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2013

[No.196] ハンガー・ゲーム(The Hunger Games) <58点>

CATEGORYアクション
Hunger Games



キャッチコピー:『生存確率1/24』

 希望は貧者のパンである。

三文あらすじ:巨大独裁国家パネムでは、12の隷属地区を服従させる見せしめ的イベントとして、年1回、各地区の12~18歳の男女各1名ずつ計24人の若者を無作為に選出し互いに殺し合わせる“ハンガー・ゲーム(The Hunger Games)”が行われていた。第12地区に暮らす少女カットニス・エヴァディーン(ジェニファー・ローレンス)は、運悪く選ばれた妹に代わりこのゲームに志願。共に選出された同級生ピータ・メラーク(ジョシュ・ハッチャーソン)との交流も束の間、狂気の殺人ゲームが無情にも開始される・・・


~*~*~*~

 
 昨年春、彗星のごとく登場し、全米映画興行チャートを何週にも渡って賑わせた、2012年を代表する1本。バットマンだったりスパイダーマンだったりと違って、個人的には完全にノーマークだった作品であり、それだけにアメリカでの爆発的ヒットが非常に印象的だった作品である。

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 本作のあらすじを少しでも耳にした人は皆おそらくこう思ったことだろう。そう、これは『バトル・ロワイヤル』であると。筆者も本作の予告編を観たときは、ハリウッドのネタ切れもここまで来たか・・・とやや呆れ気味な感想を持った。ところが、その後あの大ヒット。これは本家を凌駕する上質なエンターテイメント作品に仕上がっているはずだ!とレンタルを心待ちにしていた次第である。

 しかし、結論から言うと、本作は非常につまらない。エンターテイメントに目のないアメリカ人たちを何がそんなに駆り立てたのか。原作が人気なのだろうか。少年少女が殺し合うという設定がそんなにショッキングだったのだろうか。全くピンと来ない。

 まず気にくわないのが、設定を活かせていないという点。純粋無垢な若者が“大勢”という目に見えぬ力によって無理矢理極限の殺人サバイバルを強いられる。そんな本家にはあったドキドキハラハラ感や底知れぬ無情が微塵も伝わってこない。ゲーム開始前に2週間もの期間を設け、参加者にみっちりと訓練を受けさせるというのがもうダメだが、どうせそうするならもっと参加者同士に友情を芽生えさせなければ意味がない。キャラの立っていない参加者達が知らぬ間に次々と死んでいき、主人公はただ1人で勝手に次から次へと困難を背負い込んでいく。ハチに刺されたのも爆発で耳キーンになったのもお前のせいやん…。参加者を“善者”と“悪者”に2分してしまったのもいただけない。ただの勧善懲悪は限りなく陳腐。

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 続いて気にくわないのは、稚拙な展開運び。見え透いたピータの裏切りもそうだし、結局主人公が人を殺めるのは過失によるか正当防衛によるかという展開もそうだ。極めつけは、いたいけな少女ルー(アマンドラ・ステンバーグ)が死亡した後のくだり。彼女に自身の妹を投影していたカットニスが号泣するのは分からないでもないのだが、ご丁寧に大量の花を摘んできて死体を大層にデコレートする展開にはげんなりだ。ここは戦場なんだぞ!?生半可な気持ちで身代わりになどなるな!大切な物を守るには同じくらい大切な数多の物を犠牲にしなくてはならない。そんなことも分からないカットニスは、ピータにはもったいない。

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 そして、最も気にくわないのは、まさにこのカットニスを巡る恋物語である。

 妹のため殺人ゲームに参加するヒロイン、カットニス。彼女は村の若者ゲイル・ホーソーン(リアム・ヘムズワース)と良い感じである。貧しい村では本物にはめったにありつけないパンを分けてもらったりして和気あいあい。ここに第2の男ピータが登場する。共にゲームに参加するピータは、実はカットニスの同級生であり、長年彼女に片思いしていたのだった。そのことを告白されたカットニスは、始め戸惑う。それはそうだろう。なんせゲイルにはパンを半分分けてもらった恩もあるのだから、ぽっと出の男にホイホイ付いていくわけにはいくまい。

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 しかし、驚愕の事実が発覚する。なんとカットニスは、かつてピータにもパンをもらっていたのだ。しかも丸々一本…!つまり彼女は、ピータに対してまさに一食一パンの恩があるという訳で、結局物語後半でピータと熱烈なキス&腕枕での添い寝を敢行してしまうことになる。各地区に設置された大型ビジョンでその中継を切なげに見つめるゲイル…。可哀想すぎる!いくらパンの量で負けたからといって昨日今日現れた男にいきなり意中の女性を奪われるなんて。この点では本作は大変に無情だ。

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 さらに酷いのは、カットニスのキスがスポンサーへのパフォーマンスでしかなかったという展開。ハンガー・ゲームでは、テレビで応援するスポンサーの支持すなわち人気がゲーム展開を左右する。つまり客の目を引く派手なパフォーマンスやドラマティックな展開が勝負の鍵。故郷で待つ妹のため、それを最大限利用しようとするカットニスの残忍さは、ある意味で好感が持てる。ハンガー・ゲームは非情なバトル・ロワイヤルであり、彼女は何に変えても妹を守る覚悟を持って志願した。しかし、そうであるならば、幼いルーであろうが誰であろうが出会った瞬間に得意の弓で射貫くぐらいの心意気は不可欠ではないだろうか。

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 男のハートだけを射貫き、目的達成後にはゴミのように捨てる。そんなカットニスを筆者は許さない。一方で、ゲイル、ピータの両名とは、パンでもかじりながら一杯やりたいと思っている。

点数:58/100点
 前評判の高さから非常にがっかりだった本作。しかし、もしかしたら筆者の読解力不足なだけなのかもしれない。聖書であったり政治であったり、まぁパッと見て分からない場合はこのどちらかなのだが、そんな深遠なテーマが含まれていたのなら、散々悪口を書いたカットニスにも深く謝罪する所存である。まぁとりあえず、今年も沢山映画を観て、ときに的外れでも楽しげに感想を書いていこうと思う。

(鑑賞日[初]:2012.1.27)










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Tag:これが女の生きる道

1 Comments

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ハンガーゲーム2はそこそこ楽しめましたよ!こっちも前置きが糞長かったですけど!

2014/10/05 (Sun) 23:36 | EDIT | REPLY |   

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