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2013

[No.283] スーパーマンⅡ / 冒険篇(SupermanⅡ) <78点>

CATEGORYアメコミ




キャッチコピー:『The Adventure Continues.』

 ただ、愛してるとだけ言って。

三文あらすじ:ある日、水爆を所持したテロリストがエッフェル塔を占拠するも、地球育ちのクリプトン人、クラーク・ケントこと“スーパーマン(Superman)”(クリストファー・リーブ)がこれを阻止、水爆は宇宙空間で爆散する。しかし、この爆発が、反逆罪によってクリプトンを追われファントムゾーンに幽閉されていたゾッド将軍(テレンス・スタンプ)とその部下を解放、地球に降り立ちスーパーマンと同等の超人的パワーを手にした彼らによって、人類は服従を強いられる。一流新聞社デイリー・プラネットに勤めるケントは、思いを寄せる同僚の凄腕女性記者ロイス・レーン(マーゴット・キダー)から正体を隠すため四苦八苦する日々の中、ゾッド将軍の圧倒的な力を前に、今、再び最強のヒーロー“スーパーマン”として立ち上がる・・・


~*~*~*~

 
 まず、オープニングが少々難あり。前作のような明瞭にして簡潔、勇猛にして果敢、豪快にして爽快、といった秀逸なものではない。ただ、前作のあらすじを丁寧になぞっていくだけ。そんな趣向は、決して積極的に“駄目なオープニング”とは言えないだろうが、決して積極的に“素晴らしくスーパーだ!”と言えるものでもない。

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 では、その後、本編の内容はどうだろう。

 本作のストーリーを語る上での柱は主に2本ある。ゾッド将軍にまつわるアクション、そして、ロイスにまつわるロマンス、である。つまり、本作は、前作において丸投げされた2つの伏線が見事に回収された素晴らしい続編だということだ。

 前者に関しては、最新リメイク作『マン・オブ・スティール』にも使われたプロット。同作でのゾッド将軍は、こんな感じだった。

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 スタイリッシュであり、ダークであり、何より禍々しい。極めてナウいゾッド将軍である。一方、1981年公開(本国アメリカでは1980年公開)の本作では、こんなゾッド将軍。

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 ぬぼーんっ!なんか…ジェダイっぽい!すごくゆったりしたクールビズである。正直、ゾッド将軍のデザインに関しては、本作のそれを古いと断言せざるを得ないだろう。何より、スーパーマンと同じ材質の全身タイツを普段着にしている新ゾッド将軍のビジュアルの方が合理的だ。つまり、地球人からすれば一見してダサくも見えるスーパーマンの衣装を、違うよ!これはクリプトンではちゃんとした正装なんだよ!ダサく見えるのは単なる文化の違いでしかないんだよ!と説明出来ており素晴らしい。

 本作では、以上のような3人のジェダイたちが、大都会メトロポリスを舞台にスーパーマンと空前絶後傍若無人なスーパーアクションを繰り広げる、というシークエンスがある。これもまた『マン・オブ・スティール』に流用されたアイデアだ。まぁ、SFXがものを言うこのシークエンスに関しては、『マン・オブ・スティール』に軍配が上がるのも当然。とはいえ、本作だってもちろん見応え充分。少しコミカルに過ぎる感じも無いでは無いが、巨大セットで繰り広げられる本物の物量は、CGとは違った映画の素晴らしさを我々ゆとり世代の映画鑑賞者に教えてくれる。

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 本作を構成するもう一つの柱、ロイスとのロマンスについては、涙無しでは語れない

 前作では、結局正体がバレることもなく事なきを得たスーパーマン。しかし、本作では、ついにその正体が敏腕記者ロイスの手によって暴かれてしまう!遅いよ、ロイス…。という突っ込みは一旦置いておいて、ハラハラしながら2人の顛末を見守っていた我々にとっては、ほっと胸をなで下ろすことが出来る展開だ。確かに、スーパーマンがその正体を暴かれてしまうと、今後彼を狙う悪党共がロイスをも標的にする可能性が高い。しかし、スーパーマンはそんじょそこらのヒーローとは違う。前作のレビューで述べた通り、彼は何でも出来るヒーロー。ロイスのことだって、きっと守り通せるさ!

