01
2012

[No.170] アンアースド(Unearthed) <75点>



キャッチコピー:『SOME PLACES ARE BEST LEFT UNEXPLORED』

 あるいは“既知との遭遇”。

三文あらすじ:宇宙飛行士のキャドマンとミッチは、新たな資源の調査のため惑星表面に降り立つ。順調に作業を進めていた2人だったが、突如地盤が陥没しミッチが滑落、キャドマンは救助のため地下の空洞へと入っていく。そこで彼が見た信じられないものとは・・・

<本編(22分06秒)>



~*~*~*~

 
 素晴らしい意欲作。『シックス・センス』や、もっと古くは原作『風の谷のナウシカ』のどんでん返しを宇宙を舞台に繰り広げるとこうなるんだなぁ、と唸らされる。

 ・・・のだが。1点、決定的に解せないのは、エイリアンが英語を喋っているというところ。これは、ほぼ完璧な本作の唯一にして致命的な欠点ではないだろうか。

 あるいは、こう考えることも出来る。彼らは、地球人類の遠い末裔である、と。地下にうち捨てられた新聞に書かれているように“全ての希望が失われた”とき、人類は生存を賭けて他の惑星へと移住、そこで自らのルーツを忘却するほどの月日が流れ、調査隊は偶然にも再び故郷の大地を踏む・・・。

 これなら一応筋が通りそうだが、でもやっぱりどこかナンセンス。調査隊の彼らが自身らの母星を忘れてしまうというのは、例えばアウストラロピテクスがやっとのことでアフリカを脱したという快挙を今日の我々が思い出せないようなもので、それほどの月日が経ったのであれば、やはり言語体系も相当変化していてしかるべき。キャドマンらが話す思いっきり流暢な“現代アメリカ英語”は、依然として説明に窮するところである。

 とはいえ、恥ずかしながら筆者は、本作の会話を全部は聞き取れていない。したがって、彼らの会話の中で、英語を話すことについての何かナイスなフリが仕込まれている可能性もゼロではないだろう。

 そもそも、筆者はまず冒頭で引用されるヴィクトル・ユーゴーの言葉の意味もきちんと理解出来ていない。“Hope is the word which GOD has written on the brow of every man.”というのがそれだが、これは一体どういう意味なのか。“brow”というのは“額”とか“眉”といった意味だから、「“希望”とは、神が全ての人の額に書いた言葉である。」となるのだろうか。もしこれがある程度正しいのなら、その意味は、おそらく、希望なんてものは元々見つけることの出来ない性質の概念なのだよ、ということになりそうだ。そして、この意味なら、希望を見つけられず滅びた地球と調査隊の正体に気付かないようにしているという本作の構成、この2点について、ある種のダブルミーニングになっていると解釈出来そうである。

 ちなみに、ダブルミーニングと言えば、本作のタイトル『UNEARTHED』は、“出土した(もの)”という単語本来の意味と“地球ではなくなった(惑星)”という意味のダブルミーニングになっているものと思われる。

点数:75/100点
 奇抜なアイデアを丁寧に作り込んだ中々の傑作。話し言葉の問題を華麗にクリアすれば、素晴らしい大傑作になると思われる。ちなみに、ヴィクトル・ユーゴーは、こんなことも言っている。“不幸に陥らない秘けつは、人を愛して、働くことだ。”心に染みる名言だ。今の筆者は、やっぱり少し不幸なのかもしれない。

(鑑賞日[初]:2012.10.31)

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