--
--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
07
2012

[No.129] 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! <85点>

CATEGORYドラマ
踊る大捜査線 the movie2



キャッチコピー:『He's back.』
          『現場に正義を。』
          『所轄に愛を。』
          『捜査に信念を。』
          『接待にモナカを。』

 それでも、やっぱり愛してる。

三文あらすじ:湾岸署管内でスリ事件と婦女暴行事件が発生、時を同じくして、管内で他殺体が発見され、警視庁捜査一課が湾岸署に特別捜査本部を設置する。本庁初の女性管理監・沖田仁美警視正(真矢みき)が本部の指揮を執り、室井慎二警視正(柳葉敏郎)がそのサポートにあたる中、第2の殺人が発生、特捜本部は、犯人グループをお台場に隔離するため「レインボーブリッジを封鎖せよ。(Save The Rainbow Bridge.)」と発令する。湾岸署史上最悪の3連休に、サラリーマン刑事・青島俊作(織田裕二)が、全力で立ち向かう・・・


~*~*~*~

 
<『ダイ・ハード』を模倣せよ!>
 本作は、ハリウッド映画、特に『ダイ・ハード』っぽい作品だな、と個人的に思う。

 前回『踊る大捜査線 THE MOVIE』のレビューで述べたように、青島くんは常に上層部と戦っていなければならず、そのために制作陣は毎回趣向を凝らす。『歳末特別警戒スペシャル』では、室井さんに代わる新たなキャリア組”室井弐号”として、新城賢太郎(筧利夫)が登場。そして、本作では、室井、新城に続く第3の”敵”として沖田仁美が登場する。

okita.png


 また、劇場版第3作では、青島くんが余命幾ばくもないという設定を用い、最新作では、警察内部の犯行&辞職に追い込まれるという展開を用意することで、何とか青島くんを追い詰め、奮闘してもらう、というのが本シリーズだ。
 これは、様々に趣向を懲らした舞台でブルース・ウィリス演じるジョン・マクレーンが四苦八苦頑張り抜く、という『ダイ・ハード』シリーズと根本的に共通した構造。

 また、本作においては、特に大幅なスケールアップを図り、”ハリウッド映画的に”仕上げたというところもポイント。
 本作において最も”ハリウッド的”だと言えるのは、やはり”陸の孤島「お台場」”という舞台設定だろう。

odaiba


 ハリウッド映画において、本作同様のシュチュエーションが良く用いられるのは、マンハッタン島である。かつては、『ニューヨーク 1997』、最近では『ダークナイト・ライジング』でもマンハッタンと本土を繋ぐ橋が落とされる、という展開が用いられていた。これは非常にワクワクする。模倣である、とはいえ、お台場という舞台とマンハッタンの類似性に着目した制作陣には、賞賛の拍手を送りたい。また、特に『ダイ・ハード』との関係では、お台場が”閉鎖空間”と化した、という点に共通性を見いだすことが出来る。

 さらには、”3作目からのルール無視”という点でも両作は似通っている。
 『ダイ・ハード』では、1作目では高層ビル内、2作目では空港内というように、一定の”閉鎖空間”を舞台にする、というルールがあった。しかし、3作目では、舞台をニューヨーク市内全域と華麗に拡大、続く4作目ではアメリカ全土に舞台を広げ、5作目では遂にロシアへと飛び出した。本シリーズにおいても、1・2作と共通だった”所轄とキャリアとの確執”というルールが、3作目ではほぼ失われ、最新作で少しクローズアップされたとはいえ、やはり以前よりもそのテーマは希薄になっている。

 そんな訳で、筆者は、本シリーズが『ダイ・ハード』に似ている、と思うのだが、正直、本作をレビューする上でこのような指摘は無駄だったかもしれない。でもいいじゃないか。無駄なことだって必要である。

<オープニングを絶賛せよ!>
 さて、先程、シリーズものの映画には共通した”ルール”がある、ということについて少し言及した。本シリーズも例外ではなく、”所轄とキャリア組との確執”という大枠以外にも細かな共通点がいくつかある。その一つが”一癖有るオープニング”。1作目、そして本作共に、観客の心を掴む良質のアヴァンタイトルが用意されている。

