[No.157] サイン(Signs) <70点>



キャッチコピー:unknown

 君が見せる仕草、僕に向けられてる”サイン”。

三文あらすじ:ジェイソンは、平凡なサラリーマン。恋人もおらず、生き甲斐もない虚しい毎日を送っている。しかし、そんなある日、向かいのビルのOLステイシーと偶然目が合い、紙に書いたサイン(Signs)で2人のやり取りが始まる・・・

<本編(12分13秒)>



~*~*~*~

 
 物思う秋にステキなラブ・ショートフィルムを。恋人もおらず、独りで人恋しさを積み木みたいに乗せているという人には必見である。

 ストーリーも構成も演出も、どれをとっても、すっごくベタ。恋愛ものにおける”いろは”、物語における”起承転結”を忠実に守った正統派ラブストーリーである。

 とはいえ、基本的にラブストーリーはベタが良い。味気ない日常、運命の出会い、甘酸っぱい過程を経ての大団円、そして、ステキなキス。人は”水”と”塩”と”恋”が無ければ生きられない生き物であり、分かりきったラブストーリーの山であったり谷であったりに、逐一感情移入して感動できるものである。

 主人公ジェイソンは、ある日、偶然にも向かいのビルのOLステイシーを目撃する。目が合ってビクビクするジェイソンに対して、積極的にサインを用いたコミュニケーションを図るステイシー。まぁ、現実世界だとこうは上手くいかないよな。けれど、男性はそこに憧れる。そう、本作は、少年漫画的な”男性向けファンタジー”なのである。

 美人との秘密のやり取りが始まり、ジェイソンの日常にもハリとツヤが出てくる。彼女が見せる仕草、彼を強くさせるサイン。退屈な会議やコピー取りも彼女がいれば楽しい作業。まぁ、現実の職場だとこうは上手くいかない。本作はまた、都会の砂漠で繰り広げられる”オフィス・ファンタジー”でもある。

 楽しげなやり取りが続き、ステイシーはジェイソンに”私には秘密があるの。”と告げる。ここはまだ”起承転結”のうちの”転”ではない。彼女の秘密とは、実は彼女の方が先にジェイソンを見ていた、という非常に可愛らしいもの。君の分かんないところで奏でていたと思っていた育たないで萎れてた新芽みたいな音符(おもい)は、実は、始めから二つ重ねて鳴らすハーモニーだったのである。

 本作の”転”は、ステイシーがある日いなくなってしまうというパート。慌てるジェイソン。あんなに楽しかった日々がまるでウソのように、再び始まる退屈で味気ない毎日。ジェイソンは、時間(とき)の美しさと残酷さを知る。しかし、そんな時、まるで緑道の木漏れ日のように彼にあたって揺れる光が。なんとステイシーは、昇進し、上の階にお引っ越ししていたのだった。ジェイソンが”会おう”と伝えようとして悩んでいる間にステイシーが上司らしき人に連れられ去ってしまうパートで、おそらく彼女は昇進を告げられたのだろう。めぐり逢った全てのものから送られるサイン。なんとも可愛い展開である。

 彼女がいなくなる前に伝えるべきことを伝えられず、そのことを悔いていた、すなわち、残された時間があるなら大切にしなきゃと思っていたジェイソンの気持ちは爆発する。脱兎の如く階段を駆け下り、同じく地上へと降りてきたステイシーと横断歩道の真ん中で出会いを果たす。言葉を発しようとしたジェイソンを制止し、ステイシーは、ハートの中に”Hi!”と書かれた紙を見せる。可愛くステキな堂々たる”結”。

 本作は、これにて大団円を迎えるわけだが、彼らのストーリーはむしろ今始まったばかり。たいしてお互いのことを知らぬまま付き合い始めるわけだし、ステイシーは、昇進したことでも分かるように中々やり手のオフィスレディーのようだから、恋人同士のパワーバランスも心配なところ。彼らはまだまだたまに無頓着な言葉で汚し合って互いの未熟さに嫌気がさしたりするのだろう。でも、「ありがとう」と「ごめんね」を繰り返して、そして、いつかは裸になり甘い体温に触れて優しさを見せつけ合ったりするのだと思う。恋人ってステキだよね。と、筆者は、本作を鑑賞して改めてそんなことを、考えている

点数:70/100点
 たまには人の手足が千切れない映画もいいものである。では、再びめくるめくモンスターとゾンビの世界へ戻っていくとしよう。

(鑑賞日[初]:2012.10.11)

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