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06
2013

[No.281] マン・オブ・スティール(Man Of Steel) <67点>

CATEGORYアメコミ




キャッチコピー:『新スーパーマン、始動』

 鳥だ!飛行機だ!スーパーマンだ!
 いや…“マン・オブ・スティール”だ!!

三文あらすじ:遠い銀河の惑星“クリプトン”が爆破崩壊の危機に瀕したとき、クリプトン人の天才的科学者ジョー・エル(ラッセル・クロウ)は、新生児の我が子カル・エル(ヘンリー・カヴィル)を地球に向けて脱出させる。地球、アメリカの片田舎で農業を営む夫婦ジョナサン(ケビン・コスナー)とマーサ(ダイアン・レイン)の元でクラーク・ケントとして育てられ、地球人とは違う常人離れした能力を持った大人へと成長したカル・エル。クリプトンでの反逆罪からファントム・ゾーンに幽閉されていたゾッド将軍(マイケル・シャノン)が地球へと侵略を開始したとき、絶望に打ちひしがれ天を仰いだ人々が見たものは、“鋼鉄の超人”「スーパーマン」だった・・・

 
~*~*~*~


 今夏を彩る超大作群。そのトリを飾る超英雄再臨譚が、本作『マン・オブ・スティール』だ。地球人なら誰もが知っている“ヒーローの中のヒーロー”。それが“スーパーマン”。人々をいつも虜にしてきたその雄姿は、これまで5回に渡って映画化されてきた。すなわち、『スーパーマン』『スーパーマンⅡ』『スーパーマンⅢ』『スーパーマンⅣ』、及び『スーパーマン・リターンズ』である。なお、“スーパーマン”というキャラクターについての詳細は、本作の予習として既に鑑賞済みであるこれらの作品のレビューで随時述べていきたいと思う。

 という訳で、さっそく本作の中身に入る。一言で言おう。これは、“スーパーマン”ではない。キャラクターとしての“スーパーマン”という意味だけではなく、作品としての“スーパーマン”をも超越、あるいは、逸脱したスーパー“スーパーマン”こそが、本作が提示する新ヒーロー“マン・オブ・スティール”なのである。

 決定的なのは、やはり“スーパーマン”というヒーロー、あるいは、その世界感を構築していた極めて重要なギミックなや設定・演出を大胆に変更してしまった、という点。まずは、テーマ曲だ。“スーパーマン”=ジョン・ウィリアムスと言っても決して過言ではないくらい、地球が誇る鋼鉄の超人には、誰もが知るテーマ曲が存在した。



 それが、これ。あなたも絶対に確実に一点の疑問の余地無く聞いたことがあるはずだ。もし、あなたの耳がこの曲を全く覚えていないのなら、あなたこそがクリプトン星からの来訪者であると筆者は信じる。

 本作は、まず、ある意味で“スーパーマンの命”とも言えるこのテーマ曲を捨てた。そして、その代わりに採用されたのが、今や個人にして団体を形成するというまるでクゼ・ヒデオのようなコンポーザー、ハンス・ジマーの楽曲。本稿冒頭に貼り付けた予告編で流れているあの曲である。



 確かに、当代を代表する名コンポーザー(同時に筆者が贔屓にする作曲家でもある。)が作曲したこの新テーマは、新しい。そして、素晴らしい。繊細であり、勇敢である。だから、そこまで目くじらを立てる訳でもないのだが、かつてのスーパーマンを知る者からすれば、やはり幾ばくかの寂しさを禁じ得ないのも正直なところだ。

 少し話は逸れるが、この新スーパーマンのテーマを思う存分堪能出来る本作の予告編。来たね。これは久々にヨコデミー賞クラスの名予告編と言って間違いなかろう。筆者は、以前から“映画は予告編が面白い”と感じ(また、実際にこのタイトルの書籍があり、筆者は購入を経て熟読した。)、自らの胸中で毎年こっそりその年の最優秀予告編を決定しているのである。新たなるスーパーマンの新たなる旅立ちを予感させる静かな熱量と先述の新スーパーマンのテーマがこれ以上ない見事なマッチングを見せた本予告編は、現時点で既に本年No.1確実と噂されている。もちろん、筆者が勝手に思っているだけであるが。

 なーんて、独りで悦に浸っていたら、実はちゃんとあったのである、予告編のための賞が。その名も“ゴールデン・トレーラー賞”。なんてしっくりくるネーミングなんだ…。ちなみに、本作の予告編は、ちゃんと同賞の“Summer 2013 Blockbuster Trailer”という部門にノミネートされている。

