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Super 8



キャッチコピー
・英語版:It's Alive.
・日本版:僕たちは1人じゃない。

 世界を救うのは、いつだって少年のピュアなハート。

三文(さんもん)あらすじ:14歳のジョー(ジョエル・コートニー)は、友人のチャールズ(ライリー・グリフィス)らとともにゾンビ映画の自主制作に熱中している。ヒロインとしてアリス(エル・ファニング)を迎え深夜の駅で撮影に臨む彼らは、エリア51から”何か”を輸送する列車の脱線事故に遭遇。直後から町では次々と奇怪な出来事が起こり始めるが、その元凶である”何か”をジョーたちの8mmカメラ(Super 8)が捉えていた・・・

 
~*~*~*~


 ポスターの視点が横向きなのは、主人公達のカメラが”アレ”を映していたときに横倒しになっていたからだろう。シンプルかつミステリアス、しかも、ちゃんと意味もあるという良いデザイン。

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 作品全体の印象としては、『スタンド・バイ・ミー』、『E.T.』と『クローバーフィールド』、ないしは、『グエムル』を足したような映画。特に『クローバーフィールド』を期待して観た人は多いのではないだろうか。なんせ公開前の予告編は、脱線後の貨物車の扉を何かが内側からぶち破ろうとしているだけという極めてミステリアスな作りになっていて、否が応でもワクワクは100倍。しかも監督は『クローバーフィールド』をプロデュースしたJ.J.エイブラムスなのだから、それはもう斬新な仕掛けが施されたモンスター・パニックを期待せざるを得ないだろう。

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 でも、実際は、少年ジョーがエイリアン騒動を通して恋を知り、勇気を学び、母の死を乗り越え、父との絆を深める、そんなハートフルな青春冒険活劇。これにチャールズを筆頭にした映画仲間達との友情も織り混ざって、むしろ『スタンド・バイ・ミー』に近い感じになっている。映画公開前には前述通りミステリアスだった宣伝も、公開後は『スタンド・バイ・ミー』とか『E.T.』に寄せたハートウォーミングなものになっていたように記憶している。

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 筆者は、公開時に観る機会を逸したことが幸いし、既に少年ジョーのピュアな物語であることを知っていたのでかなり楽しめた。実際、ハナからそのような観点で鑑賞する限り、この映画の完成度はかなり高い。確かに、ベタなストーリー、ベタな展開、映像にもこれと言って目新しい点はない。しかし、そこはスピルバーグ&エイブラムス。抜群の安定感で2時間弱を見せきる手腕はさすがの一言に尽きる。さらに、これは鑑賞後に知ったことだが、『スター・ウォーズ』シリーズのサウンドデザインや『E.T.』の声をデザインしたあのベン・バートがサウンドデザインを担当している。超豪華だ。

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 アクション面で記憶に残るのはやっぱり列車脱線のシークエンス。普通サイズの自動車が衝突しただけなのに、飛ぶわ跳ねるわ爆発するわ。こういう無駄に爆薬を使う(マイケル・ベイなんかがやりそうな)演出は個人的に好感が持てる。あと、飛来する列車の破片をジョーが走りながら間一髪で避けていくシーンはすごい。『M:I:Ⅲ』でイーサンが戦闘機から爆撃を受け車に叩き付けられるシーンや、『ゴーストプロトコル』でギリギリのところに車が落ちるシーンのような”生々しさ”がある。最近はこういう"リアル"なアクションシーンが増え、CGは進歩してるなぁと感心する。

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 あとは、やっぱり子役の演技がピカイチ。特に、ジョー役のジョエル・コートニーとチャールズ役のライリー・グリフィスは演技初挑戦というから驚きだ。そして、何と言ってもエル・ファニングがめちゃめちゃ可愛い! 下手したら、姉のダコタ・ファニングよりも可愛いんじゃないだろうか。やっぱり"下の子供ほど美形理論"は正しいのだな。この理論については、また日を改めて述べたいと思う。

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 そう、それと子供陣のキャラで言うと、チャールズがけっこう可哀想。映画に懸ける情熱、足の骨が突き出すほどの怪我を負った友人を前にしても動揺せず介抱する精神力と、まさに“漢気デブ”の称号が相応しいチャールズ。しかし、そもそもは自分が親しくなりたくて映画制作に引き込んだアリスを親友のジョーが好きになったことに気付き、ジョーに怒りをぶつける。「…アリスが好きだ。ごめん。」と白状するジョー。俺たちのチャールズは正直だ。

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「俺がムカついてるのはそこじゃない。

両想いなんだろ?

