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2013

[No.197] ダーク・シャドウ(Dark Shadows) <78点>

CATEGORYコメディ
Dark Shadow



キャッチコピー:『新種のヴァンパイア、始動』

 男にとっては今日一日だけの浮気心にすぎないものに、 女はその一生を賭ける。

三文あらすじ:1752年、イングランド、リヴァプールの名家コリンズ家は、北アメリカに渡り漁業の町コリンズポートを築く。一人息子のバーナバス・コリンズ(ジョニー・デップ)は、ハンサムな青年として成長するが、コリンズ家の使用人にして魔女、アンジェリーク・ブシャール(エヴァ・グリーン)を弄んだため、最愛の女性ジョゼット・デュプレ(ベラ・ヒースコート)を殺された上、呪いを掛けられヴァンパイアへと変貌、棺に収められ生き埋めにされてしまう。時は流れ1972年、工事現場から掘り出されたバーナバスは、すっかり没落した我が家で女家長エリザベス・コリンズ・ストッダード(ミシェル・ファイファー)、長女キャロリン(クロエ・グレース・モレッツ)、長男デヴィッド(ガリヴァー・マグラス)、デヴィッドのカウンセラー、ジュリア・ホフマン博士(ヘレナ・ボナム=カーター)、ジョゼットにうり二つの家庭教師ヴィクトリア・ウィンターズ(ベラ・ヒースコート)らと出会い、そして200年に渡り町を牛耳ってきた宿敵アンジェリークと対峙する・・・


~*~*~*~

 
 ティム・バートン&ジョニー・デップのシザーハンズコンビが放つ、恐くて愉快でちょっと切ない痛快ヴァンパイアコメディ。

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 要は『アダムス・ファミリー』みたいなものなのだが、怪物一家に1人通常人が紛れ込んだという設定の同作とは違い、本作では一風風変わりでも一応通常人なコリンズ家の中にヴァンパイアであるバーナバスが紛れ込むというプロット。さらに、2世紀もの時を経て1972年に目覚めたバーナバスがジェネレーションギャップを感じまくる、という構造も盛り込まれる。

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 つまり、ヴァンパイアと人間とのギャップに加え前々世紀の人物と20世紀の人物とのギャップという2段階のすれ違いにより笑いが生まれるのである。ここは中々おもしろい。どちらか一方だけであれば月並みで陳腐だが、両方盛り込むことでベタだが密度の濃いコメディに仕上がっている。また、舞台設定を現代でなく1972年に置いたことで、本作を鑑賞する我々との間にも3段階目のギャップが生まれている。特におじさん世代などは、劇中登場するカーペンターズやアリス・クーパーの最新アーティストとしての扱われ方にセンチメンタルな感情を描くことが出来るだろう。

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 個人的に本作で最もおもしろいと感じた趣向は、主人公バーナバスのキャラクターである。

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 本作はホラーコメディであり、通常このような作品では、主人公がモンスターであるにも関わらず、その実心優しいモンスターである、というのがお決まりだ。人は殺さず、花を愛で、子供を愛す。そんな不抜けたモンスターを我々は今まで何体も見てきた。しかし、バーナバスは違う。目覚めた瞬間から7人もの現場作業員を血祭りにあげ、その後も血液を求めて何人もの町人を殺していく。

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 ティム&ジョニーのコンビが名作『シザーハンズ』からほぼ一貫して描いてきたのは、はみ出し者の苦悩であった。奇才が故にハリウッドに馴染めなかったティム、同じく美形で実力派ながら鳴かず飛ばずだったジョニー。そんな2人は出会い、はみ出し者の真にリアルな苦悩をファンタジーに仕上げる。本作のはみ出し者バーナバスもそのような彼らの心情が反映されたキャラクター。ただ単に吸血鬼である、という形式だけでなく、実際に血を求めて人を殺してしまうという性。ここを描くことでバーナバスの苦悩は真にリアルなものになるのである。

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 また“新種のヴァンパイア、始動”とのキャッチコピーに象徴されるバーナバスは、まさに“新種”な一面を持っている。彼は、極めてふしだらな吸血鬼。そもそも呪われる原因となったのも、彼がアンジェリークと火遊びをしたからである。目覚めてからもやりたい放題。宿敵アンジェリークの誘惑に負け、またしても激しいアクロバティック・セックスを繰り広げたかと思えば、美熟女ジュリア博士から「医者と患者のヒミツって知ってる?」と誘われてイッパツ抜かれてしまったりする。

 これは斬新であり、かつ素晴らしいキャラ設定。業を背負ったが故に苦しみ抜く真面目で真摯なモンスターなど、実際はリアルなはみ出し者ではない。このご時世に言うのはいささか問題かもしれないが、筆者は長らく“いじめられる方にも問題在り”理論を支持している。加害者の悪性を無視しては決していけないが、コミュニティからはじき出される者にはその者自身に必ず何らかの理由がある。これは絶対の真理である。目を背けてはいけない真実である。多くの観客は、本作のコメディタッチな語り口から、バーナバスのキャラクターも非現実的なコメディ要素として笑い飛ばすだろうが、はみ出し者描写の名手ティム&ジョニーが描くこの破廉恥吸血鬼こそ、本当にリアルなアウトローの姿であると筆者は感じる。

 さて、このようなセクシーな主人公像に代表されるように、本作は少しアダルトな雰囲気漂う作品でもある。その結果、登場する女性キャラの大半にセクシーシーンが用意されているという大サービス!

