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2013

[No.278] デッドリー・スポーン(The Deadly Spawn) <80点>





キャッチコピー:『こいつは喰うためだけに生まれてきた…。』

 パイが無いからスナイパイ?
 パイが無いなら、人間を食べればいいじゃない!

三文あらすじ:隕石に付着し、外宇宙から地球にやってきた未知の生物“デッドリー・スポーン(The Deadly Spawn)”。とある民家の地下室に忍び込み無数に繁殖したそのエイリアンは、やがて町の人々を襲い始める。最強の人食い生物を前にした人類に打つ手はあるのか・・・


~*~*~*~

 
 筆者は、前回の『ピラナコンダ』の感想において「時にはバカ映画の話でもしてみる。」と前置いた。しかし、今改めて7月鑑賞分の作品ラインナップをしげしげと眺めてみると、どうやら当ブログのタイトルを“Mr. Alan Smitheeのしばらくバカ映画の話を”に改訂しなければならないようだ。

 という訳で、今回感想を書きたいのは、『デッドリー・スポーン』。スプラッター・ホラー界、あるいは、モンスター・パニック界では知らぬ者のいない超有名カルト作品。しかし、それ以外の、いわゆる“健全な映画鑑賞者”からすれば、全く以て埒外のトンデモ悪趣味グロ映画に違いない。

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 以前からモンスター・パニックをこよなく愛し、最近はスプラッター・ホラーにも食指を伸ばしつつある筆者は、前々から本作の評判を耳にしており、非常に楽しみにしていた訳である。しかしながら、満を持して鑑賞した筆者の個人的感想としては、そこまでグロくもなかったし、ぶっ飛んでもいなかったなぁ、というのが正直なところだった。というか、本作のストーリーは、意外にも結構マジメでしっかりしている

 まぁ、それは、本作以降、数多のモンスター・パニック作品が本作のプロットをお手本にしたため(事実、筆者が最近鑑賞して感想を書いた『スリザー』などは、モンスター造形も含めて本作そっくりだ。)、最近の作品を先に鑑賞した筆者のような若造映画ウォッチャーが“こんなん前に観たことある!”という本末転倒で馬鹿な感想を抱いているだけのことなのだろうし、そのような既視感を踏まえて観たとしても、本作は、最近のそんじょそこらのモンスター・パニックよりもよっぽどしっかりとベタが描けている傑作には違いない。

 例えば、オチなんか極めて素晴らしい。度々主人公の自宅(だったかな?もしかしたら、同じ町の違う家かも。)を外から捉えるショットを見せておいて、ラストでは、まだヤツは生きている…!というシーンで締め。

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 どかーん!いや、来るべき10月を楽しみにしている人のために言い直そう。どっかーん!とにかく、モンスター・パニック作品において“実はまだ生き残りがいた!”というラストは、もはや定式と言えるほどベタなのだが、それをこれほどまでにきっちりと、かつ、鮮やかに落としてみせた本作は、本当に素晴らしい。

 とはいえ、そのような“しっかりしたベタ”だけでは、本作がここまで根強いカルト的人気を獲得することは出来なかったであろう。やはり、本作の“ツウな楽しみ方”というのは、隕石に乗って地球に飛来し、小さな町を恐怖のどん底に叩き落とすエイリアンの類い希なき魅力的な造形と天晴れなその完成度なのだと思う。

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 これが、噂のアイツ。良いね。良すぎる。ゾクゾクするビジュアルだ。これもまた本作のストーリー部分同様、モンスターとしてはベタな要素もある。しかし、それでいて、どこでも見たことがないような新鮮な印象も受ける、という極めて秀逸なデザイン。しかも、この手の映画におけるモンスターは、往々にしてただ気持ち悪いだけであり、また、この手の映画のモンスターが担うべき役割というのはそれでいいのだが、本作のこのモンスターに関しては、気持ち悪いだけでなくどこか格好いいのである。そこがスゴイし、素晴らしい。

 全身だとこんな感じ。

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 ぐわっ!実に素晴らしい。この肉々しい質感は、やはりCGでは到底出せないアナログなSFXの醍醐味。まぁ、以前も何かのレビューで書いたが、昔の映画と今の映画のどちらが好きか、というのは、“80年代のアメ車とエスティマのどちらが好きか”、あるいは、“巨乳と貧乳とではどちらがスパイとして適切か”といった類の問いなのであって、本質的には、単なるイデオロギーの戦いに過ぎない。

点数:80/100点
 正直なところ、鑑賞したのが随分と前過ぎて既に物語の細部を忘れかけている。そのため、今回はやや大まかな感想に終始してしまった。まぁ、これは言い訳であるが、モンスター・パニック作品の真髄は、“バカ映画である”というところにあり、そして、“本当のバカ映画”においては、そのストーリーなど添え物に過ぎないのである。芸術的なディティールや深遠なテーマの享受という高みばかりを追わずに、一見チケット代やレンタル代の無駄に思えるくらいざっくりとした内容把握しか出来なくても、驚愕のモンスター造形に仰け反り、頓狂なストーリーに爆笑する、というのがモンスター・パニックの楽しみ。それは、万枚という高みには中々届かずとも、思いっきりぶん回し、心ゆくまでお尻をペンペン出来たからいいや、という自己弁護に少しだけ似ているようで、実は似ていない。

(鑑賞日[初]:2013.7.28)










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Tag:バカ映画 グロ注意 エイリアン侵略系SF

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