そこにムカついてるんだ!


 チャールズ…。分かるよ。"監督"ってのは、孤独だよな。きっとスピルバーグもエイブラムスも同意してくれるさ。

 では、最後に3点、疑問とダメ出しを。まずは、ラストで母の形見のネックレスが宇宙船に吸い寄せられ、ジョーは一旦これを掴むがやはり手放すシーン。ここは正直上手いと思った。エイリアンの作ったエンジン(?)が辺りの金属類を全て引き寄せ吸収することで宇宙船を形作る。そして、ジョーは今まで固執していたネックレスを手放すことで死んだ母を振り切り、一人前の”男性”に成長する。SF的ギミックとドラマ部分とが上手くかみ合ったいいシーンだ。軍人の銃が全て吸い寄せられ、武装解除されるのも意味深長。ただ…アリスの父親がしているチャラい金属のネックレスが…微動だにしていない! カーボン?カーボンなのか?! …たぶん違うだろうな。これは編集段階で気付いて欲しかった(まぁでも、観直してみたら、アリスの父親が現場に駆け付けた時点では兵士の銃ももはや引き寄せられてはいないようだから、既にエイリアンが鉄を集めきった後だったのかもしれないな。)。

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 次に、犬はなぜ逃げた??という点。エイリアンの恐怖を本能で察知したのだろうか。その辺は明確に言及されてなかったような気がする(ひょっとしたら、みんなエイリアンに食われてしまったのかな。)。

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 3つ目は、DVD特典として収録されている『訪問者の生命』からのコメント。曰く、「クリーチャーは機械を組み立てる繊細な手の動きを持っていると同時に、地下にトンネルを掘ることができる必要もある。そこで発想を転換したんだ。足で掘ればいいってね。 そうか、なるほど……あの穴は足で掘っていたのか…。いや…っていうか、手でも足でもどっちでもえぇわ!っていうね。

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 最後にその他感じたことを。なんかネットの感想見ていると、エイリアンが人喰ってるのにあのハッピーエンド感はしっくり来ないという意見をよく見る。でも、個人的にそれはまぁ良いと思う。この映画に出てくる大人(エイリアン含む)は、みんな本質は悪人ではない。ジョーの父は妻の死で深く傷ついているだけ。アリスの父はジョーの父に本当は謝罪したい。ネレク大佐はバスが襲われたとき子供達を逃がそうと苦心する。エイリアンは長年人間に幽閉され拷問された結果として人間を憎んでいるだけ。しかし、みんな大人になるにつれて、どこか汚れていったり素直になれなくなったりしている。ジョーの父は子供の気持ちを理解しようとしない。アリスの父は飲んだくれのダメ親父。ネレク大佐は難民エイリアンを拷問する。エイリアンは宇宙船制作の片手間に復讐がてら人間を食べる。

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 他方で、子供たちは真に純粋だ。その対象は、映画であったり恋であったり爆竹であったりするけれど、皆一様にピュアなハートを持っている。結局、本作は、子供たちと大人たちとの対比をジョーの成長物語の中で描くことで、子供の頃の純粋だった気持ちの大切さを訴えているのであろう。今や金と地位に汚れてしまったスピルバーグとエイブラムスは、自分たちが映画制作に純粋だった頃を描くことでその頃の気持ちを懐かしんだのだな。まぁ、そんな陳腐なノスタルジーだけでは、エイリアンの大量虐殺への免罪符としては心許ないが、無邪気な子供の純粋さを広い度量で受け入れてやるというのが、カッコいい大人の在り方ではないだろうか。

点数:78/100点
 安定感はすばらしいが、決して傑作ではないし、むしろ冒頭から終幕へと失速していく感は否めない。しかし、子供たちの純粋さ、特に憐れなチャールズに感銘を受けたので+5点。


(鑑賞日[初]:2012.1.13)

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Mr.Alan Smithee
Posted byMr.Alan Smithee

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