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2015

[No.331] プラネット・テラー in グラインドハウス(Planet Terror) <90点>



※ちょっとグロいです in グラインドハウス。


キャッチコピー:『これがホントの“女の武器”』

 美脚とマシンガンを愛する全てのマザー・ファッカーたちへ。

三文あらすじ:テキサス、田舎町のある夜、J.T.(ジェフ・フェイヒー)のバーベキュー・レストランにやって来たゴー・ゴー・ダンサーのチェリー・ダーリン(ローズ・マッゴーワン)は、元恋人の解体屋レイ(フレディ・ロドリゲス)と偶然にも再会する。同じ頃、軍の部隊長マルドゥーン中尉(ブルース・ウィリス)と生物化学者アビー(ナヴィーン・アンドリュース)の取り引き中に、生物兵器DC2(コードネーム“プロジェクト・テラー”)のガスが噴出。町中に拡散したガスに感染したゾンビの大群と生き残りとの決死の戦いが幕を開ける・・・


~*~*~*~


 筆者が敬愛する変態映画監督クエンティン・タランティーノと“盟友”の関係を公言する男、ロバート・ロドリゲス。彼が監督するこの『プラネット・テラー』は、ファッキンな盟友2人による古き良き映画企画『グラインドハウス』の片割れである。もう一方の『デス・プルーフ』については、以前感想を書いた。

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 まぁ、『グラインドハウス』の片割れ、と言っても、両作では、その趣がことごとく違う。『デス・プルーフ』に関しては、言ってみればタランティーノの趣味が爆発したカーアクション映画であった。対して本作。監督の趣味が爆発している、という点においては、『デス・プルーフ』と同じだろう。しかし、本作は、健全な映画鑑賞者が憤るべき超グロテスク・スプラッター映画である。

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 まぁ、本当にグロい。いや、マジでどうしようもなくグロい。日頃から悪趣味でグロテスクでバカバカしい作品の感想を書いている当ブログであるが、本作は、これまでのあらゆる作品の追随を許さぬ圧倒的王座に君臨している。

 本作におけるグロシークエンスの個人的ベスト3を挙げるなら、まず、第3位は、ブルース・ウィリス変身シーンということになる。

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 ブルース・ウィリスが演じるのは、DC2の影響でゾンビと化した一個小隊の部隊長マルドゥーン中尉。彼が率いる部隊員たちは、みな普段は人間の見た目なのだが、それはDC2を吸引しているときだけの仮初めの姿である。ボンベからのガスの供給が途絶えると、彼らは見るも無惨な人外の化け物へと変貌してしまう。その中でもクライマックスに訪れるマルドゥーン変身シーンの迫力は圧倒的。もはや“ゾンビ”なんて可愛らしい呼称で済まされるようなルックスではない。『バイオハザード』で言うならタイラントとか、その辺りのボス的クリーチャー。おぞましく、恐ろしい。変身過程でマルドゥーンの顔に現れる水ぶくれみたいなボツボツも地味に鳥肌もの。

 続いて、第2位は、同じくマルドゥーン率いる部隊から、タランティーノ自身が演じる名も無き兵士の変身シーンである。

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 こいつは本当にクレイジー。捕らえたチェリー・ダーリン及びダコタ・ブロック両人をレイプしようとするのは、まぁまだいいだろう。ゾンビ映画における規律は、我々が日頃縛られているような退屈な規範ではない。暴力と狂気のみが、寄って立つべき真実である。ところが、さぁズボンを降ろし、いざ突撃!という瞬間、ふと彼が自身の股間を注視すれば、今まさに朽ちつつある我がムスコ。あ、そーいえば、興奮しすぎてマスク外してた!と得心に至るも、逡巡は刹那。仲間の忠告を無視し、やはり突撃を試みるレイプ魔、その全身はドロドロに腐り果て、口からは何やら良く分からない謎の“かたまり”を吐き出す。この辺りの描写が、本当に執拗でグロい。腐っていくチ○コは割とハッキリ描かれるし、謎の“かたまり”は気持ち悪い触手を無数に放出する。まぁ、タランティーノが楽しそうだからいいのだけれど。それに、このシークエンスは、始めて“フルアーマード・チェリー・ダーリン”が登場する記念すべきシークエンスだったりもする。

 真に問題なのは、本作で最もグロいシークエンスたる病院での患者治療シーンである。

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 これは…もう…。筆者は当ブログ内の感想で度々“筆舌に尽くしがたい”などという表現を用いてきた。しかし、ここに告白するなら、それらはまぁ大抵大げさな誇張でしかなかったのである。本当に“筆舌に尽くしがたい”のは、まさに当該シークエンス。

 なんかほとんどキャラ立ちしていない、いわばモブ的な男が病院にやってきて、先述したダコタの旦那であるウィリアム・ブロック(ジョシュ・ブローリン)に診てもらう。右腕には大きく深い咬傷。この傷口が既にキモイ。噛まれたばかりだという男の主張にも関わらず出血していない傷口を見たブロックは、実は受傷後2週間は経過しているのでは?と詰め寄り、壊死が始まっているため腕の切断が必要である旨を説明。この間、彼の背後のパソコン・ディスプレイに映し出されている画像がまたキモイのである。めっちゃ肥大化してガサガサになった手足とか陰部とか。ブロックの助