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2012

[No.195] アベンジャーズ(Marvel's The Avengers) <85点>

CATEGORYアメコミ




キャッチコピー:『日本よ、これが映画だ。』

 集結したヒーローたちに、今年出会った全ての映画たちに、心から“ありがとう”。

三文あらすじ:神の国アスガルドを追放されたロキ(トム・ヒドルストン)は、宇宙人種族チタウリと手を組み地球に侵攻を開始する。この事態に対し、諜報機関S.H.I.E.L.D.長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)は、特殊能力を持つ6人のスーパーヒーロー、“キャプテン・アメリカ”(クリス・エヴァンス)、“アイアンマン”(ロバート・ダウニー・Jr)、“ソー”(クリス・ヘムズワース)、“ハルク”(マーク・ラファロ)、“ホーク・アイ”(ジェレミー・レナー)、“ブラック・ウィドウ”(スカーレット・ヨハンソン)を徴集。互いに反発し合い劣勢に置かれた彼らは、ある事件を切っ掛けに結束し、スーパーヒーローチーム“アベンジャーズ”(The Avengers)としてロキの軍勢に逆襲(Avenge)を開始する・・・


~*~*~*~

 
 今年も残すところ後2日。映画の観納めに何を選ぼうかと考えたが、やはり今夏満を持して公開され、爆発的大ヒットを飛ばした超ブロックバスター・スーパーヒーロー・ムービー『アベンジャーズ』を選択した。

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 今年1年をふり返ると、本当にアメコミ作品が元気な年であったように思う。リブートされた“漢”のヒーロー『アメイジング・スパイダーマン』が公開されたのも今年なら、新時代アメコミ映画の方向性を決定づけた傑作シリーズ完結編『ダークナイト・ライジング』が公開されたのも今年。そして、そのいずれもが興行的に成功を収めていると言っていいだろう。マヤの予言は外れたけれど、世界はヒーローを求めている。という訳で、スーパーヒーロー大集合の本作は、まさに本年を象徴する1本である。

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 また、筆者は、鋼鉄のヒーロー“アイアンマン”をこよなく愛している。にも関わらず、本作公開時、多忙とあまりの貧困から劇場に足を運ぶことが出来ず、悔しい思いをした。したがって、筆者にとって、本作はどうしても今年中に観ておくべき作品であり、同時に、本作を以て1年を締めくくることが、筆者の“逆襲”でもある。

 さらにもう1つ。筆者が個人的に憤っているのは、本作の日本版キャッチコピーを巡る騒動である。

 “日本よ、これが映画だ。”

 このキャッチコピーが世に出たとき、筆者は手を叩いて賞賛した。作品の出来は未だ分からないものの、昨今のふぬけた邦画界に一石を投じるその姿勢に痛く感銘を受けたからである。日本のアクションはハリウッドに勝てない。大きくはバジェットの問題であろうが、決定的なのは、テレビの2時間ドラマの延長にあるグダグダな作りであり、エンターテイメントを舐めているとしか思えない“魂”の欠落にある。ところが、このキャッチコピーを見た一部の観客が憤慨した。「邦画を下に見るとは何事か!」という訳である。「あろうことか日本の配給会社がこのようなキャッチコピーを考えることに哀しさを覚える。」などと宣っている“知識人”もいた。

 バカを言ってはいけない。殊アクション映画に関して、邦画は未だハリウッドの足下にも及ばない。このように邦画とハリウッド作品との間に優劣を付けると、邦画ファンは極まって「『七人の侍』を観たのか?!」と詰め寄る。でも、そうじゃない。筆者だって、もちろん我が国に、舶来の作品など到底及ばぬ傑作が存在することを知っている。爆薬の量に比例してストーリーテリングがどんどんおろそかになっていくハリウッド映画を遙か眼下に見下ろした、鉄壁の金字塔が乱立していることを知っている。しかし、そうではないのである。問題は、緻密な脚本でも、深遠なテーマでもない。限りなく痛快でバカバカしい展開であり、脚本の雑さを感じる暇もない圧倒的な物量とノリだ。これこそが“エンターテイメント”の真髄。映画を観終わり夜更けに1人“Yippee-ki-yay! Matherfucker!!”と叫ぶとき、朝方出かける前に“Go ahead. Make my day.”と呟くとき、筆者はハリウッド映画の本当の素晴らしさを実感する。そういった、思わず主人公を真似てしまうような魅力、作品に引き込まれ夢中になってしまうバカバカしさこそが、邦画には必要である。もちろん、深く映画を愛する“魂”に裏打ちされたそれが。

 とはいえ、何も邦画が根底からダメと言っている訳ではない。この国には未来がある。灯火に似た消えない希望の歌がある。筆者は、いつの日か我が国が、映画大国アメリカに堂々たる“逆襲”を仕掛ける日を心待ちにしている。

