--
--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
29
2012

[No.187] お熱いのがお好き(Some Like It Hot) <93点>

CATEGORYコメディ
Some Like It Hot



キャッチコピー:unknown

 ディリディリディリダンッ♪ ププッピドゥ♪

三文あらすじ:禁酒法時代のシカゴ、聖バレンタインの虐殺を目撃したためマフィアのスパッツ・コロンボ(ジョージ・ラフト)一味に追われるサックス奏者のジョー(トニー・カーティス)とベース奏者のジェリー(ジャック・レモン)は逃亡のため仕事を探すが、演奏者を募集しているのはフロリダに向かう全員女性の楽団だけだった。女装して女性楽団に潜り込みシカゴからの脱出に成功した2人は、楽団の歌手兼ウクレレ奏者シュガー・ケーン・コワルチェック(マリリン・モンロー)と出会い一目惚れ。フロリダに着き、ジョーはシェル石油の御曹司に扮しシュガーに求愛、その一方でジェリーは彼を女性と勘違いした富豪の老人オズグッド・フィールディング3世(ジョー・E・ブラウン)から求婚されるが、ある日とうとうスパッツ一味に発見されてしまう・・・


~*~*~*~

 
<イントロ:お熱い前置き>
 これはさすがに素晴らしい!やっぱり“古典的名作”というのは伊達じゃない。恥ずかしながら、筆者は今までマリリン・モンロー作品、あるいは、ビリー・ワイルダー作品を観たことがなかったのだが、両者の代表作と名高い本作を今回初鑑賞し、完膚無きまでに度肝を抜かれてしまった。

<Aメロ:マリリンがお好き>
 まずはこのことについて語らなければなるまい。とにかくマリリンが可愛い!

 マリリン・モンロー。本名ノーマ・ジーン・モーテンセン。B94 W61 H86というダイナマイトバディーにセクシーなエロぼくろ、目映いブロンド(地毛はブルネット)、そしてモンロースマイルと呼ばれるキュートな笑顔を兼ね備え、極上の肢体を惜しみなくアピールするモンローウォークで世界中の男を振り向かせる。就寝時身につけるのはシャネルの5番。そんな50年代を、いや有史以来の人類を代表するセックスシンボルが彼女である。

slih1.jpg


 マリリン・モンローと言えば、白いドレス姿で地下鉄の通風口の上に立ち、風に巻き上げられるスカートを押さえる仕草が大変有名である。これは本作ではなく彼女の出世作の1つ『七年目の浮気』からの1コマ。しかし、これがマリリンの全てではもちろんない。本作にも彼女の魅力をいかんなく堪能できるシーンが満載。

 まずはこれ。

slih2.jpg


 フロリダ行きの列車に乗るシーンがマリリン初登場シーンである。美人!惜しげもないモンローウォーク!存在感のあるセクシーなお尻は“ザ・ヒップ”と銘打つに相応しい。その後、列車から吹き出した蒸気に驚き数歩よろめく演技は、まさに完璧。最高にキュートでセクシーである。

slih3.jpg


 次はこれ。

slih4.jpg


 列車内のトイレでの一幕。シンバルをお皿にブロックアイスを割るマリリン。マリリン・モンローと言えば、やはりこの目映いブロンドヘアーである。

slih5.jpg


 このシーンもいい。同じく列車内のトイレでの一幕である。こちらは、ジョー&ジェリーとの初邂逅時、こっそりバーボンを飲んでいるシーン。飲み方が最高に可愛いし、何よりストッキングに携帯用ボトルを挟み込む仕草が最高にセクシー!峰不二子がブローニングを挟み込むのとはまた違った良さが本家にはある。ちなみに、峰不二子愛用の香水は、マリリンと同じシャネルの5番である。

 そして、これ。

slih6.jpg


 これは最高に良いシーン。『七年目の浮気』でのベストシーンが“スカート巻き上げ”なら、本作でのベストシーンはこの“服脱ぎ直後振り向き”であると筆者は確信する。就寝前、服を脱ぐ途中のシュガーはジェリーに声を掛けられ、脱ぎ終わると同時に慌てて振り向く。ちょっと乱れた髪が最高。そして「Good Night, Honey♪」 キュートである。セクシーである。悪魔であり天使である。

