24
2012

[No.15] スピード(SPEED) <94点>

CATEGORYアクション




キャッチコピー:『GET READY FOR RUSH HOUR.』

 目一杯の爆薬と最高のスリルを乗せて、暴走バスは行く。

三文あらすじ:オフィスビルのエレベーターに仕掛けられた爆弾が爆発し乗客が閉じ込められるという事件が発生、ジャック・トラヴェン(キアヌ・リーブス)らロサンゼルス市警のSWAT隊員が現場に急行し乗客を救出するが、犯人のハワード・ペイン(デニス・ホッパー)を今一歩で取り逃がす。数日後、ジャックはハワードから電話で、スピード(SPEED)が時速80km以下になると爆発する爆弾を市バスに仕掛けたことを告げられる。爆発を止めるためジャックはなんとかバスに乗り込むが、自分を捕らえに来たと勘違いした乗客が発砲、運転手が重傷を負ったため、スピード違反で免停中の女性アニー・ポーター(サンドラ・ブロック)がハンドルを握ることに・・・

 
~*~*~*~

  
 日本公開時のキャッチコピーが探しても出てこない。出てくるのは、なんかの企画で決まった新キャッチコピー『バス、まっしぐら。』だけ。なんじゃそりゃ。”猫、まっしぐら。”か!ワイルド・キャットのねえちゃんに掛けてるのなら、許す。

 さて、本作は、アクション映画界に新風を巻き起こしたエポック・メイキングな作品として、今なお映画史に燦然と輝く傑作である。

 本作の公開は、1994年。未だ80年代アクション映画の余韻を引きずりつつ、しかし、新たなる世代が幕を開ける。そんな時代である。

 80年代のアクション映画といえば、まさにシュワちゃん全盛
 マッチョの主人公が臆することなく巨悪に立ち向かう、というプロットが溢れかえっていた。

 そのマンネリを打破したのが『ダイ・ハード』。それまでの超人的な主人公とは違い、ジョン・マクレーンは自分が陥った状況を呪い悪態をつきながら、コソコソとダクトを這いずり回る。そして、知恵と機転で勝利していく。この等身大の主人公像が、ゴリゴリヒーローに飽きていた当時の観客の好評を買った。
 しかし、質の悪い亜流が蔓延するのは大ヒット作の宿命。『ダイ・ハード』公開後も同じような設定の映画が次々と制作され、アクション映画界はまたしてもマンネリに陥る。異常な状況下で結ばれたジャックとアニーのように、ブームというものは長続きしないのである。

 そんな中登場したのが、本作『スピード』
 本作が前で述べた2作と決定的に違うのは、ヒーロー不在のアクション映画という点だと筆者は考えている。
 シュワちゃん映画はもろに彼がヒーローだし、それに比べればずいぶん等身大の主人公を描いた『ダイ・ハード』にしても、あくまで”ジョン・マクレーンの映画”である。しかし、本作の主役はジャックではなく、むしろ”バス”である。主人公は名も無き一SWAT隊員で、彼が陥る状況の方に工夫を凝らしたことが本作の斬新だった点だし、成功した要因だと考えられる。

 余談だが、この傾向をより推し進めたのが、ジャンルは異なるが『SAW』『CUBE』に代表される”ソリッドシチュエーションスリラー”ブームだろう。
 これらの作品ではもはや登場人物の個性はほとんど重視されない。『SAW』であの部屋に閉じ込められた2人の名前を正確に覚えている人がいるだろうか。せいぜいゴードン先生ぐらいだろう。『CUBE』であの箱に閉じ込められた者達の名前を記憶している人は?筆者は一人として思い出せない。
 エンターテイメント性の拠り所は、時代によって変遷していく。そのうち、形式的な意味での主役すら不在、というブームが到来するかもしれない。

 話を本作に戻す。本作においてバス以外で特筆すべきなのは、主演2人の好演だ。
 特殊な状況に放り込まれる”名も無きSWAT隊員”として、キアヌ・リーブスは適役だった。純粋で朴訥(ぼくとつ)とした彼は、いい意味で華がない(そして、スターになった今でも華が無いことは驚愕に値する。)。
 また、成り行きで運転手を担当するサンドラ・ブロックも、美人過ぎずそれでいてチャーミングという絶妙のルックスが見事に本作とマッチしている。あまりにも美人が運転していたのでは、バスのスピードメーターに集中できない。
 本作が成功した要因には、このようなキャスティングの妙もあるのではないだろうか。

 最後に苦言を1点。
 冒頭のエレベーター事件において、ジャックはハワードを追い詰める。しかし、相棒のハリーを人質に取られて手が出せないジャック。そんな彼にハワードは、問いを一つ提示するのだが、このときの字幕が「クイズの問題だ。」
 ・・・クイズの問題?いや、クイズは問題だろうし、問題はクイズを包摂した概念だろうが、“クイズの問題”とは如何なるものか。確か英語では「Pop Quiz.」と言っていたので、「クイズの時間だ。」とかで良かったと思うのだが。字数も合うし。
 この点は鑑賞の度に首を傾げるのだが、まぁ、作品のおもしろさには関係ない。

点数:94/100点
 なんだか本作の説明をあまりしなかったが、とにかく”時速80km以下になると爆発するバス”というシチュエーションが本作の全て。その状況の中でキアヌが朴訥と、サンドラがチャーミングに困難に立ち向かっていく様子を存分に楽しんでいただきたい。極上のアクション映画である。

(鑑賞日:A long time ago...)










スピード [DVD]

新品価格
¥741から
(2013/3/23 23:53時点)


スピード [Blu-ray]

新品価格
¥1,373から
(2013/3/23 23:54時点)


セーフティドライビング―安全運転のための知識24

新品価格
¥1,470から
(2013/3/23 23:58時点)


Wild Cats

新品価格
¥792から
(2013/6/24 04:05時点)



関連記事
スポンサーサイト

Tag:カーアクション バディ・ムービー 最高のキス

0 Comments

Leave a comment