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13
2013

[No.229] イースタン・プロミス(Eastern Promises) <72点>

CATEGORYサスペンス




キャッチコピー:『ここでしか、生きられない。』

 “過去”を持つ女。“秘密”を持つ男。

三文あらすじ:クリスマス目前、ロンドンのある夜、助産師として働くアンナ(ナオミ・ワッツ)の元に妊娠した身元不明の少女が運び込まれてくる。子供は一命を取り留めたものの、少女は死んでしまい、彼女の遺品の中からロシア語の日記を発見したアンナは、そこに挟まっていた名刺を手がかりに“トランスシベリアン”というロシアン・レストランを訪れる。レストランで出会った寡黙な運転手ニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)の手助けもあり、徐々に真実へと近づいていくアンナが知るのは、ロシアン・マフィア“法の泥棒”の実体、そして、恐るべき人身売買(Eastern Promises)の真実だった・・・


~*~*~*~

 
 本作もいわゆる“どんでん返し系”の映画としてネットに挙がっていたものを鑑賞したのであるが、しかしてその実体は、筆者の期待から大きく外れたただの“名作ギャング映画”であった。

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 ロンドンの裏社会で恐れられるロシアン・マフィア。優しく家族思いでありながら、悪魔のごとき冷酷で残虐な一面も併せ持つマフィアのボス。ダメダメな道楽息子。ヒロインに何故か良くしてくれる、というか、裏社会にあって唯一“人の心”を持っていると思われる組織の運転手。聡明で度胸ある彼がボスに認められ、組織の正式な“ファミリー”に昇格するという展開。ところが、実は、その運転手が捜査機関の潜入捜査官であったというカラクリ。

 どれをとってもベタなギャング映画“定番”に違いない。しかして、本作は、その“ベタ”を極めて正統的に、また、やや個性的に描ききる。さしずめ、『グッドフェローズ』より重厚、『ゴッドファーザー』よりスタイリッシュ、といった感じで、これはこれでやはり“名作”と呼ぶにふさわしい。

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 ところが、本作は、そんな“名作”などという一言で片づくギャング映画ではない。タイトルの『イースタン・プロミス』が示すように、本作の主軸にあるのは、あくまでも“人身売買”。これは非常に辛気くさいが、その反面、極めて胸を打つ部分でもある。

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 では、本作の素晴らしいところをいくつか。まずは、何と言っても主役2人の演技であろう。

 1人はこの人。以前紹介した『キング・コング』『マルホランド・ドライブ』でも我々の、少なくとも筆者のハートを鷲づかみにした名女優ナオミ・ワッツである。

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 やっぱかわいいねぇ。チャーミングOK、シリアスOK、おまけに濡れ場やポロリもOKな彼女は、間違いなく現役最強のブロンド女優である。

 そして、彼女と束の間交流し、刹那的に心を通わせる男ニコライを演じるのは、アラゴルンことヴィゴ・モーテンセン

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 やっぱかっこいいねぇ。1985年に映画デビューし、その後2001年の『ロード・オブ・ザ・リング』までちょこちょこと色んな作品に出演して頑張っていた苦労人。だからかどうかは分からないが、指輪を巡って大冒険していないときの彼は、中々に“めんどくさい思考”の持ち主だったりする。例えば、彼の大学生時代のエピソードをWikipediaから引用すると、

 スペイン文学と政治学で学位を取得し、卒業時には政治学専攻らしく「式用の礼装製造業者が従業員に不当労働を強いている」として抗議の意を示すため数名のクラスメイトと共に角帽とガウンを着用しないことを約束した。ただし実際にそれを実行したのはヴィゴだけだった。

 ただし実際にそれを実行したのはヴィゴだけだった。

 んんん。それから、記憶に新しいところで言えば、超大作ファンタジーにして彼の出世作『ロード・オブ・ザ・リング』のPRで来日した際、彼は往路の飛行機内で突如マジックペンを探し始め、見つけたそれで自身が着用していた真っ白なTシャツにメッセージを書き殴った。

 “NO MORE BLOOD FOR OIL!”
 (石油のために血はいらない)

 がっかりだよ、ヴィゴ。別にそういう思想や活動自体を非難する訳では決してないが、やはりアクターというのは、プライベートでも多少は映画内のキャラクターイメージを守る責務があるのではないだろうか。しかも、『LOTR』のアラゴルンという極めてファンタジックな役柄だったのだし、それが彼の記念すべき、そして、それだけに最も大事にすべき出世作だったのに。日本のファンなんて、同作以前の彼を知らない人ばかりだったのだから、筆者同様、彼のストレートな主張に幻滅してしまった人は、かなり多かったはずだ。

 まぁ、作品内だけで見るなら、もちろん彼はスタイリッシュで格好良く、良い役者であることに疑いようはないのだが。もう一枚、本作から貼っておこう。

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 スゴイ肉体美。いやいや、鍛え抜かれたマッチョなボディーである。

 本作は、そんな彼の肉体美を余すところ無く堪能できる、女性ファン必見の作品でもある。極めつけは、やはり公衆浴場での破廉恥暴力シーン。道楽息子の身代わりとしておびき出されたニコライが、敵対組織の構成員2名と全裸で大格闘を繰り広げる。

 このシークエンスのすさまじところは、その暴力性やグロテスクな描写もさることながら、ヴィゴのイチモツがもろ映りしている、という点。まぁ、激しい格闘の最中、腰に巻いただけのタオルが取れないなんて不自然と言えば確かに不自然。しかし、なんというリアリズムだろう。本作の監督であるデヴィッド・クローネンバーグに『DRAGON BALL』を撮らせたらとんでもないことになっていただろうな。

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 そう、本作が、ものすごくグロテスクで、ものすごく破廉恥(しかも男性キャラクターだけ)というなんだか“変態”な作りになっているのは、ひとえにポール・ヴァーホーベンに次いで“変態監督”の名を欲しいままにする鬼才デヴィッド・クローネンバーグがメガホンを取ったからである。

 代表作は、やはり何だかんだ言って『ザ・フライ』だろう。思春期になんの予備知識もなくあの作品を観てしまったことで、筆者は何らかの心的トラウマを負ってしまったのではないか、と疑っている。

点数:72/100点
 非常に上質な社会派ドラマの名作。ではあるが、やはりギャングものとしてだけ観るなら辛気くさすぎ、社会の闇をシリアスに探求するのであれば変態すぎる、というある意味で中途半端な作品。ラストも両者のその後が気になる感じだが、続編制作が発表されたと思ったら中止が発表されたり、舞台裏も中々中途半端でモヤモヤする。

 あ、それから、本作には“キリスト教的モチーフ”が随所に散りばめられており、作品自体のテーマや伝いたいことにもキリスト教が深く関わっているらしいのだが、筆者にその辺の解釈は不可能であった。キリスト教に精通している人は、是非様々なことを感じ取って頂きたい。

(鑑賞日[初]:2013.6.12)










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