 さらにこれ。

slih7.jpg


 フロリダのホテルで名曲『I Wanna Be Loved By You』を歌うシーン。有名な“ププッピドゥ♪”という歌詞が登場するのだが、ここがまた…可愛い…。

 最後にこれ。

slih8.jpg


 シェル石油の御曹司(本当はジョー)に別れを告げられ消沈するシュガーが、ホテルのステージでこれまた名曲『I'm Through With Love 』を歌う。ここはセクシーオンリー!捨てられた女のか弱さ、愚かさ、儚さ、脆さ、愛しさ、そして哀愁が、目一杯表現されている。

<Bメロ:コメディがお好き>
 さて、マリリン・モンローの素晴らしさはこの辺に留めておいて、ここからは本作が如何に素晴らしいコメディかという点についての感想を述べる。

 映画雑誌CUTは、2006年5月号で本作を次のように評する。

 「優れたコメディとは何か?その答えは全部ここにある。」

 おっしゃる通り。あらゆる要素をこれでもかというくらい詰め込みながら、これ以上無い程繊細でスマートにまとまった世紀の傑作。そんな本作に対して三谷幸喜は「僕にとっては、コメディ映画のバイブルですね。」と語る。

 アクションあり(驚くことに本作は中々大迫力のカーチェイスシーンから幕を開ける。)、恋愛あり、友情あり、そして極上のユーモアあり。それらの要素をまとめ上げる構成力と演出力もさることながら、最も素晴らしいと筆者が感じたのは、何と言っても絶妙のテンポと間である。

 オープニングタイトルが終わり、先述のカーチェイス。葬儀屋に扮して酒を運ぶスパッツの手下と警察との銃撃戦が展開され、何とか警察を巻いた手下が銃弾で開いた穴から酒の吹き出ている棺を見つめる。パカッと棺を開けると山と積まれた酒瓶、これに被せて“Chicago, 1929”。文章では表現しづらいのだけれど、ここのテンポがまず素晴らしい。

slih9.jpg


 これを始まりとして、その他にも“ブラが切れた”のくだりであったり、スウィート・スー(ジョーン・ショウリー)が何回も叫ぶ“ビ~ンスト~~~ック!!!”を最後のキスシーンで持ってくる絶妙のタイミングとか、本当に素晴らしい。

 こんなに素晴らしい作品なら当然アカデミー賞を獲っているだろうと調べてみたところ、本作は何と衣装デザイン賞(白黒部門)しか受賞していないのである。なんだと!じゃあ、一体全体何が作品賞を獲ったというのだ!と思ってもう少し調べてみると、壮大な歴史スペクタクル『ベン・ハー』が受賞していたのだった。

 これは所謂“アカデミー受けする作品”というヤツだ。アカデミー賞というものは、基本的に歴史ものが好き。そして、壮大な作品が好き。だからこの受賞はすごく納得ではある。でも、そんなの可笑しいよな。確かに『ベン・ハー』は今観てもスゴイけれど、やっぱり永遠に残る傑作という意味では、本作の方が1枚以上上手のように思う。しかも、鮮度が売りのコメディでこれだけの傑作を作ってしまうところが、巨匠ビリー・ワイルダーの凄さであろう。

 実際、CUTのアカデミー特集においても『ベン・ハー』についての“今、観るべきか?”という項目において、

 「数時間の余裕があって、『お熱いのがお好き』をすでに鑑賞済みなら、イエスだ。」

と述べられている。

 ここで、筆者が本作で最も感動したシーンについて若干述べたい。それは、本作のクライマックス。スパッツ一味との逃亡劇の中、再び女装し身をやつしたジョーとジェリー。オズグッド3世の船で脱出するためジェリーは彼に電話を掛け、それを待つジェリーはシュガーの歌声を聞きつける。先述の『I'm Through With Love』である。泡沫と消えた恋を儚む彼女の歌い姿に引き込まれたジョーは、歌い終わるや否や舞台に上がり、シュガーに口付け、その涙をそっと拭う。そして・・・

slih11.jpg


 これ!これが格好いい。いぶし銀である。破廉恥であり、しかし成熟した“男”の台詞である。日本語字幕は、確か「シュガー、男のためになんか泣かないで。」 良い訳である。本当に格好いい。

