[No.220] マチェーテ(Machete) <86点>

machete_ver12.jpg

<『グラインドハウス』版“ウソ予告”>


<本予告>


キャッチコピー:『ヤツが飛ぶとき、首も飛ぶ』

 泣く子も黙る“ガチンコヒーロー”推参!

三文あらすじ:メキシコ連邦捜査官“マチェーテ(Machete)”(ダニー・トレホ)は、愛用の山刀(マチェーテ)で悪人を狩る、正義感に溢れた凄腕の男。しかし、あるとき麻薬王トーレス(スティーブン・セガール)の罠にかかり、最愛の妻と娘を殺されてしまう。3年後のアメリカ、テキサス州、不法移民の日雇い労働者として暮らす彼は、ある日、マイケル・ブース(ジェフ・フェイヒー)という男から、上院議員マクラフリン(ロバート・デ・ニーロ)の暗殺を依頼されるのだが・・・


~*~*~*~


 2007年に公開され、当ブログでもその片割れ『デス・プルーフ』を既に紹介した『グラインドハウス』。そこで流された“ウソ予告”に観客は熱狂した。当時のグラインドハウスに似せて半ばお遊びとして制作されたその予告編には、バカバカしさ、ヒロイズム、哀愁、そしてエロとロマンという、およそ男が求めるあらゆる要素が詰まっていたからである。時は流れて2010年、『グラインドハウス』内のウソ予告から実際の企画として映画化されたのが、本作『マチェーテ』である。

m1.jpg


 監督は、『グラインドハウス』のもう一方を監督したロバート・ロドリゲス。筆者が敬愛するタランティーノと盟友の関係を公言する仲であり、その作品テイストは、タランティーノ好きを常に満足させ、唸らせるものである。彼がタランティーノと一線を画している部分は、『エル・マリアッチ』シリーズや『フロム・ダスク・ティル・ドーン』のようなバカバカしくも格好いい、いわゆる“B級映画”も撮れば、『パラサイト』や『スパイ・キッズ』といった俗にいう“A級映画”まで幅広く手がける、というところだろう。

 そんなタランティーノ及びロドリゲスファンにとって、本作は、全く以て申し分ない大満足の痛快グロテスクヒーローアクションに仕上がっている。

m5.jpg


 まず、舞台は当然メキシコ及びテキサス。『エル・マリアッチ』シリーズしかり、『フロム・ダスク~』しかり、ロドリゲスの作品は、メキシコやテキサスという土地を舞台にしてこそ、その真価を発揮する。

m3.jpg


 そして、ベタなプロット及び秀逸な脚本。正義感溢れる敏腕捜査官が極悪非道な麻薬王に妻子を殺され、なんやかんやと美女を侍らせながらも七転八倒の大活躍の末、巨悪を壊滅する、というプロットは非常にベタで好感度大。それでいて、ウィットに富んだ会話や鳥肌を禁じ得ないキメ台詞など、その脚本は非常に秀逸な出来映えである。

 さらに、何と言ってもうれしいのは、豪華なキャスティングである。まずはもちろん、本作の“主役”、なんと“主役”、彼が…“主役”!?

m4.jpg


 名脇役ダニー・トレホである。十代の頃からガチの犯罪に手を染め、さらにガチで麻薬を服用し、ガチで服役していたという筋金入りのワル。もはや役作りは万全、という訳で、役者になってからは本当に数多くの映画で脇役の“悪人”を演じてきた。ときに悪人でなくともやはり“コワモテ”で“キワモノ”なキャラが多かったトレホ。そんな彼の初主演作となるのが、本作である。

m2.jpg


 彼が演じるマチェーテは、正義の元連邦捜査官でありながら、愛用の武器は山刀。いわば鉈(なた)のような切れ味鋭い刃物である。そんな鋭利な近接戦闘武器をひっさげたマチェーテは、悪人の肉を切り、心臓を突き刺し、バッタバッタと倒していく。これが痛快で格好いい!武器と戦い方、そしてトレホの顔面だけ見るなら、どう見ても悪役の所業であるが、ちょっと他のキャストではお目にかかれない非常に痛快なキャラクターに仕上がっている。ちなみに、ダニー・トレホは、監督ロバート・ロドリゲスと従兄弟の関係にあり、彼の作品の常連となっている。

 マチェーテは、移民問題渦巻くテキサスでひょんなことから事件に巻き込まれ、様々な人物の協力を受けて最終的には宿敵トーレスと対峙する訳だが、その過程で色んな美女と関係を持つ。無骨なルックスと無骨な武器であるが、マチェーテというキャラクターの核の部分はジェームズ・ボンドと共通していると言っていいだろう。

