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2013

[No.257] ネクロノミカン(Necronomicon) <42点>

CATEGORYホラー




キャッチコピー:unknown

 身の毛サワサワ、腹はヒクヒク。
 まぁまぁ普通のショーへようこそ。

三文あらすじ:小説家H・P・ラヴクラフト(ジェフリー・コムズ)は、小説のネタ探しのため、チベット密教系の神社を訪れる。係員の目を盗んで魔導書“ネクロノミカン(Necronomicon)”を見つけ出したラブクラフトは、それを読む内に3つの物語を思いつく。それは、洋館を相続した男が巻き込まれるホラー『壁の中の鼠』、永遠の命を巡る『冷気』、そして、連続殺人鬼“ブッチャー”を追う『闇に囁くもの』・・・


~*~*~*~

 
 少し前に鑑賞した『クリープショー』が個人的なスマッシュヒットだったので、似たような怪奇系オムニバス映画である本作を鑑賞した。結論から言うと、本作は、個人的にはしっくりこない

 そもそも“クトゥルフ神話”というものがよく分からない。パルプ雑誌の作者とその友人が考え始めた神話体系らしく、太古の昔、地球を支配していた異形の者どもが現世に復活するというのが、基本的なコンセプトらしい。登場するその異形の者たちは、だいたいタコっぽいウネウネしたビジュアルである、というのも、定番だそうだ。

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 まぁ、筆者だってそのような基本情報はなんとなく知っていたし、そもそも筆者魂のバイブル『死霊のはらわた』シリーズにも“死者の書<ネクロノミコン>”が登場する。なんだか個人的にしっくりこない最大の原因は、やはり“魔導書”だとか“呪文”だとか“儀式”だとか、そんなファンタジー要素が多すぎる、という部分だろうか。筆者の大好きな“SF”は基本的に“空想科学”であって“ファンタジー”は少し苦手だ。

 まぁ、そんな個人的趣味指向はいったん置いておいて、本作の“映画としての出来”に目を向けてみる。どうやら本作には原作小説があるらしく、しかも、そのファンが中々いっぱいいるらしい。本作の基本的な構成は、以前紹介した『クリープショー』と同じ。ネクロノミカンを盗み見るラブクラフトのくだりが現実世界の出来事。このパートで始まり、このパートで終わる。その間に3つの逸話が語られる、という訳だ。少し分かりにくいのは、逸話部分が、果たして“ネクロノミカンに記載されていた伝説”なのか“ネクロノミカンを見たラブクラフトが思いついた小話”なのか、という点であるが、現代劇が伝説の魔導書に載っているというのも変な話なので、後者と考えるのが妥当であろう。

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 まず、第一話『壁の中の鼠』。どうもこの話は原作と全く違っているらしい。本作中の3つの逸話は、そのどれもがいわゆる“原作レイプ”らしいのだが、中でもこの第一話はもはや全くの別物になっているそうだ。そう言われてみれば、本エピソードには一匹たりともネズミが登場しない。

 では、原作を知らぬ筆者は、本作を楽しく鑑賞出来たのか、と言えば、まぁまぁ普通のモンスターパニックだった、というのが正直なところ。かつて恋人を事故で失った洋館の相続人がネクロノミカンを読み、死者蘇生の儀式で以てその恋人を蘇らせるのだが、冥府帰りの彼女は既に人外の化け物と化していた・・・というベッタベタのプロット。クライマックスで繰り広げられる“ビッグ・海洋モンスター”と相続人との戦いは、『ザ・グリード』のパクリみたいな感じだし、まぁ、可もなく不可もなく、普通のモンスターパニックであった。

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 次に、第二話『冷気』。個人的には、この話が内容的にもそれ以外にも一番興味を持って鑑賞出来た。

 まず、内容的には、この話が一番“怪奇小話”といった趣き。長年に渡って周囲で謎の不審死が相次ぐある家を訪れたジャーナリストは、そこで室内なのにサングラスをした若い女に話を聞く。部屋の中を常に真冬がごとくキンキンに冷やしているその女が語る彼女の母の話は、ネクロノミカンから永遠に生きる方法を知り、自ら実践する医者の男性を中心としたサスペンス。しかし、ジャーナリストは最後に気付く。それは女性の母の話ではなく、今話している目の前の女性の話ではないのか、と。それは正解であり、知りすぎたジャーナリストは、哀れ永遠の生命維持に不可欠な骨髄液(忘れたけど、なんらかの“髄液”だったと思う。)を採取するため、殺されてしまうのであった。

