[No.262] ZOMBIO / 死霊のしたたり(Re-Animator) <80点>





キャッチコピー:『It will scare you to pieces.』

 寝苦しい夜に“ノリノリ・ゾンビ・スプラッター”はいかが。

三文あらすじ:天才医学生ハーバート・ウェスト(ジェフリー・コムズ)は、研究の末、遂に死者を蘇生させる(Re-animate)薬品を開発する。同級生の秀才医学生ダン・ケイン(ブルース・アボット)と同居しながら動物実験を繰り返すウェストだったが、彼らのクラスで教鞭を執るカール・ヒル博士(デビッド・ゲイル)がこの発明に気付いてしまう。苦心の成果を横取りされそうになったウェストは、博士を殺害するのだが、更なる研究欲からその死体に“死者蘇生薬”を投与してしまい・・・

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 ホラー映画界では知らぬ者のない名匠、いや、迷匠ブライアン・ユズナが初制作したノリノリ・ゾンビ・ストーリー。この前鑑賞した『ネクロノミカン』で唯一と言ってもいい悪趣味グロエピソードを担当していたのが彼だったので、彼が携わった作品の中でも特に評価の高い本作を、この度鑑賞してみた次第である。

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 まず、アヴァンタイトルが本当に良い!作品を象徴する“掴み”的なワン・エピソードがあってすかさずタイトルバック、という演出は、日本における映画やドラマでは良く見受けられるものである。が、こと洋画作品となると、冒頭からいきなりタイトルを出してしまう、というダメダメな演出ばかり。欧米人の感覚からすればその方が格好いいのだろうか。しかし、本作は違う。

 物語は、スイスのチューリッヒ外科病院から幕を開ける。そこで働く太った医者(看護師?)のおばさんに誘(いざな)われ、問題の一室に到着した2人の警官は、内側から施錠された扉の向こうに何やら男が格闘しているような音を聞く。突入せよ!病棟立て籠もり事件、とばかりに彼らが飛び込むと、そこにはグルーバー博士に覆い被さり何かしているハーバート・ウェストの姿が。「生体反応の実験だ!」と言い張るウェストをすかさず取り押さえる警官だったが、グルーバー博士は苦しみだし、どす黒く変色した顔面は膨張、眼球から血を吹き出して絶命する。驚愕の表情で「あなたは・・・博士を殺したのね?」とウェストに詰め寄る太ったおばさん。しかし、ウェストはそれを否定する。

 「その逆だ。」
 (No, I didn't.)

 「僕は、彼を生き返らせたんだ。」
 (I gave him life.)

 テン、テン、テン、テン…テレ、テレ、テレ、テレ…。絶妙のタイミングでオープニングBGM。間髪入れずにタイトル登場。

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 実に素晴らしい!オープニングが良い作品は、それだけで高評価に値する。ちなみに、このタイトルを見ても分かる通り、本作の原作者はH.P.ラブクラフト。本名は“ハワード・フィリップス・ラブクラフト”と言い、ホラー小説の大家であるらしい。先日紹介した『ネクロノミカン』の一キャラクターだと筆者はすっかり勘違いしていた。

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 さて、その後も、本作は、一つの“ゾンビ・スプラッター”として実に上質で素晴らしい出来栄え。全体の雰囲気としては、少し『バタリアン』に似ている。秀逸なオープニングやそこはかとないバッドエンドなども両作共通の要素だし、ストイックなグロ描写の中にもどこかしらユーモアが垣間見える演出などは、特に両作共通の醍醐味であろう。おまけにどちらのゾンビもがっつり走ることが出来る。

 また、極めてハイテンションに、実にノリノリにスプラッター的なシーンや展開を描いていく、という点も両作共通の素晴らしい要素。本作の代名詞とも言えるぶっ飛んだ展開は、もちろん、ヒル博士が自分の首を持ってウロウロするという終盤だろう。

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 ちょっとグロいけど、こんな感じ。この後、ロボトミー手術を極めたヒル博士の手によって彼の傀儡(くぐつ)と化した死体たちが、一斉にウェストとダンを襲うクライマックスも実にミラクル・ハイテンション。阿鼻叫喚という言葉がぴったりなモルグ内でのトンデモ展開を心ゆくまで堪能できる。最終的には、頭を失って物言わぬでくの坊と化したヒル博士のボディ部分、すなわち“サイレント・ヒル”が、自身の臓物をまるで触手のように操りウェストを絡め取るという「?」な見せ場まで登場する。

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 そんな中、本作で最もバカバカしく変態チックな展開は、ヒル博士の生首がヒロインである“メグ”ことミーガン(バーバラ・クランプトン)の裸体をナメ回す、というくだり。『マジンガーZ』のブロッケン伯爵のように自分の頭部を携帯する変態紳士ヒル博士に囚われたメグは、モルグの手術台に拘束される。その上、衣服を全てはぎ取られ丸裸にされた彼女は、熱烈なストーカーだった変態博士にベロベロと舐められる。この展開だけでも中々ぶっ飛んだ変態具合なのだが、このシークエンスのスゴイところは、舐めるべき場所をしっかり舐める、という点。つまり、メグの乳首だとか局部だとか、そういう“リアルに考えて、男が舐めるならここでしょ!”というポイントをちゃんと描写するのである。さすがに局部の詳細な描写は無いものの、このバカバカしいリアルさには、完膚無きまでに脱帽である。頭が取れれば“脱頭”したいところだ。

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 コメディ寄りゾンビ・スプラッターの先駆者『バタリアン』が持つ魅力の一つは、その無常観漂うオチにもある。およそゾンビ映画というもののラストは、結局助からない登場人物たちを描くことで世界の終末を表現するのがベタではあるが、同作のラストは、そんな終末感に加えてどこか“人類の滑稽さ”も感じられる、実に素晴らしいオチだったのである。

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 本作のオチも、『バタリアン』のそれに勝るとも劣らない素晴らしいもの。すなわち、脱出するすんでのところでメグがゾンビに襲われ、序盤で登場したシーンと同じように彼女の蘇生を試みるも失敗するダンが、遂に悪魔の発明である“死者蘇生薬”を使ってしまい、メグはゾンビとなって蘇ってしまう、という展開。スケールこそ『バタリアン』に及ばないものの、しっかりした前フリや秀逸なテンポと演出が素晴らしく、ゾンビ映画史上でも中々屈指のオチだと筆者は感じた。

点数:80/100点
 愉快で楽しく、不快で恐ろしい。真夏の熱帯夜に“ノリノリ・ゾンビ・スプラッター”はいかがだろう。

(鑑賞日[初]:2013.7.13)

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