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2013

[No.211] ドーン・オブ・ザ・デッド(Dawn Of The Dead) <68点>

CATEGORYゾンビ
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キャッチコピー:『感染するまで、終わらない…。』

 繁栄と享楽と、いや、今はただ生存を。

三文あらすじ:幸せな日常を送る看護士アナ・クラーク(サラ・ポーリー)は、夫と共にいつも通りの朝を迎える。しかし、いつの間にか部屋の中にいた近所の子供が夫に噛み付き、絶命したはずの夫は、息を吹き返してアナに襲いかかる。命からがら逃げ出したアナは、昨日までとは打って変わった阿鼻叫喚の地獄絵図の中、わずかな生存者ケネス・ホール(ヴィング・レイムス)、マイケル・ショーネシー(ジェイク・ウェバー)、アンドレ・ブライアント(メキ・ファイファー)らと共にショッピングモールに立て籠もるのだが・・・


~*~*~*~

 
 ゾンビ映画は本当に人気がある。特に、欧米での人気が根強く、すさまじい。最近では、ブラッド・ピット主演の正統派ゾンビ作品『ワールド・ウォーZ』が注目である。前評判は散々だったものの、やはり予告編で見る膨大な量のゾンビが雪崩のように向かってくるビジュアルには、心躍る。

 まぁ、欧米で言うところの“ゾンビ”は、日本で言うなら“幽霊”のようなものだろうか。んー、欧米にも当然“ゴースト”という概念がある以上、この例えはなんだか的を外している気がするが、つまるところ、“ベタな怪異”であることには変わりなかろう。そして、そんな欧米でのゾンビ人気を決定的なものにした作品は、賛否はあるとしても、やはりゾンビ映画界の巨匠ジョージ・A・ロメロが1978年に生み出した『ゾンビ』だろう。当ブログでも以前紹介した同作であるが、30年以上が経過した現在でも全く色あせることなく、ゾンビ映画界の不朽の金字塔として君臨し続けている傑作と言っていい。

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 本作は、そんな『ゾンビ』のリメイク作品である。押しも押されぬ傑作のリメイクというのは、周囲の不安や心配そのままに失敗するのが世の常であるのだが、本作はその辺を中々上手いこと切り抜けたのではないだろうか。

 監督は、ザック・スナイダー。本作で華々しくデビューを飾り、その後『300(スリーハンドレッド)』『ウォッチメン』『エンジェル・ウォーズ』といったシュールでスタイリッシュ、あるいは難解な作品で成功を収めた。直近では、人類を代表するザ・ヒーロー“スーパーマン”の、しれっと過去を無きものにしたリメイク作『マン・オブ・スティール』が世界中のファンたちの期待と不安を一心に受けて、公開日を今や遅しと待たれている状況である。

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 では、そんなザック・スナイダーは、大傑作『ゾンビ』を如何にして現代に蘇らせ、一定の高評価を得ることができたのか。

 最大のポイントは、なんだかクールでスタイリッシュという点にあると思う。これは、ザック・スナイダーの持ち味である。この印象は本作を構成する様々な要素が有機的に連関して形成されているものではあるのだが、筆者が思う最大の要因は、思い切った演出である。

 まず、オープニングが相当程度にクールでスタイリッシュ。ロメロ版『ゾンビ』における冒頭は、既に死者が蘇り、世界が混沌の中に叩き落とされた後のニュースステーションであった。しかし、本作では、本格的に死者が蘇る前日から物語がスタートする。オリジナルでは、よく分からないまま阿鼻叫喚の世界を見せられ、観客はまるで作中人物たちのような気持ちを疑似体験することができたのであるが、過去の名作に臆することなくその点を変更したのは、ある意味正解だ。

