[No.207] レゴ・ストーリー(The Lego Story) <67点>

lego story

キャッチコピー:unknown

 少年よ、よく遊べ。

三文あらすじ:1900年代初頭、デンマークで家具屋を営むオーレ・キアク・クリスチャンセンは、世界恐慌の煽りを受けて倒産寸前の危機にあった。玩具制作に方向転換したオーレは、息子ゴッドフレッドと共に試行錯誤する内、紆余曲折を経てプラスチック製の組み立てブロックを思いつく。そう、これは「レゴのお話(The Lego Story)」・・・

<本編(17分10秒)>



~*~*~*~

 
 今や世界中で“LEGO”の名を知らぬ者はないだろう。アメリカ人の子供はレゴで自由の女神を作り、ロシア人の子供はレゴでウォッカのビンを作り、イタリア人の子供はレゴでグラマーな女性を作り、韓国人の子供はレゴが韓国起源だと主張する。そんなジョークがあってもおかしくないくらい、この組み立て式玩具は、世界中の子供たちの定番オモチャであり、クリエイティビティの源泉である。

 かく言う筆者も例外ではない。筆者が幼少時代を費やしたレゴシリーズは、まず何と言っても“ロイヤルキング城”

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 城門を開けると床から骸骨が飛び出すという仕掛けが素晴らしく、筆者は夢中になった。苦心の末完成させたロイヤルキング城を、登校前に弟に壊され、朝から号泣したのは、今では懐かしい思い出である。

 そして、もう一つは“アクアノーツ”

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 この海底探査船みたいなヤツが最高に格好良く、筆者はやはり夢中になった。

 これらのレゴシリーズは、単に筆者のような少年を楽しませるに留まらず、その創造性を最大限に喚起してくれるものでもあった。レゴは、購入時に定められた“お城”であったり“海底基地”を組み立てることで終わるものではない。定型のパッケージを完成させ、ひとしきりそれを愛でた後は、全てを再びバラバラのブロック群へと回帰させ、今度は自分だけのオリジナルな物語を造形することが出来る。

 幼い筆者と弟が没頭していたのは“絶体絶命”というタイトルを冠したステキでお粗末なストーリーだった。まず、巨大な宇宙船を組み立てる。これは巨大であればあるほど良い。そして、その宇宙船が広い宇宙を悠々と航海する様を迫真を以て演じる。ここは出来るだけ優雅に演じるのが良い。そのとき、一転、船内で緊急事態が、あるいは外部から隕石が衝突し、船はコントロールを失うのである。時には、ゴジラのフィギアなどをゲスト出演させるのも良いだろう。操縦系統を失った船は速度を増し、勇敢な船長の活躍も虚しく、近くの惑星、すなわちレゴブロックが大量に敷き詰められたケース目がけて一直線に突進、衝突、大破する。筆者と弟、2人の大爆笑と拍手喝采を以て、この話は完結するのだった。

 どの少年もこれと似たような遊びをレゴでしていたのではないだろうか。そして、幼く内に眠る創造性を喚起されていたはずだ。思えば、筆者に限っては、このようなたわいもない遊びが、現在まで続く映画好きの原点だったように思う。ストーリーを構築し、キャラクターを設定し、前フリをしっかり行い、必然性と荒唐無稽の絶妙なバランスの中、最後のカタルシスを得る。このような映画制作にもある程度通ずるであろう遊びを今ふり返って筆者が感じることは、製作者のカタルシスと観客のそれは必ずしも一致しない、ということだ。

 巨大宇宙船を大破させることは、今まで積み上げてきた全てを物理的にもストーリー的にも灰燼に帰させる行いであり、製作者である筆者はこの上ないカタルシスを得ていた。しかし、一方でこれが一本の映画だとした場合、その最後は完全にバッドエンドであり、多くの観客は悶々とした気分になるはずである。

 このような経験を通して、筆者は“作り手側の視点で映画を観る”ということを無意識に覚え、今でもバッドエンドな作品にある程度の理解を示すことが出来ているのだと思う。「監督目線で『呪怨』を観れば全然恐くない」とまことしやかに言われるが、観客と監督との間で自由に視座を転換させることで、映画鑑賞の幅が広がることは確かであろう。

 最後にもう一つだけ。筆者が最近手に入れたのがこれ。

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 “インディ・ジョーンズ”である。もはやブロックのインディを再構築し破壊するということはせず、完成後はきちんとディスプレイし鑑賞するという楽しみ方になっているが、レゴで映画好きになった筆者が今度は映画のレゴで遊んでいるという現象は、子供から大人までを虜にする“LEGO”の魅力を語る好例であろう。

 さて、長々と自分の話ばかり書いてしまったが、まぁ、本作は、観る者それぞれの“レゴ・ストーリー”を思い起こさせる“レゴのお話”である。

点数:67/100点
 “LEGO”とは、作中にもある通り、デンマーク語で“よく遊べ”を意味する“leg godt”から来た社名である。レゴ社は、それを無理矢理ラテン語の“組み立てる”という語に結びつけているらしいが、支離滅裂なオリジナルストーリーで楽しんでいた筆者のように、子供の想像力はいつだって無理矢理に違いない。

(鑑賞日[初]:2013.3.25)

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