[No.12] 宇宙人ポール(Paul) <82点>





キャッチコピー:『友情は星を超える!』

 朋あり、遙か遙か遠方より来たる、また楽しからずや。

三文あらすじ:SFオタクのグレーム・ウィリー(サイモン・ペッグ)とクライヴ・ゴリングス(ニック・フロスト)は、コミコン・インターナショナルを訪れUFOゆかりの地を巡るため、アメリカ横断旅行を敢行する。エリア51付近を通過したとき、2人は同所から逃げてきた宇宙人のポール(Paul)(声:セス・ローゲン)と遭遇、道中を共にすることに。道すがらキリスト教を盲信する女性ルース・バグズ(クリステン・ウィグ)を仲間に入れ、ポールを追う謎の組織の捜査官ゾイル(ジェイソン・ベイトマン)やグレームたちに娘が誘拐されたと勘違いしたルースの父親(ジョン・キャロル・リンチ)に追われながら、彼らは一路、ポールと仲間の集合地点を目指す・・・

 
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 本作で脚本兼主演を務めるサイモン・ペッグとニック・フロストは、『ホット・ファズ』で凄腕巡査部長とダメ警部補を演じた2人。同作はとてもおもしろかったが、本作も負けず劣らず、大変素晴らしいロードムービーだ。

 まず、やたら人間臭く俗っぽいエイリアンというキャラ設定が斬新でおもしろい。
 ポールは60年もの間政府に囚われていたので、英語はペラペラ、酒は飲むし煙草は吸う。ジョークを連発し下ネタを喋りまくり、お気に入りの曲に合わせてダンスを披露する。その一方でどこか達観し人生を見通しているところもあって、迷いや悩みを抱えるグレームたちを含蓄ある言葉で励ます。要は、宇宙人であるにもかかわらず、そこらの人類よりも人間らしく、かつ、人間ができているのである。

 これに対して、人類であるグレームら3人は、みなどこかにある意味で人としての“欠陥”を抱えている。
 グレームとクライヴは、SFオタクでコミックマニア。不良にはビビるまくるし、女性との付き合い方も分からない。ルースは、自由に旅をしたいと思いながらも、厳格な父にいわば飼い殺しにされている。おまけに父に叩き込まれたキリスト教を盲信しており、世界は神が創造したものと信じて疑わない。酒も飲まず男性とも付き合わず極めて禁欲的な生活を送っている。
 端的に述べるなら、グレーム&クライヴにしてもルースにしても、非常に視野が狭い、というキャラなのである。つまり、世界の広さを知らない、ということだ。

 「凝り固まった価値観の下、狭い世界でしか生きてこなかった人間」と彼らからすればまさに「外の世界から来たエイリアン」が運命的に出会い、両者が共に旅をする中で友情を育みつつ成長していく、というのが本作の大まかなプロットである。これがおもしろくならないはずがない。

 しかも、本作には映画好きにはうれしいオマージュやパロディが随所に散りばめられている。

 まず、『スター・ウォーズ』ネタが、全編を通して出てくる。
 コミコン会場はレイアやジェダイのコスプレをする人ばかりだし、グレームは『帝国の逆襲』のTシャツを着用し、クライヴは「最後にセックスをした相手はイウォークだった」とギャグを飛ばす。バーで演奏されているのは、タトゥイーンのバーで演奏されていたあの曲だ。

 他にも、ポールが仲間と待ち合わせる場所は『未知との遭遇』に出てくるあの山だし、『E.T.』のアイデアはポールがスピルバーグに提供したという設定になっていて、このときポールが電話でスピルバーグと話しているのは『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』のラストでアークが保管された倉庫だったりする。なるほど、ポールはあの倉庫に閉じ込められていたのか!そういえば『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』であの倉庫からエイリアンの死体運び出してたなぁ。あれはもしかして・・・。などと想像が膨らみ楽しい。

 さらに、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』からのパロディも何カ所かに見受けられる。
 ポールたちは、捜査官やルースの父親から隠れるため、RV車をデロリアンよろしく看板の裏に停車させる。また、ポールに一緒に来るかと誘われたタラが「歯ブラシを忘れたわ。」というと、ポールは、レーガン大統領も引用したあの名台詞「Roads? Where we're going, we don't need roads.」をパロって、

 「Toothbrush? Where we're going, we don't need teeth.」

と言い放つ。歯いらんてどんな生活やねん。

 もちろん、これらはほんの一例で、他にも『スタートレック』『マック』『ギャラクシー・クエスト』『メン・イン・ブラック』『エイリアン2』『プレデター』『ダーティ・ハリー』『スパイダーマン』『Xファイル』『ジョーズ』果ては『ロレンツォのオイル』まで、細かな会話や登場人物の名前も含めれば、本作には無数のパロディが詰まっている。

 その上、豪華なゲスト出演者たちがパロディに箔を付ける。

 まず、先ほども述べたポールがスピルバーグに『E.T.』のアイデアを教えるシーン。電話の声になんとスピルバーグ本人が出演している。

 「僕、演出にだけは自信があるんだ!」

 ・・・その自覚があったとは。

 そして、ポールを追う組織のボス”ビッグ・ガイ”としてあのシガニー・ウィーバーが出演。そう、映画史上最強のエイリアンハンター、エレン・リプリーだ!なんか色々と『エイリアン』シリーズの台詞を言っていたと思うのだが、正確に思い出せず悔しい。もう一回『エイリアン』見直そう。
 筆者が唯一分かったのは、“ビッグ・ガイ”がタラから

 「Get awey from her, you bitch!」

 と言われ殴られるシーン。これは『エイリアン2』におけるリプリー自身の決め台詞だ。

 筆者の有する映画知識ではこの辺りが限界なのだが、本作にはもっと大量にパロディやオマージュが隠されているに違いない。何年かしてからまた観てみると新たな発見があるだろう。“映画ファンの映画ファンによる映画ファンのための映画”の醍醐味は、こういうところにある。

点数82/100点
 以上で述べたように、本作は映画好き、特にSF映画ファンにとって、何度でも楽しめる傑作である。しかし、本作が高得点に値するのは、決してパロディのみに終始するのではなく、しっかりと独自の世界観を構築し、一級のエンターテイメントに仕上がっているからだ。映画ファンではない人も人生に迷ったときに本作を鑑賞すれば、この愛すべきエイリアンから“人間のあり方”を学ぶことができるかもしれない。少なくとも、トングを使ったダンスの存在を知るだけでも損はないはずだ。

(鑑賞日[初]:2012.1.20)

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