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2012

[No.119] エイリアン3(Alien3) <54点>

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キャッチコピー:『あいつが戻って来た。』

 さらば、愛しき宇宙家族。

三文あらすじ:惑星Lv-426でのエイリアン殲滅戦後、エレン・リプリー(シガニー・ウィーバー)、ドウェイン・ヒックス(マイケル・ビーン)、ニュート(キャリー・ヘン)、ビショップ(ランス・ヘンリクセン)ら生存者を乗せたスラコ号は、地球への帰還途中、謎の事故を起こす。切り離された脱出艇が不時着したのは、ウェイランド社が有する宇宙の流刑惑星フィオリーナ161だった。着陸時に他の生存者が死亡したことを知り悲しみに暮れるリプリーは、男性囚人ばかりの惑星で、三度(みたび)完全生物エイリアンと対決することになる・・・


~*~*~*~

 
 オチが憂鬱な映画は数有れど、冒頭からここまでな気持ちになる映画もまぁ珍しい。

 前作のラストで、血のつながりを超え、”母子”となったリプリーとニュート。彼女らを支えるさながら”お父さん”のようなヒックス伍長。そして、アンドロイドでありながら温かい心を持つ”叔父さん”としてのビショップ。そんな彼ら”宇宙家族”は、コールドスリープ状態のまま、事故により監獄惑星へと不時着する。これがファミリー・ムービーなら、そのまま”宇宙で迷子”的SFアドベンチャーが繰り広げられるところだが、そこは後に『セブン』、『ファイト・クラブ』で一躍トップ・ディレクターにのし上がるデヴィッド・フィンチャー。なんと惑星着陸時の衝撃でリプリー以外全員死亡という驚愕の幕開けが用意されている。本当に趣味が悪い。

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 その後も、いたいけなニュートの亡骸を解剖するシークエンスがあったり、前作でヒックスと少しいい感じだったはずのリプリーが彼の死のほとぼりも冷めぬ間に囚人の1人とセックスするシークエンスがあったり、それでいてその医師があっけなくエイリアンの餌食になってしまう展開があったりと、いささか病的なまでに悪趣味なシーンのオンパレード。

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 まぁ、元々”エイリアン”という作品は、薄暗~い、狭~い空間の中で人々が1人また1人とジワジワ殺されていくものであるから、決して気分爽快なモンスターパニック・アクションという訳ではない。ある程度の趣味の悪さは、エイリアンシリーズの持ち味であるとも言える。

 とはいえ、前作ラストのあのハッピーエンドを前提にしての本作の展開は、いくら何でも気持ち悪すぎる。また、いざエイリアン vs 囚人のバトル・シークエンスに目を向けてみても、本作で展開されるそれは、従来のエイリアンシリーズとは一線を画した、悪く言えば”『エイリアン』の良さが微塵も感じられない”ものに成り下がっている。

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 監獄惑星だから武器が何も無い、という設定は、海兵隊一個小隊との大バトル・アクションを前作で既に描いてしまっている関係上、むしろ中々評価すべき趣向だと思う。しかし、リプリーが指揮を執り、囚人達と一緒に知恵と勇気で罠を張り巡らすシーンは、なんだかエイリアンらしくない。また、案の定、完成前にエイリアンの襲撃を受け、罠は大爆発、メンバーの半数を失うという展開は、非常にマヌケだ。

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 おまけに、本作では、エイリアンのビジュアルも良くない。本来的には、出てきそうで出ない、というのが、エイリアンの魅力だ。モーショントラッカーの信号音だけが不気味に鳴り響き、直ぐ側まで接近していることが分かるものの、その姿は見えない。そんな演出がたまらなく恐かった。しかし、本作では、そもそもモーショントラッカーが登場しない。文明の利器は皆無、という良設定は残したままでも、何かモーショントラッカー的な“エイリアン感知装置”を作製する、という展開は充分考えられたはずなのに。

 それから、何より本作では、エイリアンが結構バンバン出てくる。確かに、いつまでも同じ演出で騙せるほど客は甘くないとはいえ、それならば、登場するエイリアンのビジュアルはしっかりと作り込んで欲しいところ。ところが、本作のエイリアンは、随所にゴー・モーション、あるいは、デジタル加工を施した姿で登場し、そして、このSFXがまたショボいのである。

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 まぁ、時代だったり予算だったり、いろいろな原因があるのだろうが、こんなに“軽いゼノモーフ”は、全く恐くない。

 そんな訳で今や名匠となったデヴィッド・フィンチャーの初監督作は、現場でのトラブルも相まって大失敗に終わったのであった。

点数:54/100点
 やっぱりシリーズものは2作目までだ、ということを改めて実感させてくれる、そんな作品。とりあえず、悲しき運命を辿った”宇宙家族”のご冥福を心からお祈りするばかりである。

(鑑賞日:2012.8.17)










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