--
--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
27
2012

[No.108] スパイダーマン2(Spider-Man2) <93点>

CATEGORYアメコミ
spider_man_two_ver4.jpg



キャッチコピー:『運命さえも敵なのか。』

 ゴー!スパイディ!ゴー!!

三文あらすじ:遺伝子操作によって生まれた”スーパースパイダー”に噛まれ、驚異的な身体能力を得たスパイダーマン(Spider-Man)ことピーター・パーカー(トビー・マグワイア)。日々ヒーロー活動に勤しむ彼だったが、大学での成績は下降気味、思いを寄せるM.J.ワトソン(キルスティン・ダンスト)には真実を伝えられず、親友のハリー・オズボーン(ジェームズ・フランコ)とはスパイダーマンの正体を巡ってギクシャクするなど、次第にヒーローとそうでない自分とのギャップに苦悩していく。そんな中、核融合研究の権威オットー・オクタビアス(アルフレッド・モリーナ)が実験に失敗、脊椎に装着した4本のアームに自我を乗っ取られ、凶悪な科学者”ドック・オク”が誕生する・・・


~*~*~*~

 
 ”1作目は無難に様子見、2作目でスケール&監督の自由度アップ、3作目は詰め込めるだけ詰め込め”。この方程式にバッチリはまったのが本シリーズであり、2作目となる本作では、しっかりスケール監督の自由度がアップしている。『MIB2』の例もあるから、監督の自由度アップが必ずしも良い結果に結びつくとは断言しかねるが、本作に限っては、数あるスーパーヒーロー作品の中でも最高峰、大傑作と呼ぶにはばかり無い大変素晴らしい作品に仕上がっている。

smⅡ


 前作で、グライダーがあろうことか股間を直撃し絶命した”初代グリーン・ゴブリン”ことノーマン・オズボーン(ウィレム・デフォー)を除いて、主要メンバーは、そのまま続投。相変わらず良い演技で盛り上げる。しかし、最も素晴らしいのは、初登場、本作最強のヴィラン、8本の四肢を持つマッド・サイエンティスト”ドック・オク”ことオットー・オクタビアスである。

smⅡ5


 まず、ヴィランとしての彼のキャラクターが格好良すぎる。核融合研究の権威であるにも関わらず、計算ミスにより実験に失敗、最愛の妻と自身の夢を亡くしたショックから元は善人である人格を人工知能を搭載した4本のアームに乗っ取られ、実験のためなら犯罪も厭わないというマッド・サイエンティストに変貌する。筆者は個人的に純粋な”悪”である酔狂なヴィランが好きなのだが、ドック・オクに限っては、その悲哀が極めて熱く胸を打つ。やはり監督サム・ライミが彼のキャラクターをしっかり描けているからだろう。そういえば、前作のグリーン・ゴブリンもそうであったが、ライミは、善人であるにも関わらず何らかの理由で悪の二重人格が生じる、というヴィランがお気に入りのようだ。

 そして、乗っ取り後、”ドック・オク”と化した彼のヴィジュアル。

smⅡ1


 メカニカルな4本のアームが最高に格好いいのだが、何と言っても、そのアームと奇跡のマッチングを見せたアルフレッド・モリーナの好演に賞賛の拍手を送りたい。アルフレッド・モリーナと聞いても、その極めて濃い顔面とは裏腹に中々ピンと来ない。そう、彼は、良い俳優でありながら、いわば”過小評価”されているアクターなのである。実際、「CUT」の”続・世界の映画オタクが選んだ史上最高の映画ベスト150!”という特集においても、その特別企画”発表!史上もっとも過小評価されている俳優ベスト10!”の第8位にランクイン。同紙の言葉を借りるなら、この悲劇の実力者を次のように評するこが出来る。

 「アルフレッド・モリーナの自宅には誰かが”イギリスで最も過小評価されている役者がここに住んでいる”と、重要文化財であることを指定する看板を掲げるべきだろう。」

 恥ずかしながら、筆者はまだ観たことがないのだが、『ブギーナイツ』におけるクラック中毒の売人役や、『ブリック・アップ』におけるジョー・オートン役は素晴らしかったらしい。事実、当ブログで以前紹介したオムニバス『コーヒー&シガレッツ』でも”KYでちょっとウザい俳優”として本人役を好演しており、やはり彼が味のある非常に良い役者であることは、疑いようがない。

smⅡ6


 そんな彼が、演技面で”ドック・オク”というドラマチックなヴィランに適していたことは、素直に頷けるのだが、圧巻なのは、そのヴィジュアルである。”ほぼ固形に近い形まで濃縮したソース顔”とでも言ったらいいのか、彼の顔面は初期のジョージ・クルーニーも遠く及ばない程に濃い。そして、現代アメリカ社会の肥満問題を全身で訴えているかのようなその体型。普通のヴィランならば、こんなむさ苦しいおっさんでは到底務まらない。ところが、メカニカルな4本のアームと合体した瞬間、彼は奇跡のハーモニーを奏で始める。

smⅡ2


 格好良すぎだ!個人的に、本シリーズで登場した計5体のヴィラン中、一番格好いいと思う。あの作業用サングラスにアームを使ってマッチで火を点ける葉巻。”ポルコ・ロッソ”を彷彿とさせるそのいぶし銀な様を見せられては、もはや抱かれることもやぶさかではない、という気持ちになってくる。

