[No.233] 追い詰められて(No Way Out) <68点>





キャッチコピー:>『It is a crime of passion, or an act of treason?』

 どんなに逃げても“自分”から逃れることはできない。

三文あらすじ:海軍将校のトム・ファレル少佐(ケビン・コスナー)は、あるパーティで大学時代の同窓にして国防長官の右腕であるスコット・プリチャード(ウィル・パットン)から、国防長官デヴィッド・プライス(ジーン・ハックマン)を紹介される。同じパーティで出会ったスーザン(ショーン・ヤング)という女性と一目で恋に落ちたトムは、彼女と恋仲になるが、彼女はあろうことか上司であるプライスの愛人であるという事実も知る。そんなあるとき、痴話喧嘩からプライスがスーザンを殺害、事態の隠蔽を画策したプリチャードは、スーザンにはプライス以外にも恋人がいたという情報を得、その者を噂上でのみ存在するスパイ“ユーリ”に仕立て上げることを思いつき、スーザンの恋人を突き止めるミッションの担当者として、なんとトムを指名する・・・

※以下、ネタバレ有り。


~*~*~*~

 
 これもまた“DDG(どんでん返し)系”としてはある程度有名な作品。

 監督は、ロジャー・ドナルドソン。トム・クルーズのニヤけがキラリと光る大ヒット映画『カクテル』であったり、重厚な政治もの『13デイズ』などを手がけた、大作ヒット・メイカーである。そうかと思えば、エロエロセクシーなエイリアン侵略系モンスター・パニック『スピーシーズ 種の起源』や、当ブログでも紹介した変態紳士の大捕物『バンク・ジョブ』などの軽快な作品も撮っている人物。そのどれもが丁寧に作られており、かつおもしろいので、きっと彼は良い監督なのだろう。

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 主役は、ケビン・コスナー。誰もが知る“エンダアァァァ”なアクション・スターであるが、最近めっきり姿を見なくなった。と、思っていたら、その名をタイトルに冠することをやめ、それどころかあの超有名スコアまでかなぐり捨てた渾身の“ザ・ヒーロー”リメイク『マン・オブ・スティール』に、スーパーマンの地球での父親として出演しているそうで。同作は、既に6月14日に全米公開されているが、6月公開作品としては過去最高の封切り記録を保持していた『トイ・ストーリー3』を追い抜き、6月公開作品史上最高のオープニング成績を叩きだしたらしい。8月末の日本公開が待ちきれない。

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 あとはまぁ、名優ジーン・ハックマンだとか、漢のバイブル『アルマゲドン』のチック役が印象的なウィル・パットンの好演が見所なのだが、個人的に注目してもらいたいのは、やはりショーン・ヤングである。

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 何を隠そう、SF映画の超大傑作『ブレードランナー』において、寿命のない最新型のネクサス“レイチェル”を演じた彼女である。同作では、人と機械の境界線というテーマを象徴する非常に重要な役所を演じた彼女であるが、本作では、ペンタゴンの男とばかり寝るヤリマン女性を好演している。

 そんな豪華出演陣で構成された本作の内容はと言うと、詰まるところ一言で言って“壮大な男同士の痴話喧嘩”。したがって、ケビン・コスナーが巻き込まれる陰謀も、始まりを辿れば自分で引き寄せた種のような気がしないでもない。そもそも、出会ったときは知らなかったとはいえ、自分の直属の上司と恋人関係を続けるというのが、チキンの筆者には理解出来ない。

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 「出て行くときは玄関からだ。」といぶし銀な台詞を吐いたかと思えば、ペンタゴン内でパタパタパタパタ逃げ回ったりするコスナー。舞台は国防総省で、テーマは国家の陰謀なのだが、やっていることは典型的な“不倫もののコメディー”だ。

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 まぁ、DDGとして有名なだけはあって、オチは中々“あっ!”と驚く衝撃的なもの。噂レベルのスパイに祭り上げられ、かつ、殺人事件の濡れ衣まで着せられそうになり、間一髪真実を暴いたコスナーだが、その実、伝説のスパイ“ユーリ”は存在し、コスナー自身がそのスパイだったのである。

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 これはおもしろいオチだ。観客はずっと、コスナーは、スーザンの恋人だったとバレると濡れ衣を着せられて殺されるから“追い詰められて”いるのだと思って鑑賞しているが、実は、スパイとしての立場も暴かれてしまいかねない、ということにも“追い詰められて”いたということが明らかになる。鑑賞後、翻ってダブルミーニングだと判明するタイトルというのは、やはり秀逸で素晴らしい。

点数:68/100点
 衝撃系の映画ばかり観ていると、だんだんオチの感動が薄れてくる。しかも、何作か連続で観て気付いたのだが、DDG作品のオチは、その大抵が、主人公あるいは語り手自身に裏がある、という『アクロイド殺人事件』的構成だ。人間の考えるトリックというのは、あまり進化していないのかもしれず、そういった意味で、それとは異なる角度から見事なDDGを披露して見せた『SAW』という作品は、やはり素晴らしい秀作だったと思える。

(鑑賞日[初]:2013.6.14)

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