカイチ。
 特にジョー役のジョエル・コートニーとチャールズ役のライリー・グリフィスは演技初挑戦というから驚きだ。
 そして、エル・ファニングがめちゃめちゃ可愛い!姉のダコタ・ファニングよりも可愛いんじゃないだろうか。やっぱり下の子供ほど美形理論は正しいのか。この理論については、また日を改めて述べたいと思う。
 そう、それと子供陣のキャラで言うと、チャールズがけっこう可哀想。映画に懸ける情熱、足の骨が突き出すほどの怪我を負った友人を前にしても動揺せず介抱する精神力と、まさに“漢気デブ”の称号が相応しい彼だが、自分が親しくなりたくて映画制作に引き込んだアリスを親友のジョーが好きになったことを知り、彼はこう言い放つ。

 「俺がムカついてるのはそこじゃない!両想いなんだろ!?そこにムカついてるんだ!!(要約)」

 なんという正直なデブ・・・。デブなんか気にするな!いいことあるさ、チャールズ。

 最後に3点、疑問とダメ出しを。

 その1:ラストで、母の形見のネックレスが宇宙船に吸い寄せられ、ジョーは一旦これを掴むがやはり手放すシーン。ここは正直上手いと思った。エイリアンの作ったエンジン(?)が辺りの金属類を全て引き寄せ吸収することで宇宙船を形作る。そして、ジョーは今まで固執していたネックレスを手放すことで死んだ母を振り切り、一人前の”男性”に成長する。SF的ギミックとドラマ部分とが上手くかみ合ったいいシーンだ。軍人の銃が全て吸い寄せられ、武装解除されるのも意味深長。ただ・・・アリスの父親がしてるチャラい金属のネックレスが・・・微動だにしていない!なんてこった。これは編集段階で気付いて欲しかった。

 その2:犬はなぜ逃げた??エイリアンの恐怖を本能で察知したのだろうか。その辺は明確に言及されてなかった気がする。

 その3:「クリーチャーは機械を組み立てる繊細な手の動きを持っていると同時に、地下にトンネルを掘ることができる必要もある。そこで発想を転換したんだ。足で掘ればいいってね。(DVD特典-「訪問者の生命」より。)」あの穴は足で掘ってたんか。そんなん映画観ただけでは分からんし。っていうか、手でも足でもどっちでもいいわ。

 最後にその他感じたことを。

 なんかネットの感想見てると、エイリアンが人喰ってるのにあのハッピーエンド感はしっくり来ないという意見をよく見る。でも、個人的にそれは良いと思う。

 この映画に出てくる大人(エイリアン含む)は、みんな本質は悪人ではない。ジョーの父は妻の死で深く傷ついているだけ。アリスの父はジョーの父に本当は謝罪したい。ネレク大佐はバスが襲われたとき子供達を逃がそうと苦心する。エイリアンは長年人間に幽閉され拷問された結果として人間を憎んでいるだけ。しかし、大人になるにつれてどこか汚れていったり素直になれなくなっている。ジョーの父は子供の気持ちを理解しようとしない。アリスの父は飲んだくれのダメ親父。ネレク大佐は難民エイリアンを拷問する。エイリアンは宇宙船制作の片手間に復讐がてら人間を食べる。
 他方で、子供たちは真に純粋だ。その対象は、映画であったり恋であったり爆竹であったりするけれど、皆一様にピュアなハートを持っている。
 結局、本作は、子供たちと大人たちとの対比をジョーの成長物語の中で描くことで、子供の頃の純粋だった気持ちの大切さを訴えているのではないか。今や金と地位に汚れてしまったスピルバーグとエイブラムスは、自分たちが映画制作に純粋だった頃を描くことでその頃の気持ちを懐かしんだのだろう。筆者はそう感じた。

点数:78/100点。
 安定感はすばらしいが、決して傑作ではないし、むしろ冒頭から終幕へと失速していく感は否めない。しかし、子供たちの純粋さ、特に憐れなチャールズに感銘を受けたので+5点。


(鑑賞日[初]:2012.1.13)










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Tag:青春映画 エイリアン侵略系SF

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