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2015

[No.317] ウォーキング with ダイナソー(Walking with Dinosaurs) <80点>

CATEGORYドラマ




キャッチコピー:『時空を越えた冒険が始まる。』

 果てしなき流れの中で。

三文あらすじ:約7000万年前のアラスカ。草食恐竜パキリノサウルスの子供パッチ(声:ジャスティン・ロング)は、小さな体故にいつも兄弟たちからのけ者にされていた。父の死、ジュニパー(声:ティヤ・シルカー)との恋、兄スカウラー(声:スカイラー・ストーン)とのリーダー争い等を経て、パッチは大きく成長していく・・・


~*~*~*~


 新年明けまして2015年である。キリストが死んでから実に2015年も経ってしまったわけであるが、信心深くない筆者としては、第三新東京市?第二新東京市はおろか、まだ新東京市すらできていないじゃないか、とか、そういえばまだポケットを裏返すジーンズの着こなしは流行っていないなぁ、とか、そんな感想しか湧いてこない。そもそも、2000年そこそこの時間経過など、脈々と続く悠久の流れの中では取るに足らない刹那でしかない。いつ果てるとも知れない濁流の中では、日々ドラマが生まれている。本作で綴られるパッチの物語もその一つだ。

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 本作の肩書きは、一応“恐竜ドキュメンタリードラマ映画”である。したがって、筆者はてっきりBBCとかが制作したいわば『生き物地球紀行』的作品をイメージしていたのだが、実際は、徹頭徹尾筋書きのある“ドラマ”なのである。

 導入部は、現代。考古学者のおじさんのところに遊びに来た年頃の少年は、土いじりばかりしている考古学を“ダサイ”と一蹴する。ゲームもない、携帯もつながらないというど田舎で、彼は退屈至極である。意気揚々と発掘現場へと行ってしまったおじさんと妹を見送り、彼は一人で待つのだが、そこに風変わりな鳥がやってくる。鳥は、おじさんが自慢げに少年に渡した肉食恐竜の歯の化石を指し、「てめぇがくだらないと思っているその化石にだって、ものすごいドラマがあったんだぜ。」と言い放つのである。

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 時は遡り、約7000万年前のアラスカ。ここからは、件のパッチを中心としたいわゆる“ミムスの冒険”的な物語が始まる。本作の大部分を占めるこの“パッチの冒険”は、正直極めてベタだ。チビ介の恐竜が、父の死や兄との確執を経験し、野生の猛威と戦いながらも恋をして、結果、大きく勇ましいリーダーとして成長していくわけである。とはいえ、いいベタか悪いベタかと言えば、圧倒的に前者なのであって、危なげのないストーリー展開を楽しみつつ、太古の地球の壮大なスケールを最高のCG技術で堪能することができる。

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 本作を鑑賞する上での筆者なりのアドバイスは、“できるだけ漫然と鑑賞すること”である。“パッチの冒険”部分は前述の通り非常にベタなので、あれこれと頭を悩ませたり、先の展開を周到に予想しながら鑑賞する必要はない。したがって、大抵の観客は“ふーん”とか“へー”とか思いながら、気楽に鑑賞を続ける。そうすると、冒頭の鳥のことなど、忘却の彼方。もちろん、この鳥は本編で狂言回し的な役割を担っているので、終始出ずっぱりなのだが、彼が最初に言っていたことを覚えている人が果たして何人いるか。しかし、それは正解なのである。

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 パッチの大冒険が大団円を迎えるクライマックス。彼はもはやかつての“チビ介”ではない。父の死を乗り越え、愛するジュニパーを取り戻さんとするその姿は、既にリーダーの風格。これまでの冒険を回想し、感慨に浸りながら、我々鑑賞者は、パッチとかつて彼の父を殺した宿敵ゴルゴサウルスとの死闘を見守る。そして、パッチが体現する“恋と気合い”がゴルゴサウルスに勇気の一撃を叩き込んだとき、我々は、この物語の真の意味を知る。より厳密には、パッチの一撃によってはじけ飛んだ、“ゴルゴサウルスの歯”を見たときに、である。

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 パッチの大冒険を漫然と鑑賞していた筆者は、ここで「あっ」と声を上げた。そういえば、これはあくまでも“シティ派の少年がくだらないと吐き捨てた一欠片の化石にまつわる物語”だったのである。まぁ、“ドンデン返し”なんてものでは決してないのだけれど、これまで繰り広げられてきた“パッチの冒険”が、実は歯の化石にまつわるエピソードだった、という語り口は、中々おもしろいと感じた。大げさに言えば、『MIB』シリーズお馴染みの“視座の転換系オチ”みたいな趣がある。それになにより、あの鳥やおじさんが言うところの“考古学はおもしろいぞ”という主張がすごい説得力を持ってくる。

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 そう、考古学はおもしろい。気付いた少年は、おじさんの下へと駆け出す。小さな恐竜パッチの物語は、7000万年の時を経て、今、小さな少年の物語を紡ごうとしている。これから先、キリストが死んでから何千年経とうとも変わらない、受け継がれるドラマ。きっと、流れには果てなんか無いんだろうと思う。

点数:80/100点
 本作に登場するシティ派の少年は、ドラマに出会い、心に無垢な彩りを取り戻した。しかし、筆者はどうだろう。新年だと言うのに無気力な日々を過ごしている。果たしてドラマはどこにあるのだろう。ロマンの在処はどこなのだろう。太古の昔だろうか、光届かぬ深海だろうか。それとも、見果てぬ宇宙なのだろうか。

(鑑賞日[初]:2014.11.1)










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