25
2013

[No.212] デモンズ(Dèmoni) <58点>

CATEGORYゾンビ




キャッチコピー:『ゾンビを超えた魔人デモンズ登場!』

 ニンジャソード、ドイツでゾンビを斬るの巻。

三文あらすじ:女子大生のシェリル(ナターシャ・ホーヴェイ)は、ある日、地下鉄の駅で怪しげな仮面の男から“メトロポール”という聞いたことのない映画館での試写状を手渡される。友人のキャシー(パオロ・コッツォ)を誘い、さっそく映画館へ赴くシェリルだったが、映画の内容とシンクロするかのように観客が次々とデモンズ(Dèmoni)と化し、映画館は混乱に包まれる。シェリルとキャシーは、映画館で出会った青年ジョージ(ウルバノ・バルベリーニ)、ケン(カール・ジニー)と共に脱出の道を探すのだが・・・


~*~*~*~

 
 ゾンビ映画とは、血しぶき飛び散り肉片削げ落ちるグロ描写を通して、人間の愚かさだったり、世の無常だったりを描く、そういったジャンルである。それ故、グロ描写は、作品のテーマや雰囲気を壊さない程度にショッキングで、かつある意味で“繊細”でなければならない。

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 しかし、そんな中でも、グロ描写をこれでもかと繰り返し、観客をやや辟易とさせる、言ってみれば“デリカシーの無いゾンビ映画”が、イタリアン・ゾンビ。さらに、その中でも、イタリアが生んだ変態悪趣味ゾンビ監督ダリオ・アルジェントは、格別だ。繰り返ししつこく畳みかけるグロ描写のオンパレードは、作品の趣を台無しにするに留まらず、もはや明確なストーリーラインさえ消滅させるほど。

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 本作は、そんなダリオ・アルジェントが制作総指揮を務める、映画館を舞台にしたゾンビ・スプラッターである。そういう訳で、まぁやっぱりキモチワルイ…。喉が掻き切られ、頭皮がむしり取られ、目玉が貫かれ、etc,etc…。狭い映画館内を存分に使って、もうやめてくれ!と言いたくなるほどのスプラッターシーンが繰り広げられる。

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 そして、悪趣味!特に、盲目の老人の隣でその妻(恋人?)が違う男とベロチューしているというシチュエーション、そして、挙げ句の果てにちょっと後ろの方でコトに及んでしまうという展開は、最低。まぁ、この手の映画のお約束として、そんな破廉恥な2人は、早々にゾンビ改めデモンズの餌食になってしまうのだが、それでもなお妻の死を真摯に悲しむ盲目の夫が健気で痛ましい。また、そんな彼が、あろうことかデモンズに両目を貫かれてしまうというのも、いささか悪趣味なブラックユーモアである。

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 さて、イタリアが生んだ変態ゾンビ映画『サンゲリア』では、様々な突っ込み所が興味深かった。数え切れない撮影ミスや数多の使い回しシーン、そして、有名なラストのゲリラ撮影シーンなど、B級スプラッターならではの“おもしろシーン”が随所にあったのである。

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 そして、そのような“バカ映画魂”は、同じイタリアン・ゾンビ作品たる本作においても健在である。まぁ、さすがに『サンゲリア』ほど露骨なミスや使い回しは無いにしても、なんだか間の抜けたような、すっとぼけたような、テンポの悪いような、そんな演出がそこかしこに散見される。

 中でも最高に観客をポカーンとさせるのが、終盤に訪れる突然のヘリコプター落下というシーンであろう。何の前フリも、脈絡も、必然性も、論理性もなく、意味深な演出で引っ張った後に、映画館の天井を突き破って、ラブストーリーよりも突然にヘリコプターが落下してくる。

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 これは本当に突然の出来事で、大多数の観客が一瞬自身の見落としを疑い、それまでのシーンを回想することだろう。しかし、あなたは全く悪くない。アルジェント曰く、このシーンは、

 「操縦士も既にデモンズ化しており外の世界にもパニックが広がっていることを示したかった」

というなんとも無理矢理な意図の下、挿入されている。愛すべきバカ映画魂である。

 バカ映画を語る上でいつのまにか必須のマスト・アイテムになってしまったのが、日本が世界に誇る近接戦闘用武器“日本刀(ニンジャソード)”である。筆者が敬愛するタランティーノ作品で多く用いられ、その中で日本刀は、世界を舞台に目覚ましい活躍を見せてきた。そんな愛すべき刃物は、何故か本作でも大活躍。クライマックス、映画館のロビーに陳列されていたオブジェから日本刀を手に取ったジョージは、愛しのシェリルを救うべく、八面六臂の活躍を見せる。

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 これは、バカバカしくも中々格好いいと言わざるを得ない展開。オフロードバイクにまたがり、日本刀で次々にデモンズを捌いていくジョージは、さながら戦国武将のような漢気すら漂わせている。

 ただ、このヒロイックなシーンも非常にバカ。勢いそのままにシェリルを連れて映画館を脱出すれば、格好いいクライマックスになっていたのだろうが、いぶし銀ジョージは、何故かバイクで映画館内をぐるぐる回り、ただただデモンズを切っていくだけ。せっかくのオフロードバイクもその真価をあまり発揮することは無かった。やはり、愛すべきバカ映画魂である。

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 その他にも、本作には突っ込み所が多いのだが、とりわけ、

 ・キャシーの背中から出てきた大ボスらしきデモンズはどこに行ったのか?
 ・ラスト、何故シェリルがデモンズ化したのか?デモンズ化するなら、右腕に傷を負ったジョージではないのか?

という2点が未だに分からない。解明できた方がいれば、ご意見を頂けると幸いである。

点数:58/100点
 本当にキモチワルイのだが、突っ込み所が多すぎてなんだか“可愛らしい”とさえ思ってしまう珍作。バカ監督アルジェントのブレないスタイルは、本当に素晴らしい。

 さて、明日はいよいよ我らが鋼鉄のヒーロー“アイアンマン”、その最後の雄姿をしかとその目に焼き付ける日である。個人的には、昨今の“悩めるヒーローブーム”の中、全くブレないナルシストなトニー・スタークに魅力を感じていただけに、「アイアンマンの苦悩」を全面に押し出した宣伝展開には一抹ならぬ不安を抱いている。

(鑑賞日[初]:2013.4.25)






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Tag:歩くゾンビ グロ注意 バカ映画 日本刀最強説 悪趣味映画

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