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 まぁ、筆者の説明力不足で、これだけでは何のおもしろ味もない話のようではあるが、実際は、女性と医者の刹那的恋愛や、医者に尽くすおばさんの執念、さらに一発必中で身ごもった医者の赤ちゃんといった要素が絡み合い、中々不気味な雰囲気を醸し出している。

 ちなみに、内容以外の点で注目なのは、本エピソードの監督。なんと筆者の魂のバイブルである平成ガメラシリーズを監督した金子修介がメガホンを取っているのである。正直“金子らしさ”みたいなものを筆者は知らないし、当然ガメラとの共通点なども皆無なので、彼が監督していると知ってもそこまで感慨深い訳ではないのだが、ベタだがしっかりして丁寧な演出が大変好印象な小話であった。

 最後に第三話『闇に囁くもの』。このエピソードの監督は、ブライアン・ユズナ。知る人ぞ知るB級ホラー界のスター監督らしいが、筆者は恥ずかしながら存じ上げなかった。デビュー作『ZOMBIO/死霊のしたたり』が世界のホラーファンの度肝を抜いた、ということらしいので、この機会に是非鑑賞してみようと思う。

 さて、内容的には、本エピソードが、本作中最も残虐で救いの無い話。連続殺人鬼“ブッチャー”を追う女警官とその彼氏の黒人警官。女は妊娠を告白、出産への恐怖、いわゆる“マタニティ・ブルー”の気持ちを吐露する。犯人追跡中にそんな話すんなよ、と思っていたら、案の定、パトカーは横転。重傷を負った黒人がブッチャーに連れて行かれ、女警官がその後を追跡していく、という導入。その後、あやしい老人と老婆が登場し、あやしい地下に連れて行かれた女警官は、この世の者とは思えないモンスターに変貌した彼氏の姿を目撃。結果、自身も敵の手中に落ち、順々に四肢を切断されていくのである。しかも、お腹の中の赤ちゃんは、敵の繁殖のため利用されてしまうのであった。悪趣味で気味悪い反面パンチが効いていて、一見の価値在りと言えるのは、このエピソードだけかもしれない。もちろん、悪趣味グロ映画好きな映画ファンに対してのみであるが。

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 逸話が全て終わった後は、再びラブクラフトが描かれる。ネクロノミカン保管部屋に入った途端鍵を床下に落としてしまい、閉じ込められたまま熱心に読み入っていた“うっかりラブちゃん”。係員(といってもチベット仏教徒らしい見た目。)が駆けつけるも時既に遅し、保管金庫の奥が開き、何やら異形の触手がラブちゃんを狙う。すると、突然、係員が万力を込めて顔を鉄格子の扉に押し当て、そのままニュルッと通り抜けるのである。ははーん、ヤツは“ゴム人間”だな?このシーンは予告編にも登場しているが、ビジュアル的に極めてキモい。実写化を考えると、やはりルフィが鉄格子の通り抜けを出来なくなった、という読み切りから本連載への設定変更は正解のようだ。

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 では、ゴムゴムの係員が何故そうまでして入室してきたのか、というと、それは取りも直さずグロ的な見せ場を作るため、である。ここは中々スゴイ迫力。グロさでは本作一のシーンかもしれない。襲い来る係員を倒すため、彼のバックを取ったラブちゃんは、後ろから上あごと下あごをむんずと掴み、そのまま力任せに上下に引きちぎってしまうのである。素晴らしい悪趣味展開。このエピソードも先程のブライアン・ユズナが監督しているらしく、やはり彼の作品は要チェックのようである。

点数:42/100点
 話的にはそんなにおもしろくはないけれど、グロ描写を見たいのなら一見の価値在り、といった悪趣味映画。CGを使わない頃のスプラッターは、やっぱりものすごい迫力である。

(鑑賞日[初]:2013.7.12)






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Tag:グロ注意 オムニバス

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