 本作では、SATの公開訓練において、テロリスト役のはずの湾岸署の面々が逆にSATをやっつけてしまう、というのがそれ。”子供みたいな大人”である青島くんのキャラクターが良く表現できているし、キャリア組の鼻を華麗にあかす様は、見ていて清々しい。

odoru2avan.png


 さらに、擬似的なものであるとはいえ、豪華客船を舞台として繰り広げられるSATとテロリストとのアクションは、中々に手に汗握る軽快なテンポ。大変秀逸なオープニング・シークエンスである。また、このシークエンスは、やっつけられたSATのチームリーダーが青島くんを認める切っ掛けになっており、そのおかげで中盤、犯人を追ってトンネル内を進むシークエンスの運びが大変スムーズなものになっている。なおかつ、終盤、SATのリーダーが上の命令を無視してまで”自分の判断で”現場に駆けつけるという最高の漢気に圧倒的な説得力を持たせることにも成功している。

 ちなみに、前作では主要人物の目に焦点があてられていたオープニング・タイトルだが、今回は、“手”

odoru2op.png


 映像的に極めてクールである。また、手は、“技術”や“作業”といったイメージを連想させる部位であり、総じて“仕事”の象徴である。つまり、湾岸薯の面々がみないわゆる“ヒーロー”ではなく、あくまでも“一介の勤め人”であることを表しているようにも思えるのである。

<全員捜査に参加せよ!>
 個人的に本作で最も素晴らしいと思うシークエンスが、”捜査立て直し”のシークエンスである。

 歴代管理監中最も”無能”と言っても過言ではない沖田仁美警視正の判断ミスによって、犯人の凶弾を受ける恩田すみれ。騒然とする会議室にすみれさんの返り血を浴びた青島くんが入ってくる。まぁ、正直、

doshitegenbani.png

「どうして現場に血が流れるんだ!」


という決めぜりふは、極めてダサいと言わざるを得ない。

 しかし、ここからの流れは、感涙必至、全ての『踊る』ファンに捧げる、シリーズ屈指の名シークエンスとなっている。盛り上げるBGMは「UNITY」。これまたシリーズ屈指の名曲だ。青島くんの叫びを聞き、地下室から飛び出す室井さん。曲の高まりに連れ、彼の足も速まる。会議室のドアを開け放ち、高らかに命令を下す“田舎の猿”

tatenaosu!.png

「捜査を立て直す!」


 やっぱり室井さんは格好いい。

 「被疑者はこの辺の地理に詳しい。地図に無いところに隠れてるはずだ。地図に書かれていない箇所を教えてくれ。最近になって建てられた建物、トンネル。何でもいい。」

 呆気にとられる捜査員に対し、以上のように喋りながら会議室前方正面まで歩みを進めた信念の管理官は、続けて、これまでの『踊る大捜査線』をまとめ上げるかのような名台詞を口にする。

kakawarazu!.png

「捜査員に関わらず。」


 『踊る』のゴールは、まさにここである。捜査から政治を取り払い、全ての捜査員が自分の”正しい”と思うことが出来るようにする。この理想を実現するために、室井さんは上へ行って頑張り、青島くんは現場で頑張り、そして、我々は、そんな2人を見守ってきた。このシークエンスは、そんな我々をも含めた全ての”捜査員”たちが、作中のキャラクターや観客という枠を超えて団結(UNITY)した、シリーズ最高の名シークエンスなのである。

 そして、そんな室井さんの呼びかけに応えて一番始めに発言した女性に注目して欲しい。彼女こそ、テレビドラマシリーズ第1話「サラリーマン刑事と最初の難事件」において、パトカーの貸出を依頼した青島くんに対し「規則ですから。」を連呼した警務課の婦警。畠山明子演じる岸本さんである。

kishimotosan.png


 本シリーズにおいて、青島くんが一番始めに直面した警察機構の”硬直さ”であり”規則”ひいては”捜査に介入する政治”の象徴として登場した彼女が、いの一番に参加する。まさに、小さな一歩ではあるものの、青島くんと室井さんの理想が実現した、そんな瞬間に我々は立ち会ったのである。ちなみに、岸本さんは、ああ見えても産休をとっていたことがあり、結婚していると思われる。

<目立つ”アラ”を指摘せよ!>
 以上のように、筆者にとって本作が持つ意味は大きく、本作を以て『踊る』シリーズ完結と考えてもいいと思ってはいるが、しかし、その反面、本作には非常に”アラ”が多い。この点でも、やはり本作はいくらか“ハリウッド的”である。以下では、その点について、思いつくままに記述していく。

