[No.150] ザ・フィースト(Feast) <73点>





キャッチコピー:『喰うか喰われるか!時間無制限一本勝負!』

 ”宴会”と同じように、人生からも、飲みすぎもせず、喉が乾きもしないうちに立ち去るのが一番良い。

三文あらすじ:テキサスの荒野にあるバーは、いつものように常連客であふれていた。そこへ突然現れたショットガンを持つ男は、正体不明の怪物による襲撃を告げ、店を封鎖するように命じる。それは、夜を徹した死の“宴”(Feast)の始まりだった・・・


~*~*~*~

 
 ベン・アフレック&マット・デイモン主催の脚本コンテストで選出されたB級スプラッター・ホラーの佳作。公開当時、ホラーファンほど騙される通好みの作品として、大々的な宣伝展開が行われていた。しかし、これはいささか不味かったと思う。

 結論から言うと、本作は非常におもしろい。舞台をテキサス荒野のバーに限定したり、怪物の姿をほとんど見せずに恐怖感を煽る演出を駆使したりと、低予算ならではの工夫が逆に本作の雰囲気を良いものとして形作っている。もちろん、そこには、制作陣の類い希無き才能と溢れんばかりのホラー映画への愛が感じられるのであって、ホラーファンなら観て絶対損はない近年希に見る良作であることは間違いないと言えるだろう。映像をスタイリッシュに停止させて登場人物を紹介するガイ・リッチー風演出は最高にクールだし、随所に飛び出すグロ描写も生半可でないスプラッター具合。B級の中でもかなりA級に近い、上質なB級作品である。

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 しかし、如何せん宣伝が過剰だった。確かに、”ヒーロー”と紹介された屈強そうな男(エリック・デイン)が登場から数分もしないうちに死亡したり、小さな子供が情け容赦なく餌食になったりと、ホラー映画の定石を逸脱した展開がいくつか見受けられる。しかし、これは前半だけ。後半からラストまでは、むしろこれ以上ないくらいベタベタな展開が続き、少しダルくすら感じられる。子を失った”タフィー”(クリスタ・アレン)が”ヒロイン”(ナヴィ・ラワット)から子を託され最後まで生き残る、という展開などは、王道中の王道だ。

 もちろん、この後半におけるベタベタさも、前半での定石逸脱によってある程度の緊迫感を持って鑑賞出来る、ということは言えるだろう。前半で思いも寄らない人物が死んでいったため、後半においてもいつ誰が死ぬか分からないドキドキ感が多少はある。しかし、そんなことは今までの作品においても数多く見られるのであり、例えば、筆者の敬愛するタランティーノやロドリゲスの作品でも、突如訪れるぶっ飛んだノリは、こちらの予断を許さない。まさか白昼のL.A.でいきなりマーヴィンの頭が吹っ飛ぶとは誰も思わなかったはずだ。

 ホラーファンとして、注目すべきキャスティングは、何と言ってもいぶし銀な”バーテン”を演じるクルー・ギャラガーである。

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 そう、以前紹介したゾンビコメディの傑作『バタリアン』において、ユニーダ医療会社の社長バートを演じた彼だ。今回の敵はゾンビでないとはいえ、一箇所に立て籠もって外敵と戦うギャラガーの雄姿は、ホラーファン必見の一幕である。

点数:73/100点
 本当におもしろい作品であるということは、誤解の無いように再度言っておきたい。しかし、やはり宣伝過多というか、世間で持て囃されているほどの傑作とは、筆者には到底思えないのである。宴会も映画宣伝も、やり過ぎるのは良くない。

(鑑賞日:2012.10.8)

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