 まず、最もセクシーなアンジェリークを演じるのは、エヴァ・グリーン『カジノロワイヤル』では影のある硬派で凜とした強い女性ヴェスパーを見事に演じきった彼女は、本作でお色気全開のファムファタールをこれまた見事に演じきっている。

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 これは一勝負終わった後。一時の欲望に溺れてしまって反省するバーナバスと満足げなアンジェリークの図。素晴らしいね、エヴァ・グリーン。

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 こちらはまさに勝負中。魔女ならではの画期的なセクシーシーンである。また、このシークエンスはただエロいだけではなく、部屋を縦横無尽に使ったセックスの描き方など、映画的にも大変見応えのある部分である。しかしまぁ、反省しながらも「お前の体には弱いのだ…。」と呟いたバーナバスには諸手を挙げて賛成したい。

 続いてデヴィッドのカウンセラー、ジュリア・ホフマン博士を演じるヘレナ・ボナム=カーター

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 これはまぁさすがに直接描写はなし。しかし、豊満な美熟女、しかも女医とくれば、思わずこの表情をしてしまったバーナバスにはこれまた同情の意を禁じ得ない。

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 そして、何と言っても素晴らしいのは、コリンズ家のヤンチャな長女キャロリンを演じる我らがクロエ・グレース・モレッツちゃんである。15歳という多感な時期にあるキャロリンは、背伸びしてアダルトな振る舞いを多くとるというキャラ設定。必然、セクシーシーンが何カ所か登場することになる。

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 この恍惚の表情。彼女が『キック・アス』の頃と比べて格段に大人の“女性”へと成長していることが見て取れるだろう。同作の頃はこんなにあどけなかった女の子が…

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 こうなるんだから女性は恐ろしい…。

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 当ブログでは、これからもモレッツちゃんを全力で応援していきたいと思う。

 本作の見所は、何もお色気シーンばかりではない。はみ出し者の苦悩をコメディタッチ描く本作は、大団円ではしっかりエンターテイメントを提供してくれる。それは言うなれば“怪物大決戦”。物語の中心コリンズウッドを舞台に、バーナバスとアンジェリーク、200年にも渡る愛憎の戦いが遂に最終局面を迎える。強靱な魔力を用いるアンジェリークに対して、屈強な不死の身体能力で対抗するバーナバス。しかし、魔女の、いや、女の恨みは恐い。女家長エリザベス(彼女を演じるミシェル・ファイファーにも是非お色気シーンを用意して欲しかった…!)もショットガンで参戦するが、バーナバスは劣勢に置かれる。

 ここで登場するのが、狼人間キャロリン。ただの少女かと思われていた彼女が実は能力者であったという胸が熱くなる展開だ。

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 さらに、このキャロリンも倒された後が漢の魂完全燃焼。バーナバスにトドメを刺そうと近づくアンジェリークに、幼い少年デヴィッドが立ちはだかる。彼は、母の死が未だ受け入れられず、「お母さんは毎日僕に話しかけてくれるよ。」なんて言うもんだから精神病すら疑われていたか弱い男の子。そんな彼が最強の魔女に堂々と言い放つ。

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「おじさんに近づくな。」
(Leave him alone.)


 「ならお前から殺してやるよ!」なんて言いながらそっちに向かってしまうステレオタイプな悪役アンジェリークにはむしろ賞賛の拍手を。「お前みたいな小僧に私が倒せるとでも?」素晴らしくベタベタなヒールっぷりだが、言っていることはもっともである。しかし確かに、キャロリンの隠された能力も明らかになった今、彼にも魔女に対抗する術があるのかも知れぬ。傲慢な魔女に対して、そして、ハラハラドキドキと展開を見守る我々に対して、幼い少年は一寸も臆さずこの台詞を叩き付ける。

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「僕じゃない。"お母さん"が相手だ!」
(Not me. My mommy.)


 熱い!これは…まさにスタンド能力だ!言うなれば“母の白銀(マザー・プラチナ)”である。筆者はジョジョをちゃんと読んだことはないのだが、そうか…これがオラオラってやつだったのか…。血湧き肉躍る素晴らしい漢の大団円である。

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点数:78/100点
 色々と本作の素晴らしい点について述べたが、バーナバスのハッピーエンドに関しては少し詰め切れていない感も否めない。200年にも渡り執念深く愛してくれたアンジェリークに「お前の呪いは、誰も愛せないということだ…!」なんて簡単に決めつけてしまう辺り、責任逃れ以外の何者でもないように思える。まぁ、気持ちは分かるよ、バーナバス。男は軽い気持ちで、それこそ1日だけの浮気心のつもりだったとしても、女性にとっては一生を賭けるに値する事象だったりする。本作を鑑賞した男性観客には、女性の恨みは恐い、というこの点だけしっかり再確認してもらいたいと思う。そして、深く反省である。

(鑑賞日[初]:2012.1.31)










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Tag:モレッツちゃん

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