[No.117] エイリアン2(Aliens) <98点>





キャッチコピー:『今度は戦争だ!』(This Time It's War.)

 種の生存を賭けた宇宙の死闘は、母性と母性のぶつかり合い。

三文あらすじ:ノストロモ号でのエイリアンとの死闘から生還したエレン・リプリー(シガニー・ウィーバー)は、コールドスリープ状態で航行中、運良くサルベージ船に救助されるが、目覚めた彼女が知らされたのは、実に57年もの間宇宙を漂流していたという驚愕の事実だった。自身の娘も既に天寿を全うし、エイリアンに関する訴えも会社には一切信じられないという孤独な状況の中、惑星Lv-426の入植者からの連絡が途絶、海兵隊一個小隊が救出に向かうことになる。ウェイランド社から、唯一エイリアンとの戦闘経験を持つ者として同行を依頼されたリプリーは、始め拒否するも、自身の悪夢と向き合うため、再び完全生物の惑星に降り立つことを決意する・・・


~*~*~*~

 
 最近の筆者の映画熱低下とは裏腹に体の方が40度近くも熱を出してしまい、更新が大幅に遅れてしまった本作『エイリアン2』。その前に話題作『ダークナイト・ライジング』も実は観ていたりするので、そちらも早く書きたいのだが、まずは先に観ていた本作から。

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 最初に言及すべきは、何と言ってもこのキャッチコピー。

 今度は戦争だ!(This Time It's War.)

 これは素晴らしい!傑作SFゴシックホラーだった前作を受けてのこの勢いのある端的でキャッチーなフレーズ。作品の大胆にして見事な方向転換を反映した秀逸な一品だ。

 そして、その作品自体の方向転換。これは言わずもがなの大成功。エンターテイメントを撮らせたらもはやこの人の右に出る人はいないのではなかろうか。名匠ジェームズ・キャメロンがメガホンを取る。

 しかし、本作で最も素晴らしいのは、海兵隊一個小隊 vs エイリアンの大群というアクション的なコンセプト・チェンジではなく、母親 vs 母親というストーリー的なコンセプト・チェンジではないかと筆者は考える。

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 冒頭、前作で命からがら助かったエレン・リプリーがサルベージ船に救助されるシーンからスタート。しかし、彼女は実に57年間も宇宙を漂流していたという驚愕の事実が発覚する。娘は既に天寿を全う。泣き崩れる孤独な母親。「誕生日には帰るって約束したのよ…」

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 この“娘との約束を果たせなかった母親”というキャラクターが、後半の展開で圧倒的な説得力を発揮する。

 ちなみに、母親不在の間、リプリーの娘がいったいどのような“死闘”を繰り広げていたかを知りたい人は、『ALIEN:ISOLATION(エイリアン・アイソレーション)』というゲームをプレイしてみることをオススメする。シガニー・ウィーバーを始めとしたオリジナル・キャストの多く(いや、数人だけだったかな?)がセリフを新たに撮り下ろしていたりするので、ファンには鳥肌ものだ。

 第一作『エイリアン』のノストロモ号事件と本作の間に時間軸を置いたこの作品では、エレン・リプリーの娘アマンダ・リプリーが、宿敵ビッグ・チャップと大バトル(…というか、実態は純度100%のスニーキングなんだけど。)を繰り広げるのである。しかし、そのバトルの中にも、エレン・リプリーから娘への愛のメッセージがあったりして、これがまた泣けるんだ。あくまでもゲームではあるものの、もはや正史にカウントしても誰も文句は言わないであろう名作。ぜひプレイしてみて欲しい。

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 少し話が逸れたが、本作冒頭では、エイリアンの惑星Lv-426に先住しテラフォーミングを行っていたコロニーからの連絡が途絶え、リプリーは海兵隊への同行を決意する。正直、ここの動機付けは少し弱い。“自身を悩ませる悪夢と対峙する”というのがそれだが、あれだけ「もう二度と行かない!」と繰り返し主張していた割にはあっさり決断したなぁという印象だ。

 いざ悪夢の惑星に到着してみれば、現地のコロニーは既に全滅。しかし、1人の生き残りがいる。それが”ニュート”ことレベッカ・ジョーダン(キャリー・ヘン)という小さな女の子である。

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 両親も兄弟も失った彼女は、リプリー同様、孤独な身の上。しかし、始めの内は何者にも心を閉ざしていたニュートも次第にリプリーに対し心を開き始め、リプリーも彼女を守ることを決意する。

 エイリアンの急襲を逃れに逃れた終盤、もうすぐ脱出だ!というときにニュートが地下の下水道に落下。当然リプリーは脱出艇を待たせて救出に向かうのだが、本作が他のアクション作品とひと味違うのは、ここの説得力だ。

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 確かに、こんなシーンはありがちである。しかし、ありがち=正しいということでは決してない。往々にして、アクション作品の主人公が土壇場で見せるヒューマニズムは、映画館でぬくぬくと鑑賞している我々の目から見ても甘すぎる”偽善”に映ることがほとんど。

 しかし、本作は、エレン・リプリーは違う。彼女が助けに行くのは”新しい娘”であり、もっと言うなら、約束を果たせなかった”57年前の我が子”なのである。57年前、憎きエイリアンによって誕生日に帰るという約束を妨げられたリプリーは、今まさにその約束を果たさんと再び死地に舞い戻る。

 この後もアクションシーンのつるべ打ち。シリーズ初登場の”クイーン・エイリアン”も素晴らしいキャラクター。

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 彼女もまた”母親”であり、エイリアンというモンスターがステレオタイプな”悪”ではないことを物語っている。これは”母親 vs 母親”の真剣勝負に他ならない。

 エイリアン・ハイブの大爆発後、脱出艇内に(クイーン・)エイリアンが潜んでいるというのも前作同様お約束。ここで登場するのが、ジェームズ・キャメロンお気に入りのパワーローダーだ!『アバター』にも登場していたあのいわゆる”強化外骨格”である。

 我が子の絶対的ピンチ。駆けつける母親。敵だって同じ“母親”だとしても、これは、母性と母性のぶつかり合いであり、脆弱なきれい事や薄弱なよまい事など不必要。リプリーが叩き付ける一言だけが、この宇宙の真実だ。

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「Get Away From Her, You Bitch!!!」


 まさに”母は強し”。最強エイリアン”クイーン” vs フルアーマード”お母さん”の死闘に決着が付き、リプリーに抱き寄せられたニュートが呟く、

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「Mammy・・・」


がまた泣かせる。

 おめでとう、リプリー。おめでとう、ニュート。そして、全ての母子に、ハッピーバースデー。

 もう1つ、本作で個人的に良かったところは、リプリーが惑星に飛び立つに当たりちゃんとあの”疫病描”を置いて行くという点。

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 そう、猫は置いとけ。

点数:98/100点
 もうほぼ文句なし。SFアクションでこれほど完成度の高いエンターテイメントは他にないと言っていいだろう。銀河を股に掛けた2人の熱い親子愛に涙してもらいたい。

(鑑賞日:2012.8.2)

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