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2013

[No.219] ゴジラ vs スペースゴジラ <62点>





キャッチコピー:『破壊神降臨』

 生き残る“哀戦士”たち。

三文あらすじ:1995年、三枝未希(小高恵美)の超能力によってゴジラを操るという“T-プロジェクト”のため、Gフォース少尉、新城功二(橋爪淳)は、ゴジラの住み処であるバース島に赴き、そこで、ゴジラ退治に執念を燃やす男、Gフォース少佐、結城晃(柄本明)に出会う。時を同じくして、宇宙からゴジラ型の怪獣がバース島に飛来しゴジラを圧倒、リトルゴジラを結晶体に幽閉した後、日本へと飛び去る。未希や権藤千夏(吉川十和子)が心配する中、新城と結城は同時進行していた“M-プロジェクト”によって作り出された新兵器“MOGERA”に搭乗し、宇宙怪獣“スペースゴジラ”を追って日本に上陸した怪獣王“ゴジラ”と共に、地球の命運を賭けた戦いに挑む・・・


~*~*~*~

 
 怪獣王“ゴジラ”の最終作から遡って、今回は、シリーズ通算21作目にあたる『vs スペースゴジラ』を鑑賞した。

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 本作は、前作で一応シリーズの終了が考えられていた矢先、アメリカ版ゴジラの制作遅滞を受けて急遽制作された突貫作品。したがって、突貫ならではの荒々しい部分が随所に垣間見えるのだが、最も「?」なのは、スペースゴジラの進行経路である。日本に上陸し、北から南下していくスペースゴジラ。Gフォース隊員が「山形を越えたので、首都圏への上陸は免れないと思われます!」と伝令を入れる。しかし、次の瞬間、スペースゴジラはなんと九州に上陸

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 ・・・?

 いくら宇宙レベルの移動速度を持っているからといって、そんなに早く九州まで行けるとは思えないし、何より首都圏の怪獣人気を過大評価していたGフォースの傲慢ぶりが笑える。まぁ、種明かしすると、実際に撮影されていた東京上陸のシーンが、尺の関係上カットされたというだけの話。映画には良くあることである。

 本作は、その他のゴジラシリーズと同じく、圧倒的な特撮シーンが素晴らしいのだが、特に個性的なのは、登場人物の恋物語にスポットを当てている点だろう。

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 超能力者、三枝未希は、幼くしてその才能を開花させ、平成シリーズ第2作『vs ビオランテ』から一貫してゴジラと心を通わせてきた人物。彼女の人生は、そのほとんどが“ゴジラ”だったと言っていい。そんな彼女と出会うのは、人生のほとんどを“ゴジラ退治”に捧げるGフォースの新城功二。2人の人生は、共に“ゴジラ”を軸にしているが、未希が“理解”をモットーにしている反面、新城は“敵対”を旨としており、当然両者は始め衝突する。しかし、未希は、新城の純粋さに次第に惹かれ、彼女にとってのおそらく“初恋”に身を投じていくのである。

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 一方、そのようなピュアな恋ではなく、熟練した“大人の恋”を担当するのが、結城晃と権藤千夏のペア。親友の権藤を『vs ビオランテ』時のゴジラに殺され、新城以上にゴジラ退治に執念を燃やす結城。権藤の妹であり、結城を慕う千夏。千夏は、なんとかして結城を“ゴジラの呪縛”から解き放ってやりたいと願っている、そんな健気な女性である。

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 さて、そんな2人の男は、2人の女性の心配をよそに対ゴジラ最新兵器“MOGERA”に搭乗し、最終決戦に挑んでいく。女を残し去る男。男を心配しながらも待つ女。ロマンティックではロマンは止められない。

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 去り際の結城が非常にいぶし銀。結城への思いのたけを伝える千夏に、ダンディ・ゴジラフリークがお気に入りのジッポを手渡す。

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「オイルが切れた。預かっといてくれ。」


 男性諸君はお分かりだろう。これはまさに、

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「空でなくしたら大変だ。預かっといてくれよ。」


である。やっぱ格好いい!新城の制止を聞かずMOGERAをセパレーション・モードに変形させた結城に、おもわず「結城さんかい?早い、早いよ!」と言ってしまいそうになる。

 ここまできたら、当然結末もスレッガーさんを追うのがダンディズムというものだと思うのだが、なんと結城さんは、普通に生き残ってしまうのである。まぁ、基本的に子供向けの怪獣映画だから、ストレートな意味でのハッピーエンドには大賛成だが、ロマンを追いかけ続けた男の最期はやはり“死”で締めくくった方が、よりダンディだったとは思う。

 ちなみに、もう一組のカップル、新城・未希ペアは、本作ラストで結ばれるものの、その後の作品で彼らの恋愛が語られることはない。Wikipediaによると、両者を演じた小高恵美、橋爪淳は、このことについて、

 『デストロイア』での芽留の台詞への反応から、恐らく淡い恋で終わってしまったのだろう。」
 
 「やはり新城はゴジラにかなわないので別れたのだと思う。」

と述べているらしい。

 なんじゃそりゃ!せっかくのハッピーエンドを続編でぶち壊すことの罪は『エイリアン3』において顕著であり、いくら“初恋”だからといって2人を簡単に別れさせてしまうことには大反対だ。宇宙を救うのはいつだって“恋と気合い”なのだから、こんなことでは、まだまだ当分地球は怪獣の危機に晒され続けることだろう。

点数:62/100点
 冒頭で本作は“突貫作品”であると書いたが、その割には非常に良くまとまった“男と女の物語”。ヴィランであるスペースゴジラも突貫の割には十二分に格好いい。ただ、対ゴジラ最新兵器として鳴り物入りで登場する“MOGERA”は、今見るとめちゃくちゃにダサい。

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(鑑賞日:2013.5.9)














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