06
2013

[No.214] ガメラ 大怪獣空中決戦 <85点>





キャッチコピー:『超音速の大決闘。』

 海に、陸に、空に、そして、僕たちの心の中に。

三文あらすじ:太平洋上で海上保安庁の巡視船が巨大な環礁を確認、後日調査に乗り出した海上保安庁の一等航海士、米森良成(伊原剛志)と保険会社社員、草薙直哉(小野寺昭)は、環礁上で多数の勾玉と古代アトランティスの碑文を発見し、環礁が巨大生物であることを知る。時を同じくして、五島列島の姫神島で一夜にして島民が姿を消す事件が発生、現地に赴いた福岡県動植物園の鳥類学者、長峰真弓(中山忍)は、碑文において“災いの影”と呼ばれる怪鳥「ギャオス」を目撃する。福岡での捕獲作戦をかいくぐり首都東京を目指すギャオスを前に、人類の、そして地球の命運は、勾玉によって草薙浅黄(藤谷文子)という女子高生と心を通わせることになった古代アトランティス“最後の希望”「ガメラ」に託された・・・


~*~*~*~

 
 世間ではゴールデンウィークも終わり、大人達はまた会社へ、子供達はまた学校へと通う日々が始まる。子供達の“ヒーロー”は、今も昔も変わらない。“仮面ライダー”、“ゴレンジャー”、“ウルトラマン”、そして“巨大怪獣”である。

 “怪獣”というのは、ゲイシャ、フジヤマとならぶ日本の誇りであり、その代表格はやはり“キング・オブ・モンスター”「ゴジラ」であろう。海を渡ってリメイクされた最強の怪獣は世界中の反感を買ったただのイグアナだった訳だが、コンテンツ本来の熱烈な人気に後押しされてもうすぐ再びのリメイク作が公開されようとしている。筆者も子供の頃は『ゴジラvsビオランテ』で興奮し、『ゴジラvsデストロイア』で涙したものだし、リメイク作の監督が『モンスターズ/地球外生命体』のギャレス・エドワーズということで、ゴジラのリブートにはかなり注目している次第である。

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 しかし、筆者は、やはり“ガメラ派”の人間である。その理由は、まず第一にガメラの圧倒的にクールなビジュアル。ただの亀なのに、いや、亀だからこそ、ガメラは最高に格好いい。

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 最初期のガメラ。亀なんだけど、格好いい。

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 そして、本作のガメラ。随分可愛らしくなってはいるが、やはりすごく惹かれる。正直その理由を合理的に説明することは出来ないが、筆者が思う女性の理想型はキャメロン・ディアスであり、つまり大きい目と大きい口の女性が好きなのである。ゴジラよりもガメラのビジュアルに惹かれる理由は、そんなところにあるのかもしれない。まぁ、それはどうでもいい話だが。

 さらに、もう一つ、ガメラが素晴らしい理由は、まさにこの所謂“平成三部作”の高い完成度にある。
 
 その中でも、特に本作は、オープニングシークエンスが最高。その完成度は、本シリーズに留まらず、全てのモンスターパニック作品中1位と言っても決して過言では無い。

 プルトニウム輸送船「海竜丸」を護衛し太平洋を航行中の巡視船「のじま」。日本まであと少しというところまで来たとき、「海竜丸」が“座礁”する。しかし、現場は水深3,000m以上もある洋上。座礁などあり得ないのである。狼狽える各船の乗組員を尻目に、事態は突然終息する。“環礁”が自ら移動したのである。水中レーダーには刻々と移動する巨大な“何か”の影が。

 「こんな環礁があってたまるか…。」

という船長の一言があり、水中を行く巨大な塊が画面を覆う。そして、すかさずタイトルバック!

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 これだね。これぞモンスターパニック作品のオープニングとしてまさにお手本中のお手本、一切の無駄を省いた究極のアヴァンタイトルである。

 音楽がまた素晴らしい。ゴジラがキング・オブ・モンスターにのし上がった原因の一つには、そのメイン・タイトルのキャッチーさがあったと思われるが、本シリーズのメイン・タイトルもゴジラのそれに勝るとも劣らない本当に素晴らしいものである。



 その後の展開も本当に完結で素晴らしい。本作には、総じて無駄がないのである。 姫神島での島民の消失、発見される“ギャオス”、平行して明らかになる古代アトランティスの生物兵器“ガメラ”、福岡ドームでの捕獲作戦、ガメラ、ギャオス、自衛隊の小競り合い、ガメラの不在、自衛隊では歯が立たないギャオスの圧倒的強さ、少女とガメラの交流、そして、首都東京での最終決戦。余計な要素を入れず、怪獣映画に必要なものだけを全くよどみなく紡いでいく構成。素晴らしい。これぞ“ザ・怪獣映画”である。

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 また、本作には“おもしろポイント”も多い。特に目に付くのは、役者達の三文芝居。本作に出演する俳優達は、みんな本当に演技が下手だ。まぁ、台詞回しや撮り方が若干昭和っぽすぎるということもあるのだろうが。

 中でも注目なのは、ガメラと心を通わせる少女、草薙浅黄を演じる藤谷文子である。

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 ものすごく日本人離れした美人である。それもそのはず、なんと彼女は、あの沈黙の最強コック、スティーブン・セガールの娘なのだ。ちなみに兄の名前は、剣太郎・セガール。極めておもしろい名前だ。

 それから、怪獣映画ではお約束ながら、ガメラは、ギャオスを倒すため辺り構わず暴れ回り、これでもかというほど街を破壊してしまう。これは、ウルトラマンにおいてもある種の伝統的な“突っ込みどころ”とされてきたベタな展開である。本作においても、我々は、ギャオスの脅威から人々を救おうとして(実はそうでもないことが追々判明するのだが。)逆に大破壊を演じてしまうガメラに「本末転倒やろ!」という突っ込みを浴びせることが出来る訳であるが、この点を逆手に取り、最終作で鋭く切り込んだ辺りが、また本シリーズの素晴らしい点でもある。

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 ちなみに、ガメラ平成三部作の世界では、亀という生物が恐竜と共に絶滅してしまっているということをみなさんはご存じだろうか。したがって、本シリーズにおいてガメラを見た者は、誰もそれを「亀だ!」とは言わず、それどころか、シリーズを通して1度たりとも“亀”という言葉は使用されない。ということは、本シリーズの世界に暮らす日本人たちは、「うさぎと亀」のお話を知らないということになるし、ガメラ登場後も“亀はのろまな生き物だ”という認識を持つことはないであろう。一方で、ガメラ登場後、男性はその男性自身を、特にその頭頂部を“ガメラ”と呼び習わすことになるであろうことは、想像に難くない。まぁ、これもどうでもいい話だが。

点数:85/100点
 可もなく不可もなく、ど真ん中、天元を突破する王道怪獣映画。それだけに、ガメラという怪獣の魅力、そして、個性的な役者たちの“迷演技”を思う存分堪能できる希代の傑作である。

(鑑賞日:2013.5.3)










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