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09
2014

[No.300] ゴジラ(Godzilla) <75点>





キャッチコピー:『世界が終わる、ゴジラが目覚める。』

 日本よ、これなら“ゴジラ”か?

三文あらすじ:1999年、フィリピンの炭鉱を調査していた科学者・芹沢猪四郎(渡辺謙)は、地中奥深くで巨大生物の化石とそれに寄生するように付着する謎の繭を発見する。同年、日本列島・雀路羅(じゃんじら)市の原子力発電所が原因不明の震動と電磁波によって壊滅、核物理学者ジョー・ブロディ(ブライアン・クランストン)の妻は、夫と幼い息子フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)を残し、帰らぬ人となった。15年後、成長し、アメリカ海軍の爆弾処理技術兵になったフォードは、隔離地域である雀路羅で拘束された父を引き取りに訪れた日本で、“怪獣”の目覚めを目の当たりにする・・・


~*~*~*~

 
 本作は、ハリウッドにおける“ゴジラ”映画化の第2弾にあたる。第1弾の『GODZILLA』は、今でもある意味で多くの人々の記憶に残っているだろう。

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“マグロを食べまくる巨大イグアナ”


 これが、おそらく大半の人のハリウッド版初代“ゴジラ”に対するイメージだと思う。で、そんな“ゴジラ像”が日本人だけでなく、世界中のゴジラファンから圧倒的な不評を受け、本作が制作された訳である。だからこそ、本作に対する世界中の期待は並々ならぬ。映画化を任された監督は大変だ。
 
 本作で監督を務めるのは、ギャレス・エドワーズ。日頃あまり映画を観ないという人はピンとこないかもしれない。彼が本作以前に撮った映画は2010年の『モンスターズ/地球外生命体』ただ一本だけなのだから。『モンスターズ~』については、当ブログでも以前記事を書いが、舞台設定とかテーマとか登場人物とか演出とか、そんな色々が上手に噛み合った素晴らしい佳作であった。

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 新人監督が大作映画に抜擢される、というのは、近年まま見られることだと思う(例はパッと浮かばないが。)。しかし、そんな場合、大作であればあるほど、周囲からの要求・圧力は強いだろう。つまり、新人監督の大作への抜擢、というのは、往々にして世間の注目を引くための“お飾り”に過ぎないのである。茅葺総理みたいなもんだな。まぁ、実際本作がそんな感じだったのかについては、筆者が知る由もない。が、そんな印象を受ける。

 ギャレス・エドワーズのデビュー作は、とってもお洒落なSFだった。2人の男女のロードムービーの中で、既存のものとしてエイリアンを描いていく。音楽はしっとり、演出は仰々しくない。そんな作品だった。でも、本作は違う。

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 本作は、紛う事なき“怪獣映画”だ。

 ハリウッド版初代『GODZILLA』は、“ゴジラ”とは名ばかりの“モンスターパニック作品”だった。そして、それが不評を買った。(筆者は個人的にものすごく好きだったが。)一転、本作は、オリジナルに限りなく近いビジュアルのゴジラを採用し、なんと敵役の巨大怪獣まで用意して、両者に大決戦を繰り広げさせるのである。

 個人的にではあるが、この展開にはすごくびっくり仰天した。冒頭に貼り付けた本作初期の予告編では、まるで巨大怪獣“ゴジラ”の脅威に人類が立ち向かう、というハリウッド版初代のようなプロットを想像させる。おそらく初期の段階では、わざと敵怪獣を出さなかったのだろう。したがって、本作序盤、隠蔽された原発内で謎の繭が羽化するときには、てっきりゴジラが登場するものとばかり思っていた。ところが、登場したのはなんと『クローバー・フィールド』のモンスターだったのである…!

 これが同作のモンスター“クローバー”(制作時にスタッフが付けた愛称。正式な名前は無い。)。

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 こっちが本作の敵怪獣“ムートー(Muto)(♀)”

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 不完全に一致…!なんかちょっとギャオスっぽくなっているが、似ている。アメリカ人っていうのは、こういう四肢の細長い巨大モンスターが好きなんだろうか。

 このムートーは、なんと電磁パルスによる攻撃を行う。ドーンと地面を叩くと、周囲数キロの電源を全て落としてしまうのである。ん?それって…

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 こいつやん…!アメリカ人の怪獣レパートリーってすごく少ないんだろうか。まぁ、とにかく、こんな風にしていろんな要素をあっちゃこっちゃから拾って詰め込んで、四苦八苦しながらも“紛う事なき怪獣映画”を作ろうとしたことは間違いなさそうである。でも、それは、ギャレス・エドワーズの本来の持ち味ではないような気がする。肝心なのは、ドラマ部分、すなわち、人間達のパート、な気がする。

