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09
2013

[No.272] アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ(I Spit On Your Grave) <62点>

CATEGORYホラー




キャッチコピー:『ゲダモノども、地獄へ墜ちろ。』

 墜ちていくのはてめぇらだけだ!

三文あらすじ:執筆活動に専念するため、片田舎の避暑地にやってきた女性作家ジェニファー・ヒルズ(サラ・バトラー)は、人里離れた森の中の別荘で優雅なひとときを満喫していたのだが、地元のガソリンスタンドで働くジョニー(ジェフ・ブランソン)を筆頭にした粗野な4人の若者に目を付けられ、ある日、別荘に押し入られてしまう。隙を見てなんとか逃げ出したジェニファーは、森の中で町の保安官ストーチ(アンドリュー・ハワード)に出会い一安心するも、なんとストーチこそがジョニーらの親玉だった。陵辱の限りを尽くされ、命を奪われそうになったその刹那、川に身を投げ姿を眩ませたジェニファーは、時が過ぎた今、血の復讐をせんと5人の悪魔の前に再び姿を現す・・・


~*~*~*~

 
 前回感想を書いた女の復讐劇『発情アニマル』。30年もの時を経てリメイクされたのが、本作『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』である。

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 基本的なストーリー展開は、30年前も今も変わらない。田舎の避暑地を訪れた美人作家が地元のヤンキーどもから陵辱を受け、その後血の復讐を繰り広げる。男の醜い性、女の恐ろしい魔性は、時代が変わっても普遍のものなのである。でも、進歩したことだってあるじゃん。例えば、今は携帯電話があるじゃん!と思ったあなたは、極めて聡明だが、賢明なB級ホラー鑑賞者とは言えない。携帯電話というツールは、およそホラー界において、ストーリーを遅延させるだけの文明の愚器にすぎず、毎回如何にして通話不可にするかについて、脚本家は苦心する。本作では、便器に落として水没という何とも怠慢な、もとい男らしく真っ直ぐな方法で以て、ジェニファーは、外界との通信手段を喪失してしまうのである。

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 では、少し詳しく内容を。

 まず、オープニングは、1978年版とほぼ全く同じ。

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 んー、でも、個人的には、横顔と窓枠の間にピタッと収まった78年版の方が好みである。まぁ、そこは、筆者のきっちりしぃな性分でしかない。

 その後、ジェニファーは、件のガソスタに到着するのだが、このパートも両作でほぼ共通。ただ、単に給油して道を尋ねただけだった78年版に対して、リメイク版である本作では、ジェニファーがジョニーに軽く口説かれるもこれをさらっと一蹴する、という展開が追加されている。

 この小さな変化が何を意味するかというと、それは、つまり不良少年たちの行動原理説明である。大自然の中で“小石飛ばし”などに興じていた健康優良不良少年たちが、何故に突然美人作家のレイプという暴挙に出たかがいまいち不明瞭だったのが78年版だった。それはおそらく当時の映画にありがちな“ゆるゆるテイスト”だったのであろうが、同時に理解不能からくる不気味さの演出にも成功していたのである。しかし、本作は、現代の映画らしく、犯人たちが如何にしてジェニファー強姦に至ったのか、その心境部分を一応細かく描写してくれる。

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 彼らの最大の行動原理は、都会へのコンプレックスである。特に、不良少年のリーダー格であるジョニーに関しては、ジェニファーに「それって口説いてるつもり?」とあしらわれ怒りを露わにするシーンや、仲間と釣りに興じる最中、そして、いざ別荘に押し入った後のシーンで都会に対するコンプレックスを露呈する。まぁ、もちろん、彼らの犯行はおそらく今回が初めてではなく、ボスである町の保安官の元で何度も同様の愚行を繰り返してきたのであろうが、やはり最も大きな動機は、劣等感なのだと理解できる。

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 ということは、結局、本作の犯人たちの行動は、論理的な動機に裏打ちされた理解可能なものなのであって、78年版に比べれば、どうしても不気味さという点では劣っていると言わざるを得ない。とはいえ、説明を省いて演出する不気味さというのは、ある意味で裏ワザなのであるから、本作の丁寧な演出変更を決して否定的に捉えるべきではないだろう。

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 ジェニファーが別荘に着いてからは、両作共通のセクシー水着ショーである。