 そんなマチェーテを取り巻く美女の中でも、最も強く格好いいのがこの人。

m7_201603160215427ee.jpg


 不法移民支援ネットワークリーダー、昼はタコスを売り、夜は巨悪を討つ、女革命戦士“SHE”ことルースである。演じるのは、戦う名女優ミシェル・ロドリゲス。今やハリウッドの女軍人役を一手に引き受けていると言っても過言ではない、戦う女の代名詞。

 そんな彼女が演じるルースは、目映い美貌の内に鉄の強さを併せ持つ女性なのであるが、彼女が一旦死んだと思われ、しかし、眼帯姿で復活するシーンの格好良さは筆舌に尽くし難い。『プラネット・テラー』におけるチェリー・ダーリンしかり、ヒーローあるいはヒロインの復活、そして、欠損した身体を補うギミックには、何か男心をくすぐるものがある。

m6.jpg


 ちなみに、彼女もまた、飲酒運転と保護観察違反で刑務所入りした経験の持ち主であり、シーシェパードに所属して日夜実生活でも戦い続ける、そんなガチで不良ガチでめんどくさい、という人物である。

 それから、マチェーテを取り巻く美女の内、政府側の人間、I.C.E.捜査官サンタナ

m8.jpg


 演じるのはジェシカ・アルバ。テレビドラマ『ダーク・エンジェル』で世界的にブレイク。日本でも当時はかなり流行っていた。その後、『ファンタスティック・フォー』では透明になるセクシーな能力者を、ロドリゲス監督作『シン・シティ』では過去のあるセクシーなダンサーを見事に演じきり、今や“セックス・シンボル”としてもその地位を不動にする人物である。本作でももちろんあります、セクシーシーン。

m9.jpg


 まぁ、これはどうやら下着着用の上で撮影した映像を後に加工しているようで、彼女のこのシーンに関しては、あまり“ガチ”とは言い難い。

 その一方、ガチでおっぱいを丸出しにしているのが、リンジー・ローハン

m10.jpg


 このシーンはたまたま髪で隠れているが、全編ほとんど全裸で活動してたんじゃないか?というくらい、彼女はその肢体を惜しげもなく披露している。しかし、何もこれは単なるエロサービスのみに留まるものではなく、大団円で彼女が修道女の衣装を身につけることへの素晴らしい前フリである。

m11.jpg


 それまでの極めてふしだらな彼女から一転、神の衣装を身に纏い、復讐の弾丸を敵に撃ち込む。そのコンセプトが素晴らしいし、何より修道女と拳銃というビジュアル的なアンバランスさが最高にクールだ。

 それから、忘れてはならない“沈黙のチンピラ”スティーブン・セガール

m12.jpg


 彼が演じるのは、マチェーテの宿敵、麻薬王トーレス。日本刀でのラストバトルからも分かる通り、日本大スキなセガールにとってはハマリ役であり、また彼にとって『奪還 DAKKAN -アルカトラズ-』以来8年ぶりとなる世界規模での大作出演である。まぁ、相変わらずの三文芝居を披露しているが、麻薬王の肩書きに恥じぬその存在感。一説によると、彼はジャパニーズヤクザと通じているらしく、これまた役作りなどさして必要ない“ガチ”の起用であろう。

 とにもかくにも、バカバカしくも格好いいことを真剣にやった、という作品。つまり、タランティーノやロドリゲスにありがちな“分かるヤツだけ付いてこい!”スタイルであるから、あまり大手を振ってオススメはできないものの、個人的にはツボに入りまくりの名作であった。

点数:86/100点
 タランティーノ好きには諸手を挙げてオススメできるバカバカしくも素晴らしい作品。今秋全米公開が予定されている続編『マチェーテ・キルズ』が今から待ち遠しい。

(鑑賞日[初]:2013.5.10)

マチェーテ [DVD]

新品価格
¥841から
(2013/5/13 22:17時点)


マチェーテ [Blu-ray]

新品価格
¥1,487から
(2013/5/13 22:17時点)


マチェーテ アクションフィギュア/マチェーテ

新品価格
¥2,650から
(2013/5/13 22:19時点)


Deluxe Aged Machete デラックス高齢マチェーテ♪ハロウィン♪サイズ:One-Size

新品価格
¥1,724から
(2013/5/13 22:19時点)


関連記事
スポンサーサイト

Comment

Leave a Reply





管理者にだけ表示を許可する

Trackback