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02
2013

[No.213] アイアンマン3(Ironman 3) <74点>

CATEGORYアメコミ




キャッチコピー:『さらば、アイアンマン』

 鋼鉄のヒーロー、錆びる。

三文あらすじ:アベンジャーズの戦いから1年、不眠症に悩まされ、不安から逃れるために新スーツの開発に没頭する“アイアンマン(Ironman)”ことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、恋人にして巨大企業スターク・インダストリーズの現CEOペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロー)ともすれ違いの日々を過ごしていた。ペッパーの元同僚であり、十数年前のスイスでトニーに面会を求めたA.I.Mという組織の科学者アルドリッチ・キリアン(ガイ・ピアース)の登場でトニーとペッパーがますます険悪になる中、謎の男マンダリン(ベン・キングズレー)を“師”とするテロリスト集団の爆破テロが発生、トニーの親友にしてペッパーの護衛係ハッピー・ホーガン(ジョン・ファヴロー)が巻き込まれ、意識不明の重体に陥る。テレビ取材に対してマンダリンを挑発したことから彼の部下に自宅を襲撃され、全てを失った鋼鉄のヒーロー“アイアンマン”は、再び“ヒーロー”としての自分を取り戻し、愛する者を守ることが出来るのか・・・


~*~*~*~

 
 我思うに、鋼鉄のヒーロー“アイアンマン”の魅力は、大きく2点あった。

 まず、そのビジュアル的格好良さ。『トランスフォーマー』で一躍脚光を浴びた“ガチャガチャ・ギミック”を使用したメカニカルな稼働システム、全身のメタリックな質感、そして重厚感。まさに“鉄(くろがね)のボディ”と呼ぶに相応しい格好良さが、そこにはあった。

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 もう1つ、最も重要だったのが、トニー・スターク自身の格好良さ。巨大兵器会社CEOにして天才的科学者、かつ希代のプレイボーイ。溢れんばかりのウィットといぶし銀なルックス。普段はチャラチャラしていてふざけたことばかり言っていてもやるときは格好良くきめるというそのスタイルは、007やルパン三世など、まさに“男が憧れるヒーロー”の姿であった。そんなトニーの格好良さこそが、アイアンマンの“鋼(はがね)の魂”である。

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 本作は、そんな鋼鉄のヒーロー“アイアンマン”の“最期”を描くシリーズ最終作。前作では肉体的に苦境に立たされたアイアンマンは、本作ではPTSD(心的外傷後ストレス障害)にかかっており、その点をどのように克服するのか、そして、スーツを奪われた彼が、どのように自身のアイデンティティを取り戻し、最強の敵マンダリンと対峙するのか、といったところが争点になってくる。

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 昨今のヒーローブームの中、このようなテーマは非常に“ベタ”だ。『ダークナイト』を皮切りに、『ウォッチメン』、リブート版『スパイダーマン』『マン・オブ・スティール』などなど、ダークな雰囲気で“ヒーローの苦悩と再生”を描く作品が溢れかえっている。

 当然、鋼鉄のヒーローもこの流れには抗えない。前作では、アーク・リアクターの毒素によって肉体的に苦しみ、父との確執という自身の根本的な部分と向き合うことで復活を遂げたアイアンマン。今回は、アベンジャーズ戦の後遺症PTSDと戦いつつ、さらにスーツまで失ってしまうことで、完膚無きまでにそのアイデンティティを喪失してしまう。

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 先述したが、アイアンマンの魅力は、トニー・スターク自身の“スーパーヒーロー的キャラクター”に負うところが大きかっただけに、彼を安易に苦悩させるという構成はいただけない。が、その分、彼の復活をヒロイックに描いてくれるのであれば、まだいささか溜飲を下げる余地もあろうというものだ。前作では、その点においてまずまずの出来であった。

 しかし、本作はダメだ。我々が、少なくとも筆者が愛した“アイアンマン”は、こーゆーのじゃない。

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 まず、彼は、ラストでアイアンマン・スーツを全て破棄してしまう。トニーの人生を賭けた趣味であり、前作では「スーツと私は一心同体。私自身がアイアンマンだ。」とまで語っていたスーツを、全て自ら爆破してしまうのである。彼は、彼の魅力であった“鉄(くろがね)のボディ”を失ってしまうわけである。

 では、それは何故なのか。ここが一番の問題であり、その答えは「トニーが“鋼(はがね)の魂”を失ったから」に他ならない。

 シリーズを通して、トニーは最愛の人を見つけた。というか、いつも側にいた秘書ペパー・ポッツが、自身の最愛の人だと気付いたのである。そこからの彼は、真面目一筋。かつては、プレイボーイ誌の表紙を飾った女性1年分(正確には11ヶ月分)、すなわち12人ものトップ美女(内、2人は双子)を抱いたと噂された程の男が、今では彼女のために特大サイズのトナカイの人形をクリスマスプレゼントとして贈る。

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 まぁ、それはいいだろう。数々の浮き名を流すことは、洋の東西、時代の今昔を問わずいい男の条件であるが、別にそれだけに固執することでもない。未だ彼の飄々(ひょうひょう)としてウィットに富んだ魅力は健在である。

 しかしながら、趣味であるアイアンマン・スーツをペッパーのために全て破壊してしまう、というのは、とても悲しい。愛する人のために自身のアイデンティティを捨ててしまう、それは、我々が憧れる“格好いい漢”の姿ではない。

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 確かに、愛する者を守るためには何らかの犠牲がつきものだし、全てを捨ててでも自分のために尽くしてくれる男というのは、女性側からしたらこの上ない喜びであろう。しかし、我々が愛した“アイアンマン”=“トニー・スターク”は、数々のヒーローがウジウジと悩む中、自分のスタイルを崩さない“漢のヒーロー”であった。彼は、もはやその心意気において、我々の“ヒーロー”ではない。

 さらに、トニー・スタークが“ヒーロー”でなくなってしまったことは、クライマックスの展開からも窺い知ることができる。

 終盤、高所から火の海に落下してしまうペッパー。「絶対に手を掴むからジャンプしろ!」との約束を破ってしまったトニーが、まずダメダメ。有言実行できないヒーローなどヒーローではない。結局、ペッパーは、大方の予想通り“再生マン”として不死身の肉体と超人的なパワーを得ていたので助かった訳だが、その後、最終的にラスボスにトドメを刺してしまうのである。

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 これは本作において最もガッカリだったポイントだ。こっちはただでさえ観たくないアイアンマンの苦悩を2時間も延々観せられたというのに、最後の最後で最高のカタルシスを得られないとは何事か!

 “アイアンマン”は“ヒーロー”である。しかも、誰が何と言おうと“漢のヒーロー”である。そして、“漢”とは、“女を守る者”に他ならない。これは差別ではない。筆者はジェンダーの話をしているのではなく“漢気”の話をしている。漢が女を守る時代は終わったのか?そんなことはない。愛する女をここ一番で守るというのが“漢”の心意気であり、“漢”を信じ、最後には見せ場を譲るのがいい“女”の心意気である。

 確かに、ペッパー・ポッツという女性は、アイアンマンの伴侶に相応しい“強い女性”として描かれてきた。本作で“再生マン”となった彼女の様など、もはや“暴君”の域である。

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 女性でありながら、というと時代錯誤を疑われそうだが、彼女は巨大企業スターク・インダストリーズの女社長となり、その細腕で会社を切り盛りしてきた。そういった点で、彼女は“女のヒーロー”と言ってもいいだろう。しかし、“漢のヒーロー”を描く本作において、最後の最後にヒーローのお株を奪ってしまうというのは、決して許されることではない。そんなのは、ヒーローものにおける“正しいヒロイン”のあり方ではないはずだ。

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 ただただ男に守られるだけのヒロインは、もはや古くさいのかもしれない。しかし、本当は、それは古いとか新しいとかいう問題ではなくて、先述の通り“心意気”の問題である。いつの時代も変わらず持ち続けなければならない“覚悟”の問題である。鉄のボディを捨てて女のご機嫌をとり、漢の心意気や覚悟、すなわち鋼の魂まで捨てて女に華を持たせるアイアンマンは、もはや我々の愛したトニー・スタークではない。こんなにも女に媚びまくっている彼を、筆者は敢えてこう呼ぼうと思う。

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“コビー・スターク”


 まぁ、こんな親父ギャグを言っているようでは、やはり筆者の時代錯誤は相当なものなのかもしれないな。

 さて、ここからは、本作の良かった点を述べたいと思う。それは、格好いい演出がいくつかある、ということ。

 まず、満を持して登場した遠隔操作式鋼鉄外骨格“アイアンマン Mark.42”の初登場シーンが非常に格好いい。賢明なアイアンマン鑑賞者の皆さんは、これを聞いて「マ・・・マーク42!?」と面食らうだろう。我々が知っている最新のアイアンマンは『アベンジャーズ』で登場したMark.7であった。

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 これが、アイアンマンMark.7。本作の公開を前にテンションの上がった筆者が思わず買ってしまった、リボルテックのそれである。やっぱりアイアンマンは格好いい。とにかく、突然登場した“Mark.42”との型式番号に筆者を含めた初見の観客は戸惑う訳だが、後述のように、これはしっかりとした伏線である。この辺りは中々上手い。

 最新型Mark.42の“ウリ”は、何と言っても“遠隔操作式”という点である。小さなパーツを体の各所に埋め込んだトニーの思念によって、バラバラになったスーツが飛来し、装着されるという仕組み。アイアンマンの格好良さはその脱着のビジュアル的メカニカル感にもあったので、数ヶ月前にこのニュースが発表されたときは少々肝を冷やしたものだが、いざ映像化されてみるとこれが中々格好いい。特に、初装着時は必見。

 持ち前のぶっつけ本番精神で実験に挑むトニーは、相棒のA.I.“ジャービス”(声:ポール・ベタニー)の制止を「J.A.R.V.I.S., Drop My Needle.」との最高の台詞で遮る。落とされた針はレコードからご機嫌なクリスマス・ソングを紡ぎ、開始される装着実験。この実験はMark.2の飛行実験のようなハチャメチャ実験であり、未だ上手くコントロール出来ないパーツたちは高速でトニーに向かってくる。なんとかかんとか徐々にパーツたちを体に収めていき、空中で上下逆さまになった状態でラストのマスク部分を装着したトニー。翻って・・・

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 アイアンマン・ポーズ!これはクール!!

 この後も、最新式スーツMark.42は、ペッパーに取り付いて爆風から守ったり、ラスボスに取り付き自爆したりと、その特性である遠隔操作性を遺憾なく発揮する。筆者にとっては意外な好評ポイントであった。

 本作の格好いい演出としてもう1点特筆すべきは、やはりクライマックス・バトルであろう。ヒロインがヒーローのお株を奪ってしまった、という先述の点においてはダメダメだったわけだが、個々の演出としては、見るべきところが多い。

 港に停泊した巨大貨物船上という『リーサル・ウェポン2』さながら、最後の死闘。身体の欠損を再生する能力を持ち、おまけに超高温を発することが出来る敵の軍団に劣勢のトニーとジェームズ・ローズ大佐(ドン・チードル)。「大量の援軍が来る。」というトニーの言葉に半信半疑のローディは、クリスマスの夜空にひときわ明るく瞬く光点を確認する。それが2つになり4つになり、おびただしい数のアイアンマンたちが飛来するのである。

 これが“Mark.42”という型式番号、そして、序盤でハッピーが言っていた「トニーの地下室にロボットがたくさん余っている」という台詞を伏線とする本作のクライマックスだ。

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 貨物船を取り巻いてこのように整列したアイアンマン軍団に、トニーが言い放つ。

 「何を遠慮している?クリスマスなんだ。派手にぶちかませ!」

 台詞はかなりうろ覚えだが、このシーンも極めて格好いい。いつかアイアンマン42体のフィギュアをフルコンプリートしたいものである。

 ※再鑑賞時追記:「クリスマスなんだ。派手にぶちかませ!」の部分だが、正確には、次のように言っている。

 It's Christmas. Take 'em to Church.

 “悪いやつらを更生させる”的なニュアンスなのだろうか。いずれにせよ、トニーらしさが出た粋なセリフ回しである。

 というように、本作には、男心くすぐる格好いい演出もいくつか見受けられる。しかし、映画において重要なオープニング、そしてラストは、やはり陳腐で凡庸だ。トニーがふり返って一人語るというグレンラガン的趣向はまぁいいとしても、特にラストにおいて、1作目で沸き立ったようなドリ肌を感じることは出来なかった。

点数:74/100点
 興奮のあまりまたしてもとりとめのない文章を書き殴ってしまったが、結局は“ちゃんとヒーローものとしてのツボを押さえて欲しかった”ということである。筆者はアイアンマンが大スキだが、1作目が映画作品として完成度の高いものだったとは、正直思っていない。1作目が筆者の琴線を直撃した理由は、アイアンマンの格好良さ、トニー・スタークの“漢”としての格好良さ、そして、終幕時を始めとする鳥肌ものの演出という点で、我々ヒーロー好きの“ツボ”を適格に押さえていたからである。“ヒーロー”は、やはりどこまでいっても“男の子”のものだ。もちろん、この場合の“男の子”とは、性別ではなく“心意気”。シリーズ3作目の性として質の低下は否めないとしても、せめてその点だけはしっかり押さえておいて欲しかった。本作は、最後に“Tony Stark will return.”とのメッセージで締めくくられるが、我々がトニーに会うことはもう終ぞないであろう。例え彼がもう一度“鉄のボディ”を手にしたとしても、もはや“鋼の魂”は錆び付いてしまったのだから。さようなら、そして、ありがとう、アイアンマン。

 ちなみに、本作を鑑賞した人には先着でA5版のクリアファイルがプレゼントされる。公開日に鑑賞してきた筆者も当然いただいた。

 一面にはこのポスターがプリントされ、

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 他面にはこのポスターがプリントされている。

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 まぁ、A5版なんてどのタイミングで使うのか分からないが、アイアンマン最後の記念として、その雄姿を、これまでの思い出を挟み込んでおくとしよう。

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こんなん買っちゃいました <第3幕>(アイアンマン Mark.42)

(鑑賞日[初]:2013.4.26)
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Tag:劇場鑑賞作品 アイ・ラブ・ニューヨーク 後天的ヒーロー

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