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21
2013

[No.241] アイデンティティー(Identity) <92点>

CATEGORYサスペンス




キャッチコピー:『ここに集まったのではない。ここに集められたのだ。』

 集え、哀れな魂よ。
 抗え、数奇な運命に。
 勝者が真実を知るのではない。

 - 勝者のみが、真実だ。

三文あらすじ:4年前の連続殺人事件で死刑判決が下った囚人マルコム・リバース(プルイット・テイラー・ヴィンス)の日記が新たな証拠として発見されたため、彼の死刑執行前夜、再審理が行われようとしていた。同じ頃、大雨の中、砂漠のハイウェイを飛ばす元刑事の雇われ運転手エド・ダコタ(ジョン・キューザック)は、パンク修理をしていた家族の母親を轢いてしまい、最寄りのモーテルに彼女を運び込む。洪水によって行き場を無くした11人の男女がモーテルに集ったとき、恐怖の殺人劇が幕を開ける・・・

※以下、ネタバレ有り。


~*~*~*~

 
 と言う訳で、田舎でミミズ(本当はゴカイ)大発生!なご機嫌モンスター・パニック『スクワーム』のレビューは次回に回して、今回は、正統派DDG(どんでん返し)の名作『アイデンティティー』についての感想を述べる。

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 正直に言うと、筆者が本作を初鑑賞したとき、確か中学か高校時代だったと記憶しているが、そのときの読後感としては、なんか結局“夢落ち”やん、ぐらいにしか思わなかった。まぁ、今考えても、これはこれで本作に対する正しいリアクションの一つには違いなかろう。しかし、それはやはり多感で愚鈍で繊細な思春期の愚か者の意見に過ぎず、本作を正確に評した感想とは言い難い。

 今回、改めて、いや三度目だったかな?まぁ、とにかく何度目かの鑑賞を終えた感想は、めちゃくちゃおもしろい!であった。・・・筆者の感性は、むしろ退化しているのかもしれない。

 とりあえず、どこがおもしろかったのかと言うと、まず、単純にサスペンスの描き方が上手いのである。

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 冒頭から非常にテンポよく進んでいく本作。売春婦が落としたピンヒールがティミー(ブレット・ローア)一家の車をパンクさせ、そのパンク修理中にジョン・キューザックが奥さんを轢いてしまう、というピタゴラスイッチ。雰囲気あるモーテルに集う、いや、運命によって集められた登場人物たち。11人にも及ぶ多数のキャラクターも、その一人一人がちゃんと描写されるため、混乱することはない。その後、肝心の殺人事件がスタートしてからも、緊迫感が途切れることは皆無。ティミーが母の寝ている隣室に一人で行ったときには、ちょうど集まった者たちの誕生日が同じである、というミステリアスな話題を展開していたりして、オチの隠し方も秀逸だ。

 そう、本作のオチは、正確に言えば、モーテルでの事件がマルコムの人格間での争いだった、というものではなく、マルコムの中の邪悪な人格が、実はティミーだった、というところにある。思春期の筆者は、この点を勘違いしていたので、本作に対して“夢オチ”にすぎない、などという感想を抱いてしまったのである。

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 実際、マルコムが解離性同一性障害である、という事実は、本作の冒頭で既に明らかにされているし、モーテルでの事件が人格同士の戦いである、という事実も、クライマックス前に明かされる。その上で、邪悪な人格を打倒するため、すなわち、マルコムという“世界”を救うためにジョン・キューザックが再びモーテルに戻るというのは、何やら『マトリックス』のようなヒロイズムすら感じる、素晴らしい展開である。

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 売春婦であるパリス(アマンダ・ピート)が生き残り、しかし、ラストで幼いティミーに殺される、というのも、合理的で筋が通っている。すなわち、マルコムの実際の母親も売春婦であり、そして、彼は、そんな母親を恨んでいた。だから、パリスは、最後に殺されるのである。マルコム自身の投影である、幼い少年の手によって。

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 描く舞台は個人の精神世界という非合理的なものでありながら、その中で合理性と論理性を貫徹させ、さらにそれだけではなく、極上のエンターテイメント性をも付加させた本作は、紛れもなく一級の名作である。

点数:92/100点
 やっぱり、映画というものは、一度の鑑賞で満足することなく、時が経ったらもう一度鑑賞するべきものである。映画は、そのときどきの自分自身を映す“鏡”なのだ。観直す度、今回の筆者のように新しい発見があって、まぁそれを“自身の成長”と捉えるのは早計に過ぎるとしても、少なくとも自分の“アイデンティティー”を確認する最良の方法の一つであることは、間違いないと思う。

(鑑賞日:2013.6.19)










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