[No.139] 死霊のえじき(Day Of The Dead) <63点>

Day Of The Dead

※今回の予告編は特に気持ち悪いので、苦手な人は視聴禁止。


キャッチコピー:『The Darkest Day Of Horror The World Has Ever Known!』

 あぁ、なんという”ゾンビ日和”…。

三文あらすじ:地上をゾンビに埋め尽くされたアメリカ、フロリダ州郊外の地下シェルターでは、サラ(ロリ・カーディル)を始め数名の科学者が、ゾンビ根絶の方法を日夜研究していた。しかし、シェルター内は、ローズ大尉(ジョセフ・ピラトー)を筆頭にした軍人たちの暴政下にある。両者の対立が頂点まで高まったとき、垣根を破り、死者の大群がなだれ込む・・・


~*~*~*~

 
 今日は非常にお天気も良く、地元のちょっと北の方ではお祭りをやっていたりする。ということで、筆者は昼からゾンビ映画鑑賞である。

 前回紹介したゾンビ映画の金字塔『ゾンビ』の続編と位置づけられ、ジョージ・A・ロメロの初期ゾンビ三部作の3作目に当たる本作。『Day of the Dead(死者の日)』という立派な原題が有りながら、なぜか『死霊のえじき』という迷邦題を付けられた作品でもある。おそらく、本作が日本で公開される前年に公開された『死霊のはらわた』ブームに乗っかった形なのだろう。もっとも”はらわた感”では、圧倒的に本作に軍配が上がりそうである。それくらい、本作は”グロい”

 視覚効果を務めるのは、前作に引き続きトム・サヴィーニ。前作において、ちょび髭を生やした暴走族メンバーも演じていた彼である。

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 本作でもサヴィーニ絶好調。内蔵は飛び出す、目玉はくり抜かれる、手足はもがれる、胴体は引きちぎられる。そんな見るもおぞましい残虐シーンの数々を、CGなど一切使わずに描ききる。

 おまけに、本作におけるグロシーンのハイライト、ローズ大尉襲撃シーンでは、撮影のクリスマス休暇中冷蔵庫に保存されていた撮影用の豚の内臓が、冷蔵庫の電源が切れていたというミスのため、いざ本番では腐りきっていた、というのは有名な話。ローズ役のジョセフ・ピラトーは、耐え難い腐臭の中、酸素マスクを使用しながら撮影に臨み、カットと同時に嘔吐したというからスゴイ。

Joseph Pilato


 ちなみに、このジョセフ・ピラト―という男は、筆者のマスターピース『パルプ・フィクション』に一瞬だけ登場しているようだ。ヴィンセントとミアがジャック・ラビット・スリムズに到着してから車の席に着くまでの間、ちょうどヴィンセントがマリリン・モンローとすれ違った直後あたりで彼の左手に出てくる。

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 このディーン・マーティンのそっくりさん役が、ジョセフ・ピラト―である。もしかしたら間違っているかもしれないが、そうだという話を聞いた。

 さて、先述のように、グロ描写の点では前作よりもパワーアップしている本作であるが、サバイバルホラーという観点からみるなら、随分とスケールダウンしていると言わざるを得ない。

 物語はほぼ地下シェルター内で進行し、終盤までに登場するゾンビはいずれも人間の管理下に置かれたものばかり。確かに、シリーズ中最も人間味あるゾンビ”バブ”(ハワード・シャーマン)は、ゾンビの新たな可能性を示すとともにラストではローズ大尉に残酷な死を与え、ローガン博士(リチャード・リバティー)の敵をとるなど、当ジャンル屈指の名ゾンビであり忠ゾンビではある。

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 とはいえ、そんなキャラ立ちした“可愛いゾンビ”が出てくる以上、死者への恐怖に起因するハラハラ感はやや弱めであるから、やはりサバイバルホラーとして観るなら、本作には相当の物足りなさを感じる。

 では、終盤まで本作のハラハラ感を牽引していくのは何かと言うと、それは人間同士の対立である。

 人道的科学者のサラを始めとする研究者チーム、非人道的軍人のローズ大尉を始めとする軍部チーム、中立的立場のヘリパイロットであるジョン(テリー・アレクサンダー)チーム(このジョンが本作における”ヘリ坊や”である。)が対立し、しかも、研究者チームもマッドサイエンティストであるローガン博士がおり一枚岩ではない、という構図。これらの登場人物達が有象無象、悲喜交々の思惑を胸に閉塞した絶望的空間の中で喧々諤々、一触即発の人間ドラマを繰り広げるのである。

 これは、まぁ、後の『CUBE』に代表されるソリッドシチュエーションスリラーのひな形と言えなくもないし、ほぼ完璧な完成度を誇り、世界的に大ヒットも飛ばした前作に対して、また違った趣向でアプローチしようとする監督の意向はよく分かる。とはいえ、あくまで”ゾンビ映画”としてそのエンターテイメント性に重きを置くのなら、やはり前作の方が断然おもしろい。

点数:63/100点
 名作の続編とはかくも困難なものなのか。そこで、次回は原典のさらに原典に立ち返り、遂に登場の”死者の夜”、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を鑑賞したいと思う。

(鑑賞日[初]:2012.10.5)

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