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2013

[No.200] ダイ・ハード2(Die Hard 2:Die Harder) <84点>

CATEGORYアクション
Die Hard2



キャッチコピー:『また、戦場へ来てしまった運の悪い奴!』

 A GOOD DAY TO TEAR TICKET UP.

三文あらすじ:ナカトミ・プラザの死闘から1年後のクリスマス、妻であるホリー(ボニー・ベデリア)を迎えにワシントンD.C.のダラス国際空港に来ていたジョン・マクレーン刑事(ブルース・ウィリス)は、荷物室で不審な2人組から銃撃を受けこれに応戦、1人を射殺し、空港がプロの傭兵集団から狙われていることを警告するが、管轄違いのマクレーンに激怒した空港警察署長カーマイン・ロレンゾ(デニス・フランツ)は取り合わない。そんな中、反共主義の元陸軍大佐スチュアート(ウィリアム・サドラー)が一個小隊を率いて空港の管理系統を制圧、旋回中の旅客機を人質にして、ダラスに送還されてくる南米の独裁者ラモン・エスペランザ将軍(フランコ・ネロ)の解放を要求する。ホリーが乗る機の燃料切れが迫る中、世界一不運な“不死身の(Die Hard)”男は、雪の空港で再び孤独な戦いに挑んでいく・・・


~*~*~*~

 
 傑作アクション大作『ダイ・ハード』の第2弾。より不死身に、より頑固に、より反抗的にということで“Die Harder”なのだろうが、正直に言って、前作と比べると本作は相当見劣りする。

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 最も目に付く点は、脚本が雑ということ。まぁ、これはある程度仕方のないことではあるが。

 本作の公開は、前作の2年後である1990年。この頃のアクション大作は、ストーリーよりも爆薬の量を信条にした作品が非常に多い。筆者は、そんなNO EXPLOSION, NO MOVIEとでも言うべき作品が嫌いではない。むしろ大スキと言っていい。それに、そのような本作の同級生たちと比べてみるなら、本作は逆によくまとまった秀逸な脚本とさえ言える。

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 しかし、如何せん前作が完璧すぎた。極限の閉鎖空間で繰り広げられる1人の男の死闘は、その全てが論理と必然で連関されており、一分の隙もなく楽しめるものであった。これに対して、本作の舞台は空港。そこには空港警察もいるし、後半には軍隊も応援に駆けつける。このような状況の中、なぜジョン・マクレーンがそこまで頑張らなければならないのか、という点に説得力を持たせることは、非常に難しい。そして当然、本作がこのハードな課題をクリア出来たかと言えば、答えはノーだ。

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 結局、本作においてマクレーンが孤独な戦いを強いられる原因は、全部周囲の人との口喧嘩。ロレンゾとは皮肉混じりで言い合い、テロ対策特殊部隊隊長グラント(ジョン・エイモス)とは大声で罵り合う。頑固者が前作より格段に増えたという点では、確かに“Die Harder”なのだが、きちんと一から理由を説明すれば説得できたのでは?と逐一思ってしまい、愛妻が死の淵にある夫の振るまいとしては説得力を欠いていると言わざるを得ない。

 一方、本作で素晴らしい点は、やはりホリーとの再会、そして、ロレンゾとの友情、この2点である。

 まず、ホリーとの再会。改めて本作を鑑賞してみると、マクレーンとホリーが作中ずっとラブラブなのは本作のみ。前作で妻の大切さと素直になることの必要性を実感したマクレーンは、半年分も溜まった逮捕予定者をニューヨークにほったらかし、ロサンゼルス市警に移籍している。一方のホリーはまだナカトミでバリバリ働いているようで、この頑固女にはいささか不満であるが、ここはマクレーンの愛妻家っぷりを誉めるに留めておく。

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 つまり、終始飛行機の中のホリーと空港で戦うマクレーンという構図。したがって、ホリーは下で何が起こっているか、かなり終盤まで知らない。しかも、テロの事実を知るのも、前作で前歯を折られたウザ記者リチャード・ソーンバーグ(ウィリアム・アザートン)が機内トイレからこっそり生中継したニュース映像を機内テレビで観たため。彼女は、テロと戦っているのが我が夫であるとは知らない。

