[No.142] ダイアリー・オブ・ザ・デッド(Diary Of The Dead) <65点>

Diary Of The Dead



キャッチコピー:『Shoot the dead.』

 フィラデルフィア・ゾンビ・プロジェクト。

三文あらすじ:ピッツバーグ大学映画学科の学生であるジェイソン(ジョシュ・クローズ)たちは、山奥で卒業制作の映画を撮影していた。その最中、ラジオから世界中でゾンビが人間を襲い始めたという信じがたいニュースが流れる。一行は、半信半疑ながらキャンピングカーで各自の自宅を目指すのだが・・・


~*~*~*~

 
 ゾンビ映画の始祖ジョージ・A・ロメロによる”新ゾンビ三部作”。その第2作目が本作だ。

 今回は、手持ちカメラを用いたフェイクドキュメンタリーの手法を取り入れ、あたかも『クローバー・フィールド』のような、いや、学生たちが映画撮影のために撮っているという点や敵のサイズからするとむしろ『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と言った方が良いような仕上がりになっている。

 まぁ、大胆に言ってみれば”パクリ”みたいなものなのだが、そこは名匠ジョージ・A・ロメロ。情報化社会を皮肉るというテーマをふんだんに盛り込みつつ、ゾンビ誕生の第一報からの混乱をすさまじい臨場感と圧倒的な緊迫感で描いていく。中々おもしろい。個人的には、前作『ランド・オブ・ザ・デッド』よりもおもしろく鑑賞出来た。

 しかし、1点気に入らないのは、学生間の三角関係

 監督兼カメラで本作の”目”となるキャラクター、ジェイソンは、事件発生を機にカメラ狂いになる。彼の言い分は”世界に真実を伝えるため”なのだが、まず、この動機付けがいまいちパッしない。それならば、以前紹介した『クローバー・フィールド』における理由の方が断然良くできていると思う。

 そんなジェイソンには、極めて美人の彼女デブラ(ミシェル・モーガン)がいる。

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 しかし、カメラ狂いとなった彼は、彼女のことなど気にせず撮影に夢中。当然、デブラの気持ちは徐々に冷めていき、同じクルーのトニー(ショーン・ロバーツ)とちょっと良い感じなのか?!と思われるような描写が増えていくこととなる。

 これが正直そんなに必要ない。別に、怒ったジェイソンとトニーが青春丸出しで取っ組み合いの喧嘩を始める訳でもなく、デブラが確定的にトニーに取られる訳でもなければ、最終的にジェイソンとデブラが愛を再確認し合う訳ですらない。なんだったんだ、あのトニーにもたれ掛かって寝てるデブラの描写とかは?!無駄にこっちの心を揺さぶるのは、いくら巨匠だからといって許されることではない。

 というか、そもそもジェイソンのカメラ狂いが強烈すぎて、少し説得力を欠くようにも思う。終始撮影を止めないだけに留まらず、仕舞いには、ゾンビと化したリドリー(フィリップ・リッチオ)に追われるトレイシー(エイミー・ラロンド)を助けることもせずそのまま撮影を続行したりする。まぁ、その辺のおかしさも含めて、巨匠は情報化社会をアイロニックに描いているのだろうけど。

 それと、あと1点言うなら、ラストにおける各自の末路をもうちょっと示唆して欲しかった。本作は、ジェイソンが完成させる予定だった『死の終焉』という映画を、デブラが再編集して完成させた、という”てい”の映画。そのラストは、木に吊したゾンビを楽しげに銃で撃つ人間を映し、その非人道性を問いかける、というものなのだが、登場人物が結局リドリー宅から逃げたのか、そうだとすればどのようにして逃げたのか、ということは一切描かれない。別に直接的に最後の最後まで描く必要はないのだが、こちらが彼らのその後を想像できるくらいの手がかりは描いておいて欲しかった。

 最後に、本作で筆者が感銘を受けた点を挙げるなら、それは、 電気ショックによるゾンビ殺害シーンである。

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 まぁ、筆者もまだまだひよっこのゾンビ映画ファンではあるものの、これまで同様の殺害方法を見た記憶がなく、中々斬新な手法だなぁ、と感じ入った次第である。

点数:65/100点
 今となっては特筆すべきでもない手法を用いながら、やっぱり巨匠の巧さを実感する、そんな上質のゾンビ・モキュメンタリ―。そろそろゾンビも食傷気味だが、せめて”新三部作”のラストまでは頑張って鑑賞しようと思う。

(鑑賞日[初]:2012.10.6)

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