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 Xデー前日とはいえ、世界には、何らかの“違和感”が漂っている。噛み傷だけなのに集中治療室に入っている患者の存在、車中でかかる緊急ニュース速報、そんな若干の違和感にアナは気付かぬまま帰宅する。コミカルに描いていないだけで、本作冒頭のこの展開は、『ショーン・オブ・ザ・デッド』に共通する部分であろう。同作では、世界がゾンビだらけになっているにもかかわらず、それに気付かないまま普段通りの生活を続ける主人公が笑いを誘ったが、本作では、一転、非常に不気味な演出になっている。

 それは、もしかしたら、これが世界の終焉の前日として極めてリアルな描写だからなのかもしれない。人は周囲の状況に対して、実はことごとく無関心な生き物である。例え、明日、今夜、あるいは数時間後に自身を最大級の不幸が襲うとしても、その前触れに気付くことはないのである。そういったある種の“人間の愚かさ”を描く精神は、オリジナルからきちんと受け継がれている。

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 そして、人類は“その日”を迎える。ローラースケート少女は変貌し、夫はケダモノ以上の“悪魔”となって襲ってくる。世界はすでに混乱と混沌の渦中。その中では、人は何もモンスターにのみ殺されるのではない。本作の死亡シーンの2つ目として、暴走する救急車に轢かれて絶命するという事態を描くのが大変リアル。後にパニックの中でもちゃんとヨットのキーを奪取した“鍵取り娘アナ”は、夫の豹変にも冷静に車のキーを取り、一目散に逃げ出す。静寂と喧噪の区別すらつかなくなった昨日とは違う世界の中で、車を奪われそうになったアナは操縦を誤り、世界と同じように本来の道筋を外れてしまう。車は森の中に突っ込み、大木に衝突。ここで、タイトル・バック。これは素晴らしい!

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 さらに、タイトル・バックの演出がまた思い切っており、そして、成功している。とっても愉快なカントリー・ミュージック的な音楽に乗せ、まさに地獄絵図と言うべき世界のカオスが綴られていく。ともすれば極めて“サムい”演出になってしまいそうなところを、絶妙の綱渡りで描ききったザック・スナイダーは本物であろう。また、ゾンビ映画の“肝”は、やはり“人類への皮肉”という点にあるのだが、愉快な曲と凄惨な世界のギャップが、何らかの皮肉めいた印象を与えることに成功している。

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 その後、アナは、数名の生存者に出会い、ソッコーで件のショッピングモールに到着する。この点も非常に思い切った構成であり、素晴らしいと言えるだろう。『ゾンビ』における主な舞台はショッピングモールであり、ショッピングモールは、いわば“ゾンビ”というジャンルを象徴する舞台と言ってもいい。そこまでの道筋をちんたら描いたりせず、スパッと本題に突入する思い切りのよさが気持ちいい。

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 しかし、本作には“いまいち”な部分も多い。オリジナルでは、主人公チームの“愚かしい行い”というものがあまりなかったような気がする。先述したように“ゾンビ映画”というものは“人類への皮肉”を肝とするジャンルであり、これを描くためには、人間の愚行が必須の条件となる。オリジナルでこの点を担っていたのが、後半ショッピングモールに突入してくる暴走族集団だった。主人公たちはそれなりに理性的な行動をとって生き延びている、しかし、そんな状況もバカな暴走族たちによって幕を閉じ、再び訪れた混乱の中で多くの人々が死んでいく。あぁ、人類とは、何と愚かな生き物なのだろう…。オリジナルを観て、筆者はこのような感想を持った。

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 一方で、本作では、主人公チームがバカすぎる。仲間内での喧嘩、感染の隠匿、お粗末なプラン。およそパニック映画の登場人物が繰り返してきたあらゆる“愚行”を、本作の主人公たちは犯していく。

 中でも最も酷いのが“犬好き娘ニコール・ミラー(リンディ・ブース)”である。本作にはオリジナルのような暴走族が登場しない。では、なぜ彼らは安息の地たるショッピングモールを出なければならなかったのか。根本的な理由は、また別にあるのだが、直接的な原因は、まさにこのクソ女にある。筆者は、当ブログを通じて幾度か警鐘を鳴らしてきた。動物を異常に可愛がる女性を信用するな。本作を観ても、これはもう絶対の真理であると思える。

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 ペットと言えば聞こえはいいが、それはすなわち“愛玩動物”である。趣味の一つとして、あるいは友人程度のパートナーとして飼うことは好ましいとしても、家族のように溺愛するような対象ではない。ましてや、服を着せるなどもってのほかであり、虐待に他ならない愚行である。ペットは喋らない。したがって、コミュニケーションの中で自分が傷つくこともない。コミュニケーション能力の欠如は、人間への恐怖を呼び、心に高い壁を作る。たまったフラストレーションと自己愛は、ペットというはけ口を見つけ、なだれ込む。おかしな愛情は屈折し、他者への配慮、あるいは理性の崩壊を招き、自己満足の解放は周囲の人間に危険をもたらす。なんてこったい!若き警備員テリー(ケヴィン・ゼガーズ)よ、気を付けろ!そいつが好きなのはお前じゃない!自分を好きなお前が好き、愛されている自分が好き、つまり結局自分が大好きなんだ!

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 随分極論をぶってしまったが、何が言いたいかと言うと、本作ではただ“主人公チーム”が愚かなだけという印象しか受けないということである。確かに、主人公アナなどは、他のパニック映画のヒロイン同様、正しいことしか言わないのだが、主人公が正しいのは世の常であるし、やはりアナという一個人が正しいというだけである。賢い“人間”もいるのに、愚かな“人間”のせいで結局全滅してしまう、あぁ、“人間”って本当に愚かなものですね。そんな気持ちにはなれないのである。

 それから、本作で最も物議を醸すのが、やはり“走るゾンビの是非”であろう。筆者としては、オリジナル版のようにゆっくりしか歩けないゾンビの方が好みである。しかし、まぁ、筆者はL4Dなども好きだし、走るゾンビもそれはそれで恐ろしいので、ゾンビの全力疾走に反対する訳ではない。よって、正確には“ゾンビは別に走る必要もない”というのが、筆者の立場である。

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 最後に、カメオ出演について。まず、ケン・フォリー。オリジナル『ゾンビ』において、SWAT隊員ピーター・ワシントンを演じた、ゾンビ映画界では知らぬ者のない名優である。

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 オリジナル版のケン・フォリー。やっぱり格好いい。

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 そして、本作カメオ出演のケン・フォリー。テレビで死者の復活について講釈をたれるおっさんを演じている。オリジナルでも印象的に使われ、今ではゾンビ映画界における不朽の名言として知られる、

 When there's no more room in Hell...
 The dead will walk the Earth.
 (地獄がいっぱいになると、死者が地上を歩き始める。)

を意味深に発言していた。

 そして、もう1人。トム・サヴィーニである。彼は、ロドリゲス映画でもお馴染みの名優(本来は特殊メイク担当)であるが、オリジナル版では暴走族のブレイドを演じていた。

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 これがブレイド。暴走族の中でも最も印象的なキャラクターである。

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 そして、これが本作のサヴィーニ。テレビ取材を受ける勇敢な警察官(レンジャー?)を好演している。

 ちなみに、筆者が最も好きなサヴィーニのキャラクターは、もちろんこのセックスマシーンである。

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点数:68/100点
 ゾンビ映画好きの中でも非常に高い評価を得ている本作であるが、個人的には、まぁまぁ普通の良作かな、という印象。とりあえず、最後のチェーンソーのくだりはいらなかったと思う。

(鑑賞日:2013.4.18)














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Tag:走るゾンビ グロ注意 これが女の生きる道 クソ女 リメイク映画

1 Comments

紀平 光太  

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2013/04/23 (Tue) 09:34 | EDIT | REPLY |   

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