 話を元に戻す。

 本作が既存の“スーパーマン像”を破壊してしまった2点目の大きな変更点は、スーパーマンとロイス・レーンの関係性である。ロイス・レーン(またはロイス・レイン。)とは、『スーパーマン』シリーズにおけるヒロイン。つまり、アイアンマンならペッパー・ポッツ、スパイダーマンならM.J.やグウェン・ステイシー、アンパンマンなら…誰だ?!という役回り。

 そして、彼女のキャラクターを語る上で最も重要だったアイデンティティーは、ずばり、スーパーマンの正体を知らない、ということであった。大手新聞社デイリー・プラネットの敏腕記者でありながら、ただメガネを掛けただけのチープな変装に気付かないロイス。そんな彼女がいることで、我々は、一体いつクラーク・ケントはその正体を暴かれてしまうのか?!というプロレスにも似た暖かいハラハラ感を味わうことが出来ていた。すなわち、ゆとり世代の我々がよく知る既存のキャラクターで例えるなら、ロイス・レーンとは、毛利蘭なのである。まぁ、実際は、コナンがスーパーマンにオマージュを捧げているのであろうが。

 本作は、この点を大きく変えてしまった。本作におけるクラークは、そもそもロイスの同僚ではない。しかも、序盤でいきなり正体を暴かれてしまう。そして、そのままラストでキスしてしまう!

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 な、なんてこったい!まぁ、こーゆーのが昨今の流行なんだろうな。リブートされた新生スパイダーマンにおいても、ピーター・パーカーは余裕で正体をバラしてしまったし、恋人だけでなく全世界に大して堂々とぶっちゃけて見せたアイアンマンは、あんなにもヒットした。

 筆者が思うに、この現象の原因は、また例のごとく昨今の我慢できない若者にある!…のではなくて、単にいつ正体がバレるかヤキモキさせるという展開が古くさくなってしまったという点にあるのだろう。したがって、この点の変更も胸を張って客観的に否定することは出来ないのだが、これまたかつてのシリーズを知る者からすれば、なんだか凄く寂しい。本作のロイス・レーンは、かつての意味でのロイス・レーンではない。よって、ヒロインの存在を必然の要素とするヒーロー、本作で言えばスーパーマンもかつての彼ではいられないのである。

 ロイスの話になったので、ここで本作の彼女の画像を。

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 んんん、あんまり可愛くない。しかしだよ。なんだかおばさんっぽい、というのが、アメコミヒロインにおける古くからの伝統なのである。よって、この点でもやはりそこまで目くじらを立てるべきではないだろう。

 ちなみに、この新生ロイス・レーンを演じるエイミー・アダムスは、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』でディカプリオの恋人を演じていた彼女である。もっと最近で言うなら『魔法にかけられて』のジゼルが有名だろうか。

 装いも新たにリブートされた本作が既存のスーパーマン像を破壊してしまった最も大きな要素は、以上の2点である。なんや、そんなことかいなー。と思ったあなたは、一度『リターンズ』までを含めた旧シリーズを全て観てみるといい。巨匠ジョン・ウィリアムスが生み出したスコアが如何に偉大で素晴らしいか、そして、特に旧4部作においてマーゴット・キダーが演じたかつてのロイス・レーンが如何にチャーミングで愛らしいかが一目で理解出来るはずだ。

 筆者が個人的に感じた不満点をもう少し。

 まずは、クリスタル文化の否定。スーパーマンの母星クリプトンは、地球に比べ非常に文明の進んだ惑星。その文明を支えるテクノロジーこそがクリスタルである。

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 こんな感じ。これは、スーパーマンが北極に建造した“孤独の要塞”内の一幕なのだが、彼の母星であるクリプトンも概ねこんな雰囲気である。ところが、本作における新生クリプトンは、こんな感じ。

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 なんだこれは!これでは、ただのSF映画ではないか!赤ちゃんカル・エルが乗るポッドもかつてのようなトゲトゲしたクリスタル製ではなく、丸っこい鉄製の仕様になってしまった。カル・エルに託されたキーアイテムもクリスタルではなく、細長い鉄の判子になってしまった。鉄、鉄、鉄。そんな機械仕掛けのクリプトンなど、クリプトンではないのに。