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 そして、全てが解決する大団円。敵の倒し方は、おそらくシリーズNo.1である。スチュアート一行を乗せ、滑走路を走行中の脱出機に取り付いたマクレーンは、グラント、スチュアートとガチンコの肉弾戦を繰り広げる。が、精鋭の軍人には到底敵わず叩き落とされてしまう。特にスチュアートは強い。

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 冒頭のスチュアート登場シーン。これは印象的だ。全裸で独りトレーニングに励む様は、ある意味でこれまたシリーズNo.1に個性的な悪役であろう。

 結局振り落とされたマクレーンだが、その刹那燃料タンクの蓋をもぎ取り、燃料を噴出させる。そして、有名なジッポで点火するシーン。掛け声はもちろん、

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「Yippee-ki-yay, motherfucker!」


 走った火が旅客機の誘導灯代わりになるというのも大変素晴らしい。まぁ、突っ込み所も多々ある大味なクライマックスではあるが、燃料タンクの蓋がそんな簡単に開く訳ない、とか、航空機の燃料は揮発性が高いからあんな燃え方はしない、とか、そんな野暮なことを言うマザーファッカーは帰っていい。

 肝心なのは、その後である。いつも通りの満身創痍、ボロボロの状態でホリーを探すマクレーン。今作は前作ほどマクレーンがボロボロになっている印象がなかったが、このラストは文句なしのボロボロ。「ホォォォリィィィィ~~!」という、墓地にいたらバタリアンに間違われそうな野太い咆吼もまた格好いい。我が夫を見つけ駆け寄るキャリアウーマン。抱き合う2人。そして、この会話。

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 Holly: They told me there were terrorists at the airport.
 (空港でテロがあったそうね?)

 John: Yeah, I heard that too.
 (あぁ、どうやらそうらしいな。)

 これはグッとくる!確かにマクレーン的ジョークにすぎないのかも知れない。しかし、彼があれほどの逆境の中、あれほど苦労して人々のため妻のために奮闘していたことを我々は知っている。それを人ごとのようにさらっと言ってのけるとは。

 そして、この後に待ち受けるのが、ロレンゾとの友情。物語全体を通して、ロレンゾとマクレーンはシリーズ中No1に喧嘩し合ったと言っても過言ではない犬猿の仲。ロレンゾ自身もマクレーンと馬が合わないことに加え、冒頭でマクレーンがホリーの母から借りた新車をマクレーンの「なぁ、クリスマスだろ?」という懇願にも関わらず「サンタさんにでも頼みな。」と冷たくレッカーしていった男が、あろうことかその弟であったという念の入りよう。しかし、上手いのは、話の分かるヤツだと思っていたグラントを裏切り者に設定することで、ロレンゾとマクレーンの信頼関係に説得力を持たせている点である。

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 微笑み合う満身創痍の夫婦の元へ、空港の施設管理人である気の良いダメオヤジ、マービン(トム・バウアー)が、荷物を運ぶカートで駆けつける。前作で言うところのアーガイル的ポジションだ。乗ろうとするマクレーンを呼び止めるのは、宿敵だったロレンゾ。マクレーンの駐禁切符を手にした彼はこう言う。

 Lorenzo: Hey McClane! You get this parking ticket in front of my airport?
 (おい、マクレーン!お前、駐禁切られたって?)

 「そうだ。」と答えるマクレーンの目の前で切符を破り、ロレンゾは続ける。

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 Lorenzo: Ah, what the hell; it's Christmas!
 (まぁ、いいさ。今日はクリスマスだ!)

 またしても…!なんて気持ちの良いマザーファッカーたちなんだろう…!そして、すかさず「Let It Snow」。なんだかんだで、やっぱりダイ・ハードはおもしろい。

点数:84/100点
 前作と比べてしまうと、随分“普通の”アクション映画になってしまったなぁという印象。しかし、同世代の他のアクションと比べるなら、その素晴らしさが分かるだろう。

 本日は、遂にシリーズ最新作にしておそらく最終作『ダイ・ハード/ラスト・デイ』の公開日!なのに、あと2作も予習を済まさねばならないとは…あぁ、なんてついてないんだろう…。

(鑑賞日:2012.2.14)










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