 そんなセクシータコ男”ドック・オク”と我らが『ザ・フライ』の成功例ヒーロー”スパイダーマン”が死闘を繰り広げる訳だが、これがヒーロー映画史に残る名対決になることは、もはや自明の理。

smⅡ7


 中でも圧巻なのは、疾走する電車上でのバトルである。めくるめくアクションの連続、目まぐるしく飛び回るタコとクモ。まぁ、チョロチョロと電車上を移動するドック・オクは、タコというより「お前もクモやん」と言いたくなる雰囲気はあるが、それでも最高に格好いい。平気で乗客を車外に放り出し、スパイダーマンを苦しめるその極悪非道ぶりもシビれる、憧れる。

 そして、特に最高なのは、やはり”ヒーローもの然とした漢の魂完全燃焼な展開”である。両者の拮抗した実力を痛感し、電車のブレーキを破壊するドック・オク。”いや、踏む気がないだけさ”ではなく、本当にブレーキが壊れているのだから”いい傾向だよ”とは言えない。高架橋上を最高速で疾走する電車の終着点は、遙か眼下に広がる河の水面。なんとか止めなくては!というベタな展開である。

smⅡ3

「うおぉぉぉぉぉ!!」


というスパイディの雄叫びももちろん有り。ヒーローが見せ場で叫ばないのはウソだろう。

 『スピード』のように町中へと飛び出すこともなく、なんとかギリギリでストップした電車。力を使い果たし気を失うスパイディを乗客達がそっと支える。『マトリックス レボリューションズ』のラストでネオが運ばれたときのように、ゆっくり車内へと誘われるスパイディ。彼の顔を見た乗客の1人が呟く。

smⅡ8

「まだ子供じゃないか…。」


 ベタ!だが、それがいい!!目を覚まし、素顔を見られたことに気付いて狼狽えるピーター。そこに子供がマスクを持ってくる。走ってる電車の上で外したのに、どこで見つけてきたねん!という無粋な突っ込みは、この際無しだ。ピーターにマスクを手渡した子供が言う。

smⅡ9

「大丈夫だよ。誰にも言わないから。」


 素晴らしいベタ!最高だ!!乗客に手を貸されながらスパイディが立ち上がったとき、再び悪のマッド・サイエンティストが姿を見せる。しかし、スパイディは、もう1人で戦ってはいない。ドック・オクの前に立ちはだかるデブの乗客。

smⅡ10

「ここを通るなら、俺を倒してからにしな!」


 ブラボー!!粋でベタな台詞というのは万国共通なのだ、ということが分かる最高のシーン。1作目のラスト、橋の戦いの際も一般市民がスパイディを応援するというくだりがあったが、あれのスケールアップバージョンが、この電車シークエンスである。

 さらに、本作では、この胸熱シークエンスをより盛り上げるためのしっかりした”前振り”も完備されている。頑張っても頑張ってもプライベートとの両立が図れず、挙げ句の果てには悪者のように紙面を賑わすヒーローとしての自分。自らの苦悩を分かってもらえない、というヒーローの限界。中盤、スパイダーマンは、マスクを捨て、ピーター・パーカーへと戻る。もちろん、そんな彼を再びヒーローへと奮起させるのは、最愛の人M.J.ではある。この物語は、M.J.という1人の女の子の物語だからだ。しかし、このシークエンスで明確に描かれる、一般市民との絆。彼は、ヒーローは、1人で戦っているのではない。誰しもが自分の心の中に”ヒーロー”を持っている。だから強く生きることが出来るのだ。ときには、大切な”夢”さえも犠牲にして。そして、本作の世界観の中では”スパイダーマン”こそが、みなの”ヒーロー”の象徴、すなわち”ザ・ヒーロー”なのである。

smⅡ11


 以上のように、本作、特に電車でのバトルシークエンスは、ヒーロー好きにとって最高に漢の魂完全燃焼な素晴らしい展開に仕上がっている。ゴー!スパイディ!ゴー!!

点数:93/100点
 男とか女とか、性別は関係ない。心の中に”ヒーロー”を持っている人、そんな”アンパンマンは君さ”の精神を忘れないあなたなら、間違いなく業務用の涙腺が必要になるであろう傑作。それが、本作『スパイダーマン2』である。

<おまけ>
 本作のブルース・キャンベル。

sm2bruce.jpg


 M.J.の舞台における劇場係員。今回は特に重要な役回りではない。嫌みで可笑しいステキな係員だ。

(鑑賞日:2012.6.26)










スパイダーマン・2 [DVD]

新品価格
¥741から
(2013/3/27 01:27時点)


スパイダーマン・2 [Blu-ray]

新品価格
¥1,382から
(2013/3/27 01:27時点)


ドック・オク

新品価格
¥8,199から
(2013/3/27 01:31時点)


スパイダーマン アダルトコスチュームSpider-Man Adult Costume 802940

新品価格
¥4,462から
(2013/7/4 00:02時点)



関連記事
スポンサーサイト

Tag:良い続編 魂のバイブル 涙腺爆発 アイ・ラブ・ニューヨーク 後天的ヒーロー

0 Comments

Leave a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。