 本作は、以上で独善的かつ横柄に述べたようなハリウッド大作である。つまり、バカバカしく、雑で、我を忘れてのめり込んでしまうほどの熱量。“真のエンターテイメント”というわけだ。

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 まぁ、無限のエネルギーを秘めた“キューブ”を巡る攻防や宇宙から進行してくる機械の軍勢といったギミックが、あまりにも『トランスフォーマー』過ぎてオリジナリティに欠けるような気もするが、ひょっとしたら原作で同じような敵が出てきたのかもしれないので、あまり偉そうに文句を言うのはやめておく。

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 特筆すべき点としては、まず、音楽。筆者が愛して止まない“ザ・ムービー”である『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の楽曲を手がけたアラン・シルヴェストリが本作のコンポーザー。正直に言うと、いずれもどこかで聞いたことのあるような曲ばかりなのだが、彼が本作に携わっているというだけでテンションが上がるし、巨匠が生み出す楽曲は、やはり雄々しく繊細で抜群の安定感である。

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 また、全体のまとめ方が素晴らしい。6人ものスーパーヒーローそれぞれに見せ場を提供しつつ一応一貫したストーリーに仕上げた手腕には、目を見張らずにはいられない。特に終盤、各ヒーローの活躍をリレー形式で見せていくシークエンスは、これぞアベンジャーズ!という意気込みが感じられる、中々の名シークエンスである。

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 細かなシーンで言うならば、ラストのインタビューシーンが個人的にぐっときた。一件落着し、テレビではアベンジャーズに関する様々な意見が飛び交う。地球を救った彼らに対する感謝の言葉もある中、街を破壊し姿を消した無責任ヒーローたちへの非難の声も多い。しかし、最後に映る女性は、涙ながらに訴える。「キャプテン・アメリカは私の命の恩人です。」と。そして「彼とその仲間が今どこにいるとしても、彼らに“ありがとう”と言いたい。」と述べる。これはいい。この純粋な“ありがとう”という言葉が、ヒーローの原動力。最高のヒーローをヒーローたらしめる簡潔でこの上ないピースである。(この女性は、キャプテン・アメリカの関係者なのだろうか。筆者はまだ『キャプテン・アメリカ』シリーズを一本も観ていないので分からなかったのだが、本作中、この女性が何度か単品で抜かれるシーンが挿入されていたので、なにかの縁があるのだろうな。)

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 そして、やはり真打ち、筆者最愛のヒーロー“アイアンマン”ことトニー・スタークである。やっぱり良い!他の個性的ヒーローに囲まれても、彼のアイデンティティーは陰ることを知らない。ひょうひょうとした立ち居振る舞い、ナイフのように尖った知性、ダンディーでセクシーな大人の色香。極めつけは、鋼の魂を覆う鉄(くろがね)のボディ。

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 ロキに苦戦するキャプテン・アメリカの元に駆けつけるときには、ファンにはお馴染みACDCの『Shoot to Thrill』を爆音で鳴らしながら登場。最高に格好いい。堅物のキャプテン・アメリカとお調子者のトニー・スタークという対比も効果的。部活のうっとうしい部長のようなキャプテンに対して、終始スマートで軽い受け答えをするスタークは、最高にセクシーでいぶし銀だ。年齢は、こう重ねたいものである。

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 アイアンマンにまつわる本作一番の見所は、やはり彼の最新強化外骨格“Mark.7”であろう。自ら飛行し、スタークの元へ馳せ参ずる。そして、その場で装着。スーツを着なければ戦えないというのがアイアンマン最大の弱点であり、シリーズ第2作『アイアンマン2』ではこの点を克服するための“Mark.5”が登場した。しかし、それはスーツケース状に折りたたまれたスーツを持ち運びしなければならなかったし、外装の弱体化、飛行能力の欠如など、戦闘面でも問題の多いものであった。今回登場した“Mark.7”はこの点を大幅に改良した現時点でのアイアンマンスーツ決定版である。

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 そして、2013年公開予定の最新作にして完結編『アイアンマン3』では、遂にトニー・スターク自身がその場でアイアンマンに変身するというコミックスのアイデアが取り入れられるらしい。ルフィが泳げないように、特殊能力には制約があってこそおもしろいのだから、あまりホイホイ利便性を追求しないでもらいたいものだが、そうはいっても鋼鉄のヒーロー最後の活躍が今から待ちきれない。

点数:85/100点
 本編に関する内容が薄いことからもお分かりのように、本作は、鑑賞後特に何も残らない作品。でも、夏のブロックバスターなんてもんは得てしてそうであり、またいつまでもそうであって欲しいものである。なお、筆者は未だ『キャプテン・アメリカ』、『マイティ・ソー』を鑑賞しておらず、『インクレディブル・ハルク』の感想も書けていない。この点は、来年への宿題である。

(鑑賞日[初]:2012.12.30)






















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