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21
2014

[No.313] 攻殻機動隊 ARISE GHOST IN THE SHELL border:4 Ghost Stands Alone <75点>

CATEGORYアニメ
ghost stands alone



キャッチコピー:『攻殻機動隊、起動 ― 』

 向来の証明(STANDARDIZATION)

三文あらすじ:戦後復興の兆候が見え始めた2028年、国外カルテルの利権に関するデモが活発化するニューポートシティで、警備機動隊による無差別発砲事件が発生。“ファイア・スターター”による電脳感染が絡むこの事件に、草薙素子(声:坂本真綾)率いる独立攻勢の部隊が捜査を開始する。事件の裏に潜む“ブリキの少女”エマ(声:茅野愛衣)と“カカシの男”ブリンダJr.(声:小野賢章)のゴーストに迫る素子は、やがて電脳化に纏わる深い闇に直面する・・・


~*~*~*~


 攻殻機動隊新シリーズ『ARISE』も4作目にして最終作。有終の美を飾る本作を一言で評するのなら、“普通の攻殻機動隊”である。これは断じて悪口ではない。攻殻機動隊のエピソード0として、草薙素子を始めとしたお馴染みのキャラたちを描いてきた本シリーズ。その行き着く先は、当然、我々のよく知る攻殻機動隊、であってしかるべきだ。プロフェッショナルな課員たち、含蓄過多なやり取り、自らを痴呆かと錯覚しそうになるほどややこしいストーリーライン、鳥肌必至の近未来的ギミックの数々。コミック版、劇場版、そして、テレビアニメ版が有するそれらの魅力は、新シリーズ最終作たる本作において、再起動する。

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 我々、往年の攻殻ファンは、そんな懐かしき攻殻機動隊をただ黙って楽しめばいい。結局何がどうなったんかよー分からん、“ふぁいあーすたーたー”って何やったけ?というような愚問は、許されない。あの攻殻が帰ってきた。それだけでいいじゃないか。不満があるなら、自分を変えるしかない。それが嫌なら、ご存じの通りである。そんなわけで、本作の見所は、馴染みのある攻殻らしさ、である。

 まず思い浮かぶのは、本シリーズ初登場の光学迷彩。ビルの屋上から帳の降りきった街へと落下していく途中で発動する、というお馴染みのシーンに興奮するし、発砲の衝撃に沿ってさざ波立つ、という演出が斬新ですごい格好いい。また、光学迷彩起動シーンに欠かせない「光学迷彩?!」という定型的な台詞もしっかり健在だ。

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 すぐ敵の手に落ちてしまって混乱をエスカレートさせるトグサも懐かしいし、貴重な見せ場で格好良く鷹の目を発動させる割には意外と標的を逃がしがちなサイトーも久しぶり。バトーと素子の喧嘩まがいのやり取りも我々の郷愁をかき立てて止まない。

 ゲストキャラクターに目を向けてみても、そこにはやはり昔ながらの攻殻が存在する。

 “ブリキの少女”と“カカシ男”。『オズの魔法使い』に引っかけた寓意性が良い。寓意の存するところ評論在り、と色めき立った筆者は、その刹那、えー俺『オズ』知らんわー、と不満を持ったのだが、すぐさま翻意し、自分を変えることなく耳と目を閉じたのである。

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 しばらくして、うっすらと目を開けた筆者は、彼らの末路が懐かしの第二話『暴走の証明』であることに気付く。S.A.C.1stシーズン序盤にして、我々を攻殻の世界へと引きずり込んだ名チャプター。また、回胴機においては最も期待できる発展先でもある。