 しかしながら、その部分が本作ではまるでいまいち。まず、冒頭、未だ怪獣すら登場しない内から繰り広げられる、研究者夫妻の涙無くしては直視できない壮絶な離別シークエンス。これが生々しい。特に放射能(放射線?)によって死んでしまう妻、とうのは、中々ナイーブである。(そういえば、本作では大規模な津波シーンとか、今の日本にとってある意味ナイーブなのかもしれないシーンがけっこう出てくる。)

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 それから、これは突っ込み所なのだが、本作の主人公。幼くしてムートーに母を殺され、その結果、父が変人になってしまったという過去を持つ彼が、いったいどんな活躍を見せるのか。と、いささかドキドキしながら観客は物語を追うわけである。ところが、彼が作中したことと言えば、ヒッチハイクと任務放棄

 この2つだけ。
 この2つだけである。

 彼は、久方ぶりに会った妻と子供を残し、父を引き取るため日本に来た。そして、そこで怪獣騒動に巻き込まれるのである。とにかく、彼はアメリカに帰りたい。とりあえず、ハワイまでは戻ってきたがまた怪獣。そこで、兵士(爆弾処理技術兵)という地位を利用し、空母で帰国。さらに、兵士(爆弾処理技術兵)という地位を利用し、無関係の作戦に参加、妻のいる地まで列車に乗せてもらう。で、当然のことながら、ムートーに奪われた核爆弾のタイマーを切る、という最終作戦にも参加する。行きがかり上とはいえ、これは当たり前だろう。今まで散々、兵士(爆弾処理技術兵)という地位を利用して軍備を私物化してきたのだから、最後くらい役務を果たさなければ主人公の名折れである。

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 なんやかんや見せ場の連続の結果、ムートーの巣から核弾頭を持ち出す隊員達。ムートーが迫り絶対絶命のピンチに我等が大怪獣ゴジラが登場、ハリウッド版初代では見せなかった放射熱線によってギャオーバー(ギャオス似のクローバー)を見事殲滅する、というクライマックス。1!2!3!4!5!6!7!8!9! あとはタイマー解除だけだ!という、いささか熱い展開である。ところが、あろうことか主人公は、プランBとして核弾頭を乗せ港を出発した船の上で一人ごろっと大の字で寝転がり、我が生涯に一片の悔い無し、といった表情で微動だにしないのである。結局、タイマーは終ぞ解除されぬまま、奇跡的にやってきた救助ヘリで主人公は助け上げられ、核弾頭を乗せた小舟はそのまま湾から出航、アメリカ本土から目と鼻の先の海上でその本分を遂げたとばかりに大爆発するのである。

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 おい、こら。うぬは爆弾処理技術兵では…!?

 このラストは、ちょっと大味すぎる。初期のゴジラには一応“反核”というテーマがあったはずだ。筆者はそう聞いている。ハリウッド版初代の不評を恐れるあまり、怪獣のビジュアルとかその辺に固執しすぎて、すごく大事な部分をおろそかにしたのではないか。本作を観て、筆者はそんな感想を持った。

点数:75/100点
 ちょっと文句を書いたけれど、“怪獣映画”として観るなら本作は十分に及第点の出来であろう。筆者が劇場で鑑賞した際も、上映終了後、「前のイグアナよりはおもしろかったな。」という声を聞いた。何を期待して鑑賞するか、というのはすごく大事だ。筆者は、ハリウッド版初代のような“正統派モンスターパニック”が頭から離れぬまま、また、ギャレス・エドワーズのSFというイメージが意識に残ったまま本作を鑑賞したので、なんだか期待はずれ、という感想を持ってしまった。そうではなく、“正統派怪獣映画”を期待して観るなら、本作は中々おもしろい作品と言えるかもしれない。でも、それを求めるなら、本作はほぼ『パシフィック・リム』と一緒なんだよな(もちろん、ロボットは出てこないけれど。)。ハリウッド版初代ゴジラの公開前にT-REXのロサンゼルス上陸シーンを描いた『ロスト・ワールド』が“ゴジラ潰し”と言われたように、『パシフィック・リム』もまた第2の“ゴジラ潰し”であったのかもしれない。

(劇場鑑賞日[初]:2014.7.27)
(劇場:TOHOシネマズ西宮OS)














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