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 どちらもいいペチャパイだね!シックでよりセクシーな黒の水着に変更されたことも、ジェニファーの堅さやプライドの高さが端的に表現されており、中々好印象である。

 そして、彼女は、陵辱される。前半のクライマックスたるこのシークエンスでの一番の変更点は、やはり当然町の保安官ストーチの存在であろう。命からがら逃げ出して保安官に出会ったときの安堵、その後、彼こそが実は不良少年たちの親玉であったことが判明するときの絶望。あらすじを知る我々からすれば、保安官が登場しても、どーせ殺されるか仲間かどっちかなんやろ?と思ってしまうのも事実ではあるのだが、それでも如何にしてオリジナルに新たな要素を付加していくか、という製作者たちの苦心が覗えて中々興味深い。

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 肝心のレイプシーンの残虐性については、特に両作で差異があるようには思えない。どちらも十二分に鬼畜の所業。ただ、本作では、この点でもしっかり説明の親切設計が施されている。それは、まさに先程述べた悪の権化ストーチがジェニファーを犯そうとするシーン。彼は、なんと「俺はケツの穴が好きなんだ…!」と発言し、コトに及ぶのである。なんて野郎だ!このおしりホジり虫が!!

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 そらこんな顔にもなるわな…。下品な話を出来るだけ論理的に述べるなら、まず、“穴”には本来的に“挿入してもいい穴”と“挿入すべきではない穴”の2種類がある。そして、その“穴”に挿入する人物についても、同様に“挿入されていい人”と“挿入されたくない人”の2種類が存在する。したがって、女性がそういうコトに及ぶ際には、この2種類×2種類で合計4種類のパターンが想定しうる訳である。そして、その中でも本作のストーチによるもののような“挿入すべきではない穴”ד挿入されたくない人”という組み合わせは、最低最悪、女性を完膚無きまでに陵辱する“レイプの中のレイプ”と言って差し支えなかろう。

 もっとも、この最悪の組み合わせで行われるレイプは、何も本作オリジナルの要素ではなくて、おそらく78年版においても同様のコトが行われている。それがこのシーン。

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 そらこんな顔になるわ…。ここでは何の説明もなく無言でコトが行われるのだが、それまでとは明らかに違うジェニファーの表情から察するに、本作のストーチがしたのと同じコトが為されていたのであろう。その点を、本作では言葉にして親切に説明してくれた、という訳である。まぁ、いずれにしろ、最低最悪だ。

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 さて、その後、前半でのオリジナルと本作との相違点は、ジェニファーの逃げ方である。というか、正確には、78年版では、ジェニファーは“逃げた”のではなく、単に行為が終わったから“放置された”だけであった。これに対し、本作では、ショットガンで銃殺されそうになった刹那、女性作家は、川に身を投じ、自ら姿を眩ませるのである。この変更は、まぁ成功の部類であろう。一人の女性の復讐劇として、本作のこの展開の方が筋が通っている気がする。

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 さぁ、いよいよ女性観客お待ちかねの復讐劇である。

 まず、全体を通した変更点としては、ジェニファーの色仕掛けが無くなっている。やはり、あんなにも陵辱の限りを尽くされた女性が、復讐のためとはいえ再びその男たちと自ら破廉恥な行為に興じる、というのは、いささか不自然で、それだけに説得力を欠くと判断されたのだろう。

 では、本作における彼女は、どういったスタンスで復讐を完遂していくのか。答えは、21世紀の流行流儀“ジグソウ・スタイル”である。例えば、こんなんとか。

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 これは、バスタブ一杯の劇薬(なんだったかなぁ。なんとかカリウムみたいなヤツで、とにかく触れると皮膚を溶かす薬品。)を用いた復讐。縛られた男は、自らの背筋をフル活動して体を支え続ければ死ぬことはないという訳で、まんま『SAW』における“ゲーム”のようなものである。

 あるいは、これとか。

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 これも、自ら瞼を引きちぎる度胸と気概があれば、鳥に眼球を喰われずにすむという残酷なデス・ゲーム。

 筆者は、オリジナル版のレビューで、淡々と殺傷していくだけの復讐劇は、『SAW』などの残虐な映画に慣れた現代の観客からするとインパクトに欠ける、と述べたが、本作では、まさにそんな一般大衆の意見そのままにジグソウの流儀を取り入れた、ということであろう。まぁ確かに、ベタっちゃぁベタなのだが、この点にも製作者たちの苦心の色が覗えて、個人的には好印象であった。

 では、オリジナルにおける最凶の復讐、女が男に対してする復讐の決定版にして究極版たる股間切断シーンは、本作ではどのように料理されているのか。

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 『AVP』のような対峙の後…ジョキッ!!!このシーンに関しては、やはり色仕掛けの末泡風呂内でちょん切られたオリジナルの方に情緒面では軍配が上がりそうである。もっとも、本作でも、ジョニーを演じたジェフ・ブランソンの演技が光っており、中々に残虐で空恐ろしいシーン仕上がっている。というか、チ○コを切り落とすなんていう極悪非道残虐無比な行いは、どんな演出で見せられても恐いものだ。それはもう挿入すべきかすべきでないかなんていう浅はかな組み合わせ理論を超越したところで戦(おのの)くべき、最も原始的かつ最も崇高な復讐方法に他ならない。

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 オリジナル版では、この後に残った雑魚たちの地味な復讐劇があり、なんだか順番がチグハグなんじゃないのか?という印象を受けた。しかし、本作では、ジョニー以上の“悪”である保安官ストーチというキャラが設定されていて、彼に対する復讐が残っている。この点でも、本作は、現代の観客が持つストレートな感覚を反映しているようだ。

 ところが、満を持して鉄槌を下されるストーチへの復讐が、これまた非常にショボいのである。親玉たるストーチが施される罰とは、まず、机の上にうつぶせで縛られ、ケツにショットガンをあてがわれる。ショットガンの引き金には糸が付けられていて、その先は、眠っている知恵遅れキャラの手首に。つまり、知恵遅れが目を覚ますとほぼ100%の確立で引き金が引かれ、ストーチはケツからはじけ飛び絶命する、という仕掛けである。

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 これはどうだろうなぁ。目には目を、ケツにはケツを、という趣向は納得なのだが、所詮ちょっとトリッキーな“ただの銃殺”でしかない訳で、それまでの残虐極まる復讐たちに比して、インパクトは随分落ちる。皮膚を溶かす灼熱の痛みの中ジワジワと死んでいったアイツや、飛来する鳥たちに眼球を喰われながら死んでいったアイツや、股間を切断されたことでまず男としての死を迎え、続いて失血によって人間としても死んでしまったジョニー。そんな彼らとストーチを見比べてみると、本人の悪性と下された罰の残虐性のバランスが、どこかチグハグに感じる。しかし、まぁ、尻すぼみな復讐劇というものが、オリジナル版の味だったとするのなら、リメイク版でもその趣向を取り入れたのだ、と好意的に解釈する余地も無いではない。

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 最後にもう一点だけ、オリジナル版とは違う本作の不満点を述べるなら、それはやはり知恵遅れ的キャラに関してである。78年版における知恵遅れ的キャラは、まさにただちょっとだけ“知恵遅れ”なだけであって、逆に言えば“とっても良い奴”といったキャラクターだった。だからこそ、彼は、序盤でジェニファーと友達になり、その友達の彼が、陵辱の際、最終的には加わってヤってしまう、という展開にどこかうすら恐ろしい不気味さを感じることができたのである。

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 しかし、本作における知恵遅れ的キャラは、もはや単なる“知恵遅れ”といった感じではない。もっとコミュニケーションもままならぬ“知的障害者”といった感じ。したがって、ジェニファーと友達になるくだりもなければ、そこからくる不気味さも感じることができない。まぁ、それが故に彼にはオリジナル版ほどの悪性が付与されず、そんな彼にも無慈悲な制裁を加えるジェニファーの不気味さという要素が、本作独自の味として加味されている、と好意的に捉えるチャンスもあるので、この変更も否定的に即決する訳にはいかないのだが。

点数:62/100点
 ぶっ飛んだ悪趣味さは健在ながらも、現代の我々からすればまだ比較的“理解しやすい”作品に仕上がった本作。オリジナル版とリメイク版のどちらが好きか、というのは、まぁ言ってみれば80年代のアメ車とエスティマのどっちがいいか、と聞くようなものなので、美人の陵辱を楽しみたいという変態な諸君、あるいは、女による恐怖の復讐を見たいという変態な諸君は、是非両作を鑑賞して比較してみて欲しい。

(鑑賞日[初]:2013.7.25)






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Tag:リメイク映画 ダメ男 これが女の生きる道 悪趣味映画 グロ注意

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