 まずは、同じ展開の繰り返し

 前回述べたように、本シリーズは”閉じた物語”であって、『HERO』であったり『古畑任三郎』のようにいつまでも同じような枠組みで続けられるものではない。よって、本作でも沖田仁美という新たな”敵”を”女性管理監”というキャラ付けをして登場させるなど、苦心の色が覗える。

 しかし、例えば、殺人事件の被疑者監視中に、青島くんが追っている婦女暴行犯とすみれさんが追っているスリの犯人が現れる、という展開。これはそのままテレビドラマシリーズ第4話「少女の涙と刑事のプライド」におけるそれと同じ。まぁ、今回は青島くんも少し大人になったようで、即座に別件の被疑者確保に向かわず、一応おとなしく待機している。しかし、その後のすみれさんのスリーアミーゴスに対する急激な激高や、沖田管理官に対する青島くんの憤りは、いささか不自然。これまでだって散々そんなことはあったのだし、我々も嫌というほどキャリアに所轄がないがしろにされる様を見てきた。

 我々からすれば、“あぁ、またか。”といった程度の自体だし、青島やすみれさんだってきっとそう思っているに違いない、と我々は思っている。確かに、目の前で起こった犯罪を見逃してしまったのだから、人間心理としての青島らの怒りは理解出来るのだが、これまでのシリーズ全体を通してみると、展開の運び方としてややマンネリで説得力を欠くように感じざるを得ない。

 次に、和久さんの扱い

 本作は、いかりや長助氏の遺作であり、撮影時の体調的にもあまり膨大なシーン数をこなせなかったのかもしれないが、それにしても出番が少ない。また、ここ一番の出番での台詞が寒い。

jibetahaizuri.png

「地べた這いずり回ってんだ!」


のくだりなどは、長年の『踊る』ファンでも思わず「天然記念物ぅ。」と言ってしまいそうになるほどである。

 臭い台詞は「・・・なんてな。」で軌道修正し、ここ一番では「被疑者を逮捕するのが、俺たちの仕事だ。」(まぁ、これもいささかの矛盾をはらんだ台詞ではあるのだが。)などの渋い台詞で我々をシビれさせてくれた、そんなモーガン・フリーマンって感じの和久さんが懐かしい。

 そして、極めつけは、「湾岸署は、血液を求めてます。」のシークエンス。

chikure.png


 ここに至っては”マンネリ”とか”寒い”とか以前に、そもそも意味不明である。青島は何故血液の不足を知っていたのか?というか、そもそも血液不足の描写などなかったのではないか?さらに、大挙して押し寄せた人々から得た血液が病院に送られるという描写すらない。だいたい、青島くん、すみれさんの血液型言おうよ。”吸血鬼”と呼ばれる婦女暴行犯をおびき寄せるための作戦だ、という説を唱える者もいるが、青島くんにそんな素振りは見受けられないし、いくら何でも無理がありすぎる。「仲間・・・助けて下さい。」もスベってるし。ちなみに、すみれさんの血液型は、筆者と同じO型である。

点数:85/100点
 ハリウッド的な派手さと高いエンターテイメント性を有する本作であるが、その反面、非常に”荒い”作りとなっているのも事実。とはいえ、”捜査を立て直す”のシークエンスを始め、これまで本シリーズを観続けてきて良かったと心から思える名場面も多く存在している。やっぱり、なんだかんだで筆者は、『踊る大捜査線』を愛しているのである。

(鑑賞日:2012.8.28)














踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! [DVD]

新品価格
¥580から
(2013/3/27 12:28時点)


踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! オリジナル・サウンドトラック IV RHYTHM AND POLICE THE MOVIE 2

新品価格
¥2,248から
(2013/3/27 12:27時点)


「踊る大捜査線THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」オリジナル・サウンドトラック V RHYTHM AND POLICE/THE MOVIE 2~SOUND FILE

新品価格
¥5,000から
(2013/3/27 12:29時点)


KUBRICK 湾岸太郎

新品価格
¥940から
(2013/3/27 12:38時点)


KUBRICK カエル急便

新品価格
¥1,130から
(2013/3/27 12:37時点)


セフティ3 耳せん 40個入 KB-24

新品価格
¥648から
(2013/3/27 12:39時点)



関連記事
スポンサーサイト

Tag:涙腺爆発 良い続編 紫煙をくゆらせて 劇場鑑賞作品

0 Comments

Leave a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。