 加護タケシ同様、人としてはもう生きられないが機械でもいられない、という者の哀愁を通して、電脳世界の“現実”をありありと描いてみせるわけだが、そこには、単に『暴走の証明』へのリスペクトのみに留まらない本作の多重オマージュが垣間見える。一つには、暴走する思考戦車のハッチを開かんとする素子の身体損壊描写。まぁ、これは『暴走~』にもあったかと思うが(あったかな。どうだったろう。あった気がするが、正確に思い出せない。擬似記憶による改ざんか。)、本来は劇場版『GHOST IN THE SHELL』の名シーンである。つまり、『暴走~』がオマージュした身体損壊シーンをオマージュすることで、間接的に劇場版をもオマージュする、という構図。さらに、エピソード0たる本作は、素子の腕が完全には壊れない(より正確には“壊れかける”程度。)、という描写を用い、自身のアイデンティティをしっかりとしたためる。

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 そして、もう一つは、ネット世界へと旅立つ者の存在。当然、人形使いと融合し、広大なネットの一部(にして全部)となった素子へのオマージュである。または、素子以前に既に先駆者がいた、という前フリかもしれない。押井守は、劇場版の解説において、人形使いと素子の融合を“結婚”と表現しているらしいが、本作でもネット世界に消えていくのは、やはり男女である。

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 筆者が思いつくオマージュは、今のところこの二つ。あと、もう一つや二つあった気がするのだが、これまた思い出せない。目を盗まれたか。

 最後に、本作や本シリーズでやや不満であったところを述べる。

 まず、全体を通して、映画館でやるほどのクオリティだったか疑問、という点。筆者は、最近、『化物語』の回胴機において四千枚弱もの出玉を得るという倖時間を過ごしたため(また、前任者から引き継いだ選択キャラがたまたま神原駿河嬢であったため)、急遽『花物語』を全話鑑賞したのであるが、その読後感と本シリーズのそれは、すごく似ていた。つまり、好意的に述べるなら「良い番外編だったなぁ。」、悪意を持って吐き捨てるなら「前のシリーズと同じやん。」ということになる。

 『花物語』はそれで良いのである。テレビアニメなんだから。そして、冒頭で述べたように、本作もストーリーコンセプトとしては、それで良いのである。攻殻のエピソード0を描くなら、普通の攻殻に帰着してしかるべきだ。ところが、本シリーズは、一応“劇場公開作品”である。おそらくは『ガンダムUC』あたりから始まった1時間アニメの劇場公開。尺的に言えば、テレビアニメにしては豪華、映画としてはショボい、そんな立ち位置にある。とはいえ、歴とした“映画”であり、それなりの鑑賞料金を取るのであれば(これらの企画の場合、通常料金より安いパターンも存在するのかも知れないが)、やはりテレビでは体験できないスケールや感動を享受したい、というのが素直な鑑賞者心理であろう。その点、本作は物足りない。少なくとも個人的にはそう感じた。

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 ビジュアル的に圧倒されるパワースケールがあるわけでもない。ストーリー的に圧巻を極めるセンセーションがあるわけでもない。普通なのは良いのだが、劇場作品として世に出す意義はなかったように感じる。

 それから、もう一点不満なのは、border2のラストで登場した人形使いもどきの不在である。あいつ、ドコ行った??愚かな筆者は、てっきりシリーズ最終作で華々しく9課と対峙するラスボスなのだと勘違いしていたのだが、どうやら全くの見当外れだったようだ。あれは、素子と人形使いとの初邂逅を描いた、という劇場版への前フリなのだろうか。分からんなぁ。

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 …あ、不満を2つも言ってしまった。でも、自分は変えたくないし、もう耳も目も閉じたくないので、筆者は、せめて孤独に本稿を終えたいと思う。

点数:75/100点
 あなたが従来の攻殻を心から愛し、その“延長”を楽しみたいのなら、本作、そして、本シリーズに対し、混じりっけのない大満足を感じることだろう。しかし、攻殻機動隊の映画化、との意識を少しでも持って鑑賞に臨むなら、いささかのガッカリ感を味わうかもしれない。筆者同様、攻殻の劇場版を望む人は、本シリーズではなく、先頃制作決定が発表された、攻殻機動隊の新劇場版を心待ちにしよう。もちろん筆者は、耳の穴をかっぽじり、目を大きく見開いた上、一人で劇場に足を運ぶつもりである。

(鑑賞日[初]:2014.10.18)













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