 だいたいからして、本作冒頭、クリプトンで繰り広げられるジョー・エルの大バトルシークエンスは、全く以て新しくない。既存の世界観を破壊したくせに全く新しくないのである。もちろん、そのスケール感は、超ハリウッド級の出来映え。爆発に次ぐ爆発。崩壊に次ぐ崩壊。めくるめくアクションの世界がそこにはある。しかし、そのアイデアは、いずれもどこかで見たことがあるものばかり。『トランスフォーマー』丸出しのメカたち。『アバター』そっくりな飛翔生物。『スターウォーズ』さながらなビーム兵器。物量によってのみ観客の心を掴めるとでも思ったのだろうか。我々は、そんなに甘くない。

 一方で、本作のとっても新しかったところは、スーパーマンのバトルシークエンスである。これは、中々に良い線を行っている!言葉で言い表すのは難しいのだが、事前の宣伝で謳っていた通りの文字通り音速の戦闘。これだったんだよ、我々が『DRAGONBALL EVOLUTION』に期待していたバトルは。

 まぁ、人によっては、「こんなもん、『マトリックス レボリューションズ』のラストと一緒やん!」と感じるかもしれないが、筆者としては、“如何にして新たなるスーパーマンのアクションを構築するか”という製作者の苦心が垣間見えた気がして大変好印象だった。

 また、演出面で非常に好印象だったのは、ラストの幕引き。全ての戦いが終わり、愛を確かめ合ったスーパーマンとロイス・レーン。しかし、彼らの生きる場所は違う。スーパーマンは片田舎へ、ロイスは大都会メトロポリスへ。「これからどうするの?」とスーパーマン育ての母マーサが問うと、彼はこう答える。「世界の情報が集まる場所で働きたいんだ。」それはすなわち大国アメリカが誇る一流新聞社“デイリー・プラネット”に他ならない。

 そうか、世界中の情報をいち早くキャッチすれば、それだけ多くの人を救うことが…いや、お前遠距離無理なだけちゃうん?なーんて野暮な突っ込みを入れた人は、残念ながら鋼鉄のヒーローのことをきちんと理解出来ていない。彼にとっては、地球という同じ惑星に暮らしている時点で、そもそも遠距離恋愛などではないのである。

 そんな訳で、件の新聞社に入社したスーパーマンことクラーク・ケント。ガリ勉メガネにぴっちり七三で登場したその姿に、我々旧スーパーマンファンは幾ばくかの感慨を禁じ得ない。そして、今回のロイス・レーンは、そんな小手先の変装に惑わされない優秀な、というか、まともな記者。刹那驚き、瞬時に状況を理解した彼女がケントに向かって言う台詞が、本当に素晴らしい。

 「Welcome to The Planet.」
 (プラネットにようこそ。)

 この秀逸な掛詞は、どう頑張っても日本語では表現しきれないものだ。幸いにも筆者は劇場鑑賞中にこの台詞の原語を聞き取ることが出来たので、感動の余り全身のグースバンプスをライズさせ、アイボールからティアーズをダウンプアー状態にして劇場を後にした。学生時代に一生懸命英語を勉強しておいて本当に良かった。

 最後に、おまけとして彼を紹介したい。

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 ザイオォォォォォン!ヒァミィィィィィィィィ!!でお馴染み、モーフィアスことローレンス・フィッシュバーンである。確かに、フィッシュバーンが演じる新生ペリー・ホワイト編集長は、往年の彼のような“愛すべきガミガミ屋”ではなくなってしまった。とはいえ、個人的に“好きな黒人俳優2位”に位置しているモーフィアスの熱演を是非多くの人にも楽しんでもらいたいと思っている。

点数:67/100点
 まぁ、そんな感じで、アクション面は非常に見応え充分である反面、その他の展開、設定、ギミックにおいてかなりの既視感に見舞われる“新生”スーパーマン。もちろん、決して不満足な作品ではない。スーパーマンのドラマ部分に関しても、旧4部作の様な“コント”ではなく、『リターンズ』のような“昼ドラ”ではない、極めて“そつの無い”シンプルなもの。悪く捉えることも出来ないではないが、アクションを邪魔しない良プロットだと受け止める余地は十二分にある。ただ、“本当のヒーロー”とは何かを知りたいなら、鑑賞すべき作品は本作ではないだろう。次回、『スーパーマン』で我々は、真のヒーローを目撃する。

(劇場鑑賞日[初]:2013.9.1)
(劇場:ユナイテッドシネマ岸和田)














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