06
2012

[No.28] キューブ2(Cube 2: Hypercube) <22点>

CATEGORYホラー




キャッチコピー:『謎を解け。』

 この“つまらなさ”こそが、最大のトラップ。

三文あらすじ:目覚めると真っ白な立方体(Cube)の部屋に閉じ込められていた8人の男女。今度のキューブは、時間すら可変的な四次元立方体”ハイパーキューブ(Hypercube)”だった。ハイパーキューブを考案した伝説のハッカー、アレックス・トラスクとは誰なのか、巨大兵器会社アイゾン・リサーチとキューブはどういう関係なのかなど、様々な謎を抱えながら、彼らはキューブからの脱出を試みる・・・


~*~*~*~

 
 傑作の続編はほぼ確実に失敗する。そんなことは映画界では常識だ。エポックメイキングな傑作『CUBE』の続編である本作も、当然そのようなジンクスの適用を受ける運命にある。だから、本作に過度な期待はしない。映画の歴史の中で、1作目を越えたと言える続編は『エイリアン2』『ターミネーター2』『ゴッドファーザー PART2』、そして、『ガメラ2 レギオン襲来』だけであるというのが、筆者の現在の見解であって、このような映画史に残る大傑作を本作に要求するのはヤボというものだろう。加えて、本作の監督は筆者の敬愛するタランティーノ映画の撮影監督を多く務めていたアンジェイ・セクラであるから、それこそガンジーのような寛容とマザー・テレサのような慈愛をもって、筆者は本作の鑑賞に臨んだのである。

 結論から言うと、筆者はガンジーにはなれなかった。あるいは、本作の出来にはガンジーですら憤慨するのかもしれない。

 まず、キューブのデザインがダメ。煌々と照らされ、チリ一つ落ちていない、白を基調としたクリーンな室内。これではオシャレなデザイナーズマンションではないか!前作のキューブは薄暗く、壁一面の謎の幾何学模様が不気味さを醸し出していた。部屋ごとによって照明の色が異なるというのも、登場人物の心理描写を補完する効果的な演出だったと言えるだろう。ところが、本作のように明るい室内では、不気味さの欠片も感じることができない。

 そして、キューブの製作者を明らかにしようとする姿勢がいただけない。本作でキューブに集められたのは、全員アイゾンという兵器会社に関係のある者であるということが徐々に明らかになるのだが、この展開には前作のような”訳の分からないまま理不尽な恐怖に巻き込まれる”という不気味さがない。キューブは”正体不明の殺人立方体”だったからこそ恐ろしかったのだ。枯れ尾花には誰も驚かない。

 本作で一番ダメなのは、トラップを描写する安っぽいCGである。このぐらいのCGなら「天才てれびくん」でも見ることができる。しかも、本作のキューブは縦横高さに時間が加わったハイパーキューブなので、あるタイミングで突如トラップが発動する。逆に登場人物が部屋をまたぐ瞬間にはほとんど発動することがない。これはいけない。前作では、トラップは人が部屋に足を踏み入れた瞬間に発動し、その時に発動しなかった部屋はずっと安全な部屋というルールがあった。だからこそ次の部屋に行く度にドキドキするし、安全な部屋にいる間は安心できるというストーリー上の緩急が生まれたのだ。しかも本作のトラップは、いったいどのように人を殺傷するものなのか一見分からないので、見る者の本能に訴えかける恐怖がない。だいたいトラップの種類が少なく、ほとんどのトラップは”部屋によって重力の向きが違う”だとか”部屋によって時間の進み方が違う”といった、それ自体は命に関わらないものばかりである。むしろなんか楽しいぞ!

 とはいえ、前作では描かれなかったことにこそ尺を割こうとする苦心の跡は一応見受けられて、その点は好感が持てる。
 前作で明らかになった”数字が部屋の座標を表している”という設定は冒頭で早々と説明するし、”時間”という概念を取り入れることで一定のサスペンスやスリルを生み出すことには成功している。しかし、四次元という使い古されてはいるがそれなりにおもしろい設定を思いついたのなら、もっと引っ張って終盤で劇的に謎を解いた方が良かったのではないだろうか。登場人物が”いったいどうなっているんだ!?”みたいな顔をしていても、あそこまで直接的な描写をしてしまうと、観客は”これ、四次元やん。”と気付いてしまう。あんなに雑な脚本で隠しきれるほど、四次元というアイデアは斬新ではない。

 また、登場人物の心理描写やそれに基づく行動と言った点でも一応工夫はされている。
 前作の登場人物達は、極限状態に陥った人間にしてはドロドロした欲望の部分がそんなに描かれていなかった。ここぞとばかりにロリコンを爆発させたり、嫌な奴を殺したりする者はいたが、本作ではもっと露骨に”人間の欲望”が描かれる。それは食欲と性欲である。この着眼点は悪くないと思うのだが、きちんと物語に組み込んで描写するのは難しい。前作のようにあっさり描くなら人間の愚かな部分の描写を上手く補完できるのだが、下手にやってしまうと物語から浮いた下品な描写になってしまう。そして、本作では完全に後者である。出会う人を次々食べてしまう私立探偵。いきなりセックスし始める女弁護士とゲームプログラマー。これは浮いている。一見草食系のプログラマーが女性を喰ってしまい、一見肉食系の私立探偵が本当に人を食べてしまう。こんなダジャレみたいな事を描きたかったのだろうか。

 それと最後に、これは完全に筆者の個人的な文句なのだが、サーシャという盲目の少女がブサイクすぎる。全くもってブサイクすぎる。これは見た目だけを言っているのではなくて、彼女の行動がいちいち筆者をイライラさせるのだ。キャーキャー騒いで、助けてもらうのが当たり前かのように人に頼る。昨日今日盲目になったのなら仕方ないが、そんな説明はない。ホラー映画において、主人公サイドがあまりにも不合理な動きをするというのは、致命的な欠点だ。観客はイライラするし、そいつが殺されても襲った側の凄さや恐怖に繋がらない。サーシャに関しては、一応ハイパーキューブを考案した伝説のハッカーだったという裏があるのだが、それならばなおさらキャーキャー言っていたのが滑稽だ。正体バレてからいきなり偉そうにされても。

点数:22/100点
 まだまだ細かな演出などに言いたい文句は山ほどあるのだが、グチグチ言いすぎたのでこの辺でやめておく。とりあえず、3作目はエピソード0なので本作を飛ばして観てもも全く問題ない。キューブ関連作品は絶対に全て押さえておきたいという人か、B専の人にしかオススメできない、紛う事なき駄作である。

(鑑賞日:2012.2.5)










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