 ちなみに、本作で有名な名言として、ジェリーとオズグッドの以下のやり取りがよく挙げられる。

 Daphne:Osgood, I'm gonna level with you. We can't get married at all.
 (オズグット、本当のことを話すわ。アタシ達結婚出来ないのよ。)

 Osgood:Why not?
 (なぜだい?)

 Daphne:Well...ln the first place, I'm not a natural blonde.
 (アタシ、本当は金髪じゃないのよ。)

 Osgood:Doesn't matter.
 (気にしないよ。)

 Daphne:l smoke. l smoke all the time.
 (アタシ煙草を吸うのよ!いつでもどこでも吸うわ!)

 Osgood:l don't care.
 (気にしないさ。)

 Daphne:l have a terrible past. For three years. I've been living with a saxophone player.
 (アタシ、酷い過去があるのよ。3年間サックス奏者と住んでたの!)

 Osgood:l forgive you.
 (許すよ。)

 Daphne:l can never have children.
 (アタシ子供を産めないの!)

 Osgood:We can adopt some.
 (養子を取ればいいさ。)

 Daphne:You don't understand, Osgood.
 (分からないのね、オズグッド!)

 Daphne:I'm a man.
 (俺、男なんだよ。)

 Osgood:Well, nobody's perfect.
 (完璧な人間なんていないさ。)

 確かに、名言である。本作のテーマをぎゅっと凝縮した珠玉の名言である。しかし、このやり取りは、本作のテーマを凝縮したある意味でメタな台詞に過ぎないように思う。というか、名言サイトなんかで紹介されるとき、このやり取りはなんだかすごく男気に溢れた、純粋な、そして崇高な、紛う事なき“純愛”を物語るものとしてそこに在るような気がする。それは、このやり取りの字面だけを見た者が勝手に広めたからそうなっているのであって、筆者も実際に本作を観るまでは、いささか勘違いしてこのやり取りを捉えていた。

slih10_20160225004130011.jpg


 しかし、本当はそうでないと思う。ちょっとだけニュアンスが違うと感じる。ダフネ=ジェリーは完全なコメディリリーフであり、それに徹しているし、オズグッドは男の中の男ではなく、これもまたコメディリリーフとしての変態男である。だから、このやり取りは、本作のまとめとしてのビリー・ワイルダーからの言葉と受け取るべきであろう。

 とはいえ、彼らの関係やオズグッドの覚悟を否定している訳ではなく、やはり何だかニュアンスが違う、という話なので、中々上手くは書けない。完璧なレビューなどないのである。

<Cメロ:採点がお好き>
 圧倒的93点。世界を悩殺するセックスシンボル、マリリン・モンローの魅力と巨匠ビリー・ワイルダーのテクニックが光る、最高にバカバカしくて切ないほど愛おしい傑作人間讃歌。唯一1点だけ苦言を呈するなら、同じようにシュガーに恋していたジェリーが何故途中から完全なるジョーのサポート役に徹したのか、という点の説得力が若干弱いように感じる。

(鑑賞日[初]:2012.11.29)










お熱いのがお好き(特別編) [DVD]

新品価格
¥991から
(2013/3/29 20:41時点)


お熱いのがお好き [Blu-ray]

新品価格
¥1,477から
(2013/3/29 20:41時点)


マリリン・モンローという生き方 (新人物往来社文庫)

新品価格
¥771から
(2016/2/25 00:30時点)


女装して、一年間暮らしてみました。

新品価格
¥1,728から
(2016/2/25 00:31時点)



関連記事
スポンサーサイト

Tag:これが女の生きる道

0 Comments

Leave a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。