[No.148] キラー・コンドーム(Kondom des Grauens) <62点>

Killer Condom



キャッチコピー:『The Rubber That Rubs You Out!』

 もう避妊なんてしない…なんて言わないよ絶対。

三文あらすじ:ニューヨーク、32cmの巨根を持つゲイの刑事ルイージ・マカロニ(ウド・ザメル)は、コンドームがペニスを食うという奇妙な事件の調査のためにホテルへ向かう。ホテルでは以前に関係を持った男性ボブ・ミラー(レオナルド・ランシンク)に付け回されるが、そこで若い美形の男娼ビリー(マルク・リヒター)と出会い意気投合。しかし、部屋に入ってコトに及ぼうと服を脱いだところ、問題のコンドームに片方の睾丸を食いちぎられてしまう・・・


~*~*~*~

 
 この作品を”モンスターパニック”に分類していいのかはちょっと怪しいところがあるが、一応、人外のモンスターが無差別に人々を襲う物語である以上、同ジャンルに含めてもいいと思う。

 さて、本作を観た人は少ないだろうが、そのタイトルを知っている者は意外と多いはずだ。殊に男性諸君は、中学時代にレンタルビデオ店で手にとって友人とふざけ合ってみたことが必ず一度はあるはず。かくいう筆者も例外ではない。

 というわけで、中学生の頃からの夢が叶い、今回鑑賞することが出来た本作『キラー・コンドーム』であるが、そのふざけたタイトルとは裏腹に実は極めて重厚な刑事ドラマだったりする。

 主人公は、刑事ルイージ・マカロニ。禿げた頭に太った体、サングラスを掛けた愛煙家でトレンチコートを愛用している、非常に渋いハードボイルド刑事だ。

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 その出で立ちや立ち居振る舞いは、まるでポルコ・ロッソのよう。殺人コンドームの捜査という荒唐無稽な行いをしつつも”カッコイイ”とはどういうことかを我々に教えてくれる。

 この刑事ドラマのキャラ設定やプロットが、まずすごくしっかり出来ている。ベタではあるものの、決して陳腐だったりチープだったりせず、コンドームの捜査をしていなければ『L.A.コンフィデンシャル』的な一流の刑事ドラマと遜色ない出来。素晴らしい。

 また、彼はゲイである。元同僚であったボブをその道に目覚めさせ、美少年ビリーと情熱的な恋に落ちる。したがって、本作は、主にゲイの物語。中学生の頃本作に対して抱いていた淡いエロチシズムなど微塵も感じさせない、めくるめくボーイズ・ラブの世界が繰り広げられるのである。

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 しかし、そのような一見おふざけ的なテーマも、そのままでは終わらないのが本作。ラストは、キリスト教を偏向する女医が黒幕と判明し、宗教とは何か、人間とは何か、そして、生きるとはどういったことか、という重厚なテーマが提示される。

 このように、極めてしっかりと作り込まれた刑事ドラマの世界だが、捜査しているのはあくまでもコンドーム殺人事件。ここに笑いが生まれる。32cmものイチモツを持つマカロニ刑事のキャラクターもおもしろいし、ときどき挿入される『ゴッドファーザー』的モノローグとふざけた展開とのギャップがまたおもしろい。音楽もすごくニーノ・ロータ風で無駄に渋い。

 また、『ゴッドファーザー』以外にも名作へのオマージュと見られるシーンがいくつかある。例えば、マカロニが自宅でシャワーを浴びている際、包丁を持ってボブが侵入するシーンは、まんま『サイコ』であるし、入浴中のアメリカ大統領候補に殺人コンドームが忍び寄るシーンは、完全に『ジョーズ』だ(あるいは、『エルム街の悪夢』。)。

 そもそも、殺人コンドームのデザインを何とあのH・R・ギーガーが務めている、というのが、『エイリアン』ファン注目のポイント。

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 言われてみれば、チェストバスターに見えなくもない。特に細かくするどく並んだ牙と目のない顔面のデザインなんかに面影がある。ただ、ラストで出てくるビッグサイズ・コンドームは、なんだか『トレマーズ』グラボイズっぽい。

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点数:62/100点
 邪気に満ちた大人のエロスを期待して観る分には良いが、中学生の頃のような無邪気なエロスを期待して観てはいけない怪作。ただ、エロスにこだわらなくても、純粋にマカロニ刑事の渋さにシビれ、かつ、大いに爆笑することが出来る良作なので、タイトルやジャケットだけでバカにせず、是非一度鑑賞されることをオススメする。

(鑑賞日[初]:2012.10.7)

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