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28
2012

[No.194] 映画 ひみつのアッコちゃん <12点>

CATEGORYドラマ
ひみつのアッコちゃん



キャッチコピー:『この恋には秘密がある。』

 最も困難な3つの事柄は、秘密を守ること、受けた害を忘れること、余暇を着用することである。

三文あらすじ:10歳の少女、加賀美あつ子、通称“アッコちゃん”(吉田里琴)は、ある夜、鏡の精(香川照之)からコンパクトを手渡される。それは、秘密をバラさないという条件のもと、何にでも変身できる魔法のコンパクト。さっそく大人の自分(綾瀬はるか)に変身し自由に遊び回るアッコは、ひょんなことから早瀬尚人(岡田将生)という青年に出会い、彼が勤める化粧品会社で働くことになる・・・


~*~*~*~

 
 “漢の魂完全燃焼”を旨とする当ブログでまさか『ひみつのアッコちゃん』の感想を書くとは思わなかった。もちろん、筆者が観たくてレンタルしてきた訳ではなく、余暇を楽しむためのサイパン行きの機内で上映されていたのである。映画が上映されればついつい観たくなるのが映画好きの性であり、観た長編作品は全て感想を書くというのが当ブログのルールであるから、本作についても真面目に書こうと思う。自室に飾る『ダイ・ハード ラスト・デイ』のチラシのジョン・マクレーンに睨まれながら、である。

 原作赤塚不二夫、60年代後半から定期的にアニメ化され、少女たちを熱狂させた伝説的作品が『ひみつのアッコちゃん』である。当然筆者もその存在や基本設定、アッコちゃんなる少女の出で立ちなどは把握していた。しかし、当然リアルタイムで作品に触れてはいないから、これから述べる本作の感想は、原作をことごとく無視した独善的な文章になる。その点をまずご容赦いただきたい。

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 本作冒頭は、アッコが鏡の精から魔法のコンパクトを譲り受けるくだりからスタートする。鏡の精を演じるのは名優香川照之。しかし、彼の名優ぶりが発揮されることはない。彼が手を抜いているのか、描き方が悪いのか…。一方、少女時代のアッコを演じる吉田里琴は大変素晴らしい。キュートだが凜としていて、今後美人女優になることが期待される。

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 続いて、アッコの初変身シーン。“テクマクマヤコン、テクマクマヤコン”というお馴染みのフレーズ。筆者のような素人には驚愕の事実であったのだが、この“テクマクマヤコン”は“テクニカル・マジック・マイ・コンパクト”の略であるらしい。ちなみに“ラミパス、ラミパス”“スーパーミラー”を逆から読んだものである。

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 まぁ、雑学はいいとして、このシーンの醍醐味は、やはり綾瀬はるかのコスプレショーであろう。フィギュアスケーターからスッチーから、様々なコスプレの数々は、綾瀬はるかファン必見。というか、本作は、全編を通して綾瀬はるかの熱狂的なファンか、岡田将生の熱狂的ファンでなければ楽しめない。その程度の出来である。

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 本作は、邦画にありがちな“2時間ドラマに毛の生えた作品”である。悪いテンポ、退屈な演技、一貫しないストーリーライン。あの作品を観たい!、というのではなく、暇なので何かやってるものを観よう、という観客が増えた昨今では致し方ないとはいえ、あまりにも役者のネームバリューだけに頼り切った作品の乱発には、何か製作者サイドの“秘密”があるような気すらしてしまう。

 本作で最も酷いのは、あろうことかテーマ処理。すなわち、大人への甘い憧れを持った少女が恋や挫折を経験して責任や努力の大切さを学ぶ、という普遍的にして胸を打つテーマがブレブレなのである。

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 お約束通り、結局秘密を守りきれなかったアッコは、綾瀬はるかの姿から元に戻れなくなる。娘の遅い帰りを心配しながら待つ母を訪ね「アッコは元気だから。心配しないで。」と告げるシーンは中々感動だが、「今取り込み中なので…。」と母が述べるや否や「バカ!もういい!」と言って走り去るのは、いかにも子供。問題は、その後、鏡の精が実にあっさりとラストチャンスをアッコに与えてしまう、というところである。覚悟もなく、道理もなく手に入れた魔法の力。制約と誓約によって成り立っていた禁断の能力。大いなる力には大いなる責任が伴う、というのが大人の常識なのであって、何らの代償も払わずにもう1個コンパクトを渡してしまう鏡の精は、現代の甘い親を象徴しているのかと疑いたくなる。

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 その他もグダグダ。そもそも、本作において“恋”を全面に押し出すのはおかしいのではないだろうか。10歳の少女が大人の男性に恋心を抱くのがまずあり得ない、と憤慨するのは筆者がおじさんだからだとしても、実質10歳の少女に恋してしまう岡田将生は、完全に危ないおじさんではないか。彼はアッコにキスまで迫っていた。寸前、アッコはそれを防いだが、もししてしまっていたらどうなっていたんだ。その先に進んでいたら?もはや“秘密のアッコちゃん♪”では済まされない。大人の体験は子供が思うほどファンシーでポップではないのだから、彼女はともすれば“秘め事のあつ子”になっていたかもしれないのである。

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 岡田将生も可愛そうだ。恋した女性が何だか分からない内に自分の元を去っていく。確かに、失恋とはそういうものかもしれない。しかしラスト、歳月が流れ、件の製薬会社に就活生としてやってきたアッコを見た岡田将生が、感動の再会とばかりに微笑むのはどう考えても変。常人の感覚を以てすれば、完全にオカルトシーンである。なんせ12年も前に出会った女性が、全く同じ容姿のまま目の前に現れたのだから。これはもう口裂け女に並ぶ新たな都市伝説だ。だいたい、そんな意味不明な女性を12年も待っている訳がないだろう?

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 本作は、そういったこもごもからして、なんだか女性の甘いワガママをゴリゴリ押しつけられているような気がし、不快である。

点数:12/100点
 余暇を前にして、まさかこのような害を与えられるとは思いも寄らなかった。秘密の遵守、害の忘却、余暇の着用は、かくも難しい。

(鑑賞日[初]:2012.12.23)










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Tag:駄作 これが女の生きる道 邦画

2 Comments

名梨  

秘め事のあつ子の部分で我慢できずに笑ってしまいました。ルルルルル。

2013/02/11 (Mon) 18:25 | EDIT | REPLY |   

アラン・スミシー  

Re:

ありがとうございます。!
でも筆者は、どちらかと言うと『姫ちゃんのリボン』派です。パラレルパラレル…

2013/04/13 (Sat) 17:37 | EDIT | REPLY |   

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