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2012

[No.156] ジョーズ(Jaws) <98点>





キャッチコピー:『映画史を呑みこんだ<ジョーズ>空前の大ヒット!!』

 世界よ、これが”モンスター・パニック”だ。

三文あらすじ:平穏なアメリカ東海岸の田舎町アミティで、ある明け方、若い海水浴客の女性が無残な死を遂げる。警察署長マーティン・ブロディ(ロイ・シャイダー)が海洋学者マット・フーパー(リチャード・ドレイファス)を町に呼び、死因の分析を依頼したところ、女性の死は巨大ザメの襲撃によるものと判明。そんな中、アミティ市長ボーン(マーレイ・ハミルトン)がブロディの忠告を無視して海開きを敢行した結果、第2第3の被害者がサメの餌食となったため、ブロディ及びフーパーは、地元の漁師でサメ狩りの達人クイント(ロバート・ショウ)と共に、巨大ザメの退治に向かうことになるのだが・・・


~*~*~*~

 
 映画史上最高のモンスター・パニック作品であり、おそらく、海洋スリラー、海洋アドベンチャーとしても史上最高峰の完成度を誇る本作『ジョーズ』。本作以降今日に至るまで、目もくらむほど大量の”サメ映画”が制作されてきたが、いずれも本作の足下にも及んでいない。

 そもそも、本作以前には、映画界に夏のブロックバスターという習慣は無かった。今でこそ毎年サマーシーズンには、その年の目玉である大がかりな大作が大挙して公開される。しかし、そのような伝統が形成されたのは、1975年6月20日という運命の日以降なのである。

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 さて、本作の構成は、前半と後半の2段階に分けることが出来る。前半は、姿の見えぬ海の悪魔に海水浴客が1人また1人とジワジワ殺されていくサスペンスないしはスリラー。後半は、ブロディ、フーパー、クイントの3人が巨大ザメを相手に大アクション活劇を繰り広げる海洋アドベンチャーである。『ユージュアル・サスペクツ』の監督ブライアン・シンガーは、本作のこの構造について、「簡単に言うと、あの映画の前半は『民衆の敵』で、後半は『白鯨』なんだよね。」と語っている。

 そして、それが非常に上手い。今更筆者などが巨匠スティーブン・スピルバーグの技量を述べるなど愚の骨頂であるからやめておくが、とにかくその完成度は数多ある映画作品の中でも群を抜いていると言っていいだろう。映画監督の野村芳太郎氏と脚本家の橋本忍氏によれば、本作は、通常予算やスケジュールの都合から多少のNGカットを使わざるを得ない映画界にあって、全てがOKシーンで構成されている希有な傑作であるということだ。

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 また、音楽。もはや耳にする機会が多すぎてなんだか陳腐なものにさえ思える『ジョーズのテーマ』。しかし、世俗的なイメージを持つ企業がことごとく大企業であるように、巨匠ジョン・ウィリアムスが生み出した戦慄の名スコアは、すさまじく偉大な楽曲なのである。”デンデンデンデン”と”デン”を4つ並べただけで、例えそれが紙面であっても「ジョーズのテーマ」だと分かる。そんな曲は、これと”デデンデンデデン”の「ターミネーターのテーマ」だけである。

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 このように、今や世界中の誰もが認める希代の傑作『ジョーズ』。もはや”古典”と言っても過言ではない本作だが、実は、アカデミー賞において作曲賞、音響賞、編集賞の3つしか受賞していない。

 もちろん、本作のようなモンスター・パニックがアカデミー賞向きでないことは、周知の事実であるが、本作がノミネートされた第48回アカデミー賞には、ジャック・ニコルソンの名演が光る名作『カッコーの巣の上で』が対抗馬としてノミネートされていたのだ。ご存じの通り、同作は、同年のアカデミー賞において『或る夜の出来事』以来となる主要5部門制覇の偉業を成し遂げているから、さすがのジョーズも歯が立たなかったことは頷けるところである。とはいえ、モンスター・パニックファンとしては、少しでも憤慨すべき受賞。CUTのアカデミー特集でも、『カッコー~』の受賞には賛成した上で、「でも、『ジョーズ』はどうなる!」とささやかな憤りを露わにしている。せめて美術賞でもあげなければ、機械ザメの”ブルース”が可愛そうだ。

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 筆者が個人的に最も好きなシーンは、数多のファンと同じく、クイントがインディアナポリス号乗船時のエピソードを語るところである。

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 男の哀愁、荒くれ者が見せるシリアスな一面。意地でも救命胴衣を付けようとせず、しかし、結局は巨大ザメに脚から食べられてしまうという後の展開を踏まえて考えると、これほどにいぶし銀で哀しく、かつヒロイックなシーンはない。

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 この名シーンを演出するクイント役のロバート・ショウであるが、実は、リー・マーヴィン、スターリング・ヘイドンに次ぐ3番手の候補だったらしい。今考えるとショウ以外ではあり得ないが、アーノルド・シュワルツェネッガー、シルヴェスター・スタローン、バート・レイノルズ、リチャード・ギアに次ぐ5番手(しかも、リチャード・ギアが最有力だったという衝撃!)だった『ダイ・ハード』におけるブルース・ウィリスのように、映画には、思わぬキャスティングが功を奏すというマジックがまま起きるものである。

点数:98/100点
 傑作は時代を超える。モンスター・パニックブームの去った今でもオルカ号の雄姿は勇ましく、CG全盛を過ぎた今でも巨大ザメの姿は戦慄に値する。ただ、しばらくダイビングは出来そうにもない。

(鑑賞日:2012.10.10)














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