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17
2015

[No.321] ラブド・ワンズ(The Loved Ones) <62点>

CATEGORYホラー
loved ones



キャッチコピー:『理想のイケメン王子様、捕獲完了。』

 ローラの、ローラによる、ローラのための傷だらけ

三文あらすじ:オーストラリアの小さな町に暮らすイケメン高校生ブレント(ゼイビア・サミュエル)は、地味で内気な同級生ローラ(ロビン・マクレヴィー)から受けたプロムの誘いを断る。自宅に帰り一人プロムまでの時間を潰すブレントだったが、突然何者かに拉致され、気がつくとローラの自宅に監禁されていた。ネオンがきらめく部屋の中にタキシード姿で拘束されたブレントに対し、ドレスを着てプロムクイーンになりきったローラは、血の陵辱を開始する・・・


~*~*~*~


 いわゆる“拷問系”の映画っていうのも、今やもう立派に市民権を得た、と言ってよいだろう。このジャンルの作品を紹介するときは毎回コレばかり言って恐縮ではあるが、やはり始祖にして金字塔は『SAW』だと思う。とはいえ、同作ではまだ被害者側にも一定の自由と生き残るための僅かな希望はあったのである。今となっては、もはや囚われの“生け贄”に自由や希望なんて無い。脱出の望みなど一切存在しない状況の中、何の罪も無い一般人がただただ指を切り落とされ、皮を剥がれ、硫酸で焼かれていく。そんな様を作り手は満面の笑みで提供し、我々観客もまた極みに達した満足を以てうやうやしく受け取るのである。偏狂的情動というのは、どんどんシンプルに高密度に進化していくものではあるものの、こんな現状はちょっと異常だよな。

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 本作における“生け贄”、すなわち、イケメン高校生ブレントに対する“陵辱”も、健全な精神で鑑賞するには全く以て常軌を逸している。陰キャラ女子が思いを寄せるイケメン男子を拘束し、やりたい放題むちゃくちゃやる、というあらすじを読みかじったとき、心身共に健康なおっさんである筆者などは、ほほう、それは下ネタを含みますかな?といささか鼻の穴をふくらませた。もちろん、そこには少々残虐な殴打や傷害が介在するとしても、世界への憎しみとイケメンへの理想を混同させ、愛をねじ曲げてしまった女子高生は、きっと足を舐めさせたり、コレをソレしたり、アレをドレしたりするに違いない。そう予想した筆者を誰が責められようか。

 今時の女子高生は、そんな甘っちょろくはない。フォークとナイフを用いて胸部から腹部を大胆にえぐる“お絵かき”、逃走を防止するために両足の甲を貫く包丁、そして、電動ドリルで額に穴を空け、そこから熱湯を注ぎ込もうとするクライマックス。…おい、エロはどこいった!? あまりにも率直で止めどない残虐行為のオンパレードに、筆者の空いた鼻の穴はしばらく塞がらなかったのである。

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 結局、ローラというマジキチ女子高生は、別にブレントを愛してはいないのだろう。娘に対し溺愛を越えた感情すら持つ異常な父の下で、彼女はこれまでも目を付けたイケメンを拉致しては、同様に“陵辱”の限りを尽くしてきた。そこには、“愛”はもちろんのこと、本来的な意味での“憧れ”すらない。彼女は、ただ純粋に拷問を楽しむ完全なるサイコパスだ。この意表を突いた(突かれたのは筆者の意表だけなのかもしれないが。)キャラクター設定は、少し斬新でおもしろいと感じた。もっとも、それやったら女子高生の意味あんま無いやん!という気持ちも心のどこかにあり、なかなか端的には評しづらい部分である。

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 その他、本作には個人的に少し引っかかった部分がある。 それは、サブ・ストーリーに注力しすぎではないか、という点。本作のように混じりっけ無しの“拷問”を楽しむべき映画に関しては、できるだけ常軌を逸した加害者側のキャラ設定とできるだけ帰責性の無い被害者側のキャラ設定のみ整っていればいい。キャラ設定の補完として多少の過去話などがあってもいいが、それは比較的確固たるキャラクター造形が求めれらがちな加害者側にこそ必要なのであって、被害者側はむしろそんなにキャラ立ちする必要すらない、とも言える。

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 ところが、本作では、被害者側のドラマをけっこうしっかり描こうとする。自身の運転中の不注意で過去に父親を死なせてしまったブレントのドラマ。ブレントの友人がプロムに誘ったハード・ロック調の美女が、実は過去の被害者の恋人であったというドラマ。特に後者のドラマに関しては、ブレントの監禁・陵辱と平行して序盤から継続的に描かれるので、初見の鑑賞者は、なんだなんだ?とポパイさながら好奇心をかき立てられるのである。

 しかし、それでいて、実際のところ被害者側のサブ・ストーリーは、本作の構成上、別に必要ない。彼らが有する過去の過ちや現在の悲しみが本作の大団円にカタルシスを与えることもないし、かといって、さらなる絶望を生ぜしめるわけでもない。本作の陵辱シークエンスは、この手のジャンルにおけるいわゆる“ノリノリ系”の拷問描写が多いだけに、唐突なシリアスドラマの必然性には疑問を感じざるを得ないのである。

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 鑑賞後、筆者の中でなにやら不完全燃焼なモヤモヤが残ったのは、おそらくこの点において本作が中途半端だったからだと思われる。もっと純粋にローラの陵辱とブレントの逆襲にのみスポットを当てて描けば、“拷問系”の中でも相当な良作になった気がして残念だ。別にエロが無かったことを残念がっているわけでは、もちろんない。

点数:62/100点
 まぁ、引くほど猟奇的な女子高生、というコンセプト自体はけっこうおもしろい。ただ、ローラをもっと不細工にして、もっとクレイジーにして、もっとキャラ立ちさせれば、すこぶる良質な“拷問映画”になっていたように思う。被害者側の“女々しい”ドラマなんかに尺を割かず、しっかりと加害者側のキャラ構築に専心すべきだったのではなかろうか。

(鑑賞日[初]:2015.2.1)










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Tag:グロ注意 拷問系 これが女の生きる道 青春映画

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