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2012

[No.167] オリジン・オブ・クリーチャーズ(The Origin Of Creatures) <42点>

Origin Of Creatures

キャッチコピー:unknown

 おお主よ、われに力と勇気を与え給え、わが肉、わが心を嫌悪の念なく見んがために。

三文あらすじ:荒廃した世界。バラバラになった人体の一部として存在する異形の生き物(Creatures)たちは、より太陽に近づくため、塔を作り始める。しかし、些細なミスが手順を狂わせ・・・

<本編(12分05秒)>



~*~*~*~


 これは気持ち悪い。“バベルの塔”をモチーフにし、言語ではなく人体そのものがバラバラになってしまった人間の末路を描いているのだろうが、その感性はちょっと正気の沙汰ではない。

 監督は、ビジュアル・アーティストでもあるFloris Kaaykという人物。彼は、オランダ人である。オランダ人!やはりか。オランダと言えば、あの変態監督ポール・バーホーベンを輩出した国。“オランダ女は不美人が多い”という俗説との因果関係は定かでないが、この国は、やはり世界有数の変態産出国である。

 さて、一応筆者なりに本作のストーリー、背景を考えてみると、まず、文明社会が崩壊したであろう舞台、そして、塔の倒壊後にクリーチャーらが見せる諦めの仕草からして、彼らは幾度となくこの“バベルの塔”を建造しようと試みているようだ。

 旧約聖書によれば、かつて同じ言語を用いていた人類は、煉瓦とアスファルトで天に届く塔を建造、神の逆鱗に触れ、言語をバラバラにされる。その結果、混乱した人々は世界各地に散り、今に至るのである。そして、現代。言語の不一致をもはや人々は苦にしない。『ミッション・インポッシブル4』にも登場したドバイのブルジュ・ハリファ、日本ではスカイツリーと、愚かな子羊たちは再び天を目指している。という訳で、神も新たなる打開策を考え、今度は言語でなく、人体をバラすという荒技に出たものと思われる。

 この神の新提案は、今のところ大成功で、意思疎通もままならないクリーチャーたちが作る塔は、建造開始後間もなく瓦解してしまう。前世のトラウマから神を恐れ、再び瓦礫の下に逃げ込むクリーチャー。こんなにビクビクしているのに、しばらくしたらまた天に挑戦するあたりは、人間の飽くなき探求心を感じることも出来そうだ。

 彼らは、人体をバラして誕生したクリーチャーであり、おそらくもう元の人類に戻ることはない。彼らが天を目指す目的は、太陽光を糧にしてバラバラクリーチャーを生む“マザー・クリーチャー”を出来るだけ太陽に近づけることであり、バラバラクリーチャーのままでの種の繁栄を望んでいる。ラストシーン、再び瓦礫の下に埋もれてしまったマザー・クリーチャーが隙間から差し込む光に反応する描写は、クリーチャーが今後も天に唾を吐きかけていくことの、そして、もしかするとゆくゆくは神をも地に引きずり下ろすことの示唆にも思える。

 という風に観ていくと、本作のクオリティーは極めて高い。それはストーリーだけではなく、映像に関してもそう。手同士足同士がくっついたクリーチャーは、みなリアルで圧巻と言えば圧巻である。

 でも、もうそんなことどうでもいいくらいただただ気持ち悪い。バーホーベンの“おっぱい3つ星人”なんか目じゃないくらいの圧倒的嫌悪感、不安感、焦燥感。これは、長編化しなくてもいいと思う。

点数:42/100点
 ある意味ハロウィーンに相応しい“キモ・ホラー”。太陽光をくれない神に対するクリーチャーたちの“イタズラ”は、まだまだ続く。

(鑑賞日[初]:2012.10.31)

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Tag:悪趣味映画

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