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2013

[No.277] ピラナコンダ(Piranhaconda) <58点>





キャッチコピー:『ヤツは究極のプレデター≪捕食生物≫』

 蛇のように賢く、鋸刺鮭のように純粋であれ。

三文あらすじ:南国の楽園、ハワイ島。島に伝わる伝説の“川の悪魔”を求めてやってきた爬虫類学者のラブグローブ(マイケル・マドセン)は、見事その卵を発見するが、突如出現したピラニアとアナコンダのハイブリッド・モンスター“ピラナコンダ”(Piranhaconda)によって彼以外のクルーが全滅してしまう。偶然と必然によって集った、ラブグローブ、撮影中の映画スタッフ、その誘拐を目論む犯罪者集団たちは、果たしてピラナコンダの脅威から逃れることが出来るのか・・・


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 最近劇場にて鑑賞した作品が立て続けに良作だったことに気を良くし、時には超B級なトンデモ馬鹿映画の話でもしてみる。

 そもそも、タイトルの『ピラナコンダ』というのが既にツンと鼻を突く強烈なB級臭。もしかして“ピラニア”と“アナコンダ”を組み合わせたモンスターなんじゃ…?と恐る恐る想像を巡らせたそこのあなた!大正解である。

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 どーん!ピラニア感、ゼロ!“馬”と“鹿”を組み合わせると“馬鹿”が完成することは周知の通りであるが、“ピラニア”と“アナコンダ”の組み合わせにおいても同様の化学反応が生じる、ということを、本作は華麗に立証してみせた。すごくバカらしい。そして、すごく愛おしい。

 この密林の新たなるアイドルが、全編くまなく所狭しと大暴れするのが、本作『ピラナコンダ』。通常、本作のような低予算の超B級C級映画(本国ではテレビ映画として放映されている。)では、我々モンスター・パニックファンの期待など知らぬ存ぜぬ、待てど暮らせど肝心のモンスターが登場しない、という作品が多い。しかし、本作は、そんなアダム・タッチのような小癪な焦らしテクなど使わない。

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 物語冒頭、ハワイのジャングルに爬虫類学者(後述)とその仲間のクルーがやってくる。分け入った先で見つけた滝の側に何やら巨大な卵を発見した彼ら。しかし、直後、水中から巨大な“ピラナコンダ”が出現、ザバッ!ガブッ!とクルーを一噛みの下に殺害してしまうのである。彼らを運んできたヘリも当然のことながら撃墜され、一人残される爬虫類学者…。中々天晴れな冒頭ではないか!非常に潔く、観ていて気持ちいい。焦らすばかりが能ではない。時には男らしく、そして、荒々しく触れてほしいものなのである。

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 そんな感じで、超B級C級の割にはオープニングが素晴らしい本作。しかし、我々は、まだ気を緩める訳にはいかない。この手の作品の中には、冒頭のスペクタクルシーンで既に力尽きてしまい、中盤・後半と大してモンスターが登場しないものがまま見受けられるからである。しかしながら、本作に限っては、そんな心配は無用。以上の素晴らしきオープニング以降も、我等がアイドル“ピラナコンダ”はひっきりなしに登場してくれる。しかも、とっても唐突に

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 主人公が所属する映画撮影隊のシーンを描きながら、一人で行動していた女性クルーが突然食べられてしまう展開の挿入は、まだいいだろう。ものすごく唐突なのは、幽霊蘭だったか、なんかそんな感じの幻の花を採取しに来た女性3人の研究者チームの襲撃シーンである。どう見たってその辺の女子大生みたいな若いネェチャンたちが植物の研究者である、というのもハンパなく強引なら、そんな特殊なキャラクターを一瞬にして殺してしまう展開にも驚愕する。これまで既に幾人かが犠牲になってきた後でのこのくだりには、ピラナコンダのお披露目としての効果は無い。また、植物学者であったり幽霊蘭といった設定やアイテムがこの後生きてくることも皆無。つまり、このシークエンスには、ストーリー進行上の脈絡や必要性が全く無いのである。しかし、それは裏を返せば、100%純粋に“ピラナコンダ”の活躍を堪能出来る名シーンとも言える訳で、我々モンスター・パニックファンとしてはすごく…ん~…やっぱ言えないか。単純に、脚本の強引さに吹き出すべき突っ込みシーンであろう。

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 さて、麗しき植物学者3名は、このように何の意味も無くこの世を去ってしまうのだが、彼女らとは対照的に最後までピラナコンダの脅威と戦い続ける研究者もいる。それが、先程少し述べた爬虫類学者である。

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 彼の名は、ラブグローブ。個人的に特記しておきたいのは、このキャラクターを演じているのが、あのマイケル・マドセンである、ということだ。何してんのよ、マドセン『レザボア・ドッグス』での研ぎ澄まされたカリスマ性はとうに霧散し、『キル・ビル』シリーズで見せた疲れた中年の哀愁もそこには無い。全く以て爬虫類学者には見えない出で立ちと、まるでハワイでの休暇中にふらっと撮影したかのような気の抜けた雰囲気。いいね。最高にいい。究極にバカバカしい。

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 それと、最後に付言しておきたいのは、本作のテーマソングについてである。これが大変素晴らしい!こんなにもバカバカしいB級C級映画なのに、かなりしっかりした、そして、はっきりと“ピラナコンダ”のことを歌った正真正銘の主題歌。本作を一度観れば(一度しか無い人生の内の貴重な数時間を完璧に無駄にする勇気と覚悟があなたにあれば、であるが。)、ズンズンチャチャ♪ ズンズンチャチャ♪という導入部が頭から離れなくなること請け合いである。

点数:58/100点
 その馬鹿げたタイトルから想像する程は酷くない。モンスターは出し惜しみなく暴れ回るし、映画撮影隊、研究者、誘拐犯という異色の取り合わせによって進んでいくストーリーも中々良く考えられている。しかし、そうは言っても、やはりピラナコンダのCGは安い。人を喰う度、シュバッ!と画面が血霞にけぶる演出もそればっかりで辟易としてくる。したがって、本作を楽しく鑑賞するためには、唐突な展開や嘘みたいなSFXをきちんと整理して受け止めることの出来る賢さと、そんなバカバカしさを広い心で抱きしめる純粋さが必要なのかもしれない。

<おまけ>
 ズンズンチャチャ♪ ズンズンチャチャ♪ ピ~ラ~ナァ~コォンダァ~♪♪♪



(鑑賞日[初]:2013.7.27)






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Tag:ヘビ映画 バカ映画

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