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 ところが、ロイスに正体を知られ、全てが吹っ切れたスーパーマンは、何と普通の人間になってしまうのである。ヒーローである以上、全ての人類を平等に愛さねばならない。でも、僕はもう君しか愛せないんだ…。というヒーローの自家撞着がその理由。うれしさと戸惑いと愛しさと切なさと心強さの狭間でソワソワするロイスに対して、クラークは言ってのける。

 「Say That You Love Me.」
 (ただ愛してるとだけ言って。)

 格好いい!ちょっと切なげやし!でもこうなってしまっては、もはや彼もヒーローではない。ただの地球人であり、ただの男である。

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 楽しそうな晩餐によって、今や“孤独の要塞”という名前も有名無実になってしまったスーパーマンの住居。愛し合う2人、優雅な晩餐とくれば、その後は当然…

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 …こうなるわな。このときに仕込んだ子供が、『スーパーマン リターンズ』におけるあの少年である。

 その後、今までのような超人パワーを失ってしまったクラークが、レストランでロイスに絡んできたならず者にボコられてしまう、というシークエンスが中々おもしろい。力を無くしてもやはり心根はヒーローである、という彼のパーソナリティーも伝わってくる。改めて“ヒーロー”とは、自己犠牲の精神とそれを実現するだけの力の両方を持った存在なのだと気付かされる。

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 とはいえ、所詮ヒーローが勝手に恋して勝手にヒーローを止めてしまっただけの話。供給は無くなっても需要は依然として存在している。ここでゾッド将軍だ。色ボケしてニュースのチェックを怠るという新聞記者にあるまじき失態によって、世界よりかなり遅れてゾッド将軍の侵略を知るクラーク。はた!と気付き、すわ!と奮い立つ。心根はヒーロー。しかし、今の彼に力はない。くそぉ!力さえ、力さえあれば…!

 これはまさに我らが悲劇のヒーロー、“Mr.苦悩”こと“ザ・シング”と同じ葛藤ではないか!もちろん本作の方が元ネタではあるのだが。となれば、当然クラークがする決断も“ザ・シング”と同じはず。彼は、再び“鋼鉄の超人”「スーパーマン」に戻る。その選択が、最愛の人との別れになると知りながら。

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 正直、この辺の理屈はかなりご都合主義的。地球人になればもう元の力は永遠に戻りませんよ、と念を押されておきながら、結局その辺に落ちていた余りのクリスタルですんなり復活してしまう。また、ラストで“地球人になるビーム”が何故それまでとは違いクリスタル・チェンバー外に放射されたのかも皆目分からない。まぁ、そんなことは実はすごく些末なことでしかないんだけれど。

 さて、ゾッド将軍は破れ、地球には再び束の間の平和が訪れた。しかし、それはつまりクラーク・ケントとロイス・レーンの恋愛関係における平和の終焉を意味している。夜のメトロポリス、ロイス宅の屋上に彼女を降ろした“スーパーマン”は言葉無く飛び去り、翌朝、ただの同僚“クラーク・ケント”が社内の彼女の部屋を訪れる。噛み合わぬ歯車。すれ違う運命。恋の終わりは、いつだって水掛け論だ。「返す言葉もない。」と困惑するクラークに、涙目のロイスが一言。

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「Say That You Love Me.」
(ただ愛してるとだけ言って。)


 いいですね~!まぁ、ベタベタっちゃあベタベタではあるが、きちんと前フリもあるし、何よりガチガチのヒーローもののラストでのこの悲恋的展開は、今となっては中々新鮮。しかも、この直後、熱く深く最後の口づけを交わしたロイスは、なんとクラークに関する記憶を一部失ってしまうのである。失ったのは、クラークがスーパーマンだったという事実、そして、そんな彼を愛していたという感情。そう、スーパーマンとは、何でも出来るヒーローなのである。極めて切なく、そして、素晴らしい。彼のような滅私奉公極まる自己犠牲の精神を、すぐさま正体を露わにし、欲望の趣くまま恋愛に溺れる現代のゆとり仕様のヒーローたちにも見習って欲しいものである。

点数:78/100点
 まぁ正直アクションシーンは、今観ると古い。キャラクター造形やその立ち居振る舞いも古い。ギャグシーンも古ければ、恋愛描写もベタベタだ。しかし、そこには、古くとも失ってはならない“ヒーローの心得”があるように思える。最新版、かつ、ゆとり版スーパーマンと見比べてみれば、それは自ずと明らかだ。

(鑑賞日[初]:2013.8.29)










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Tag:良い続編 エイリアン侵略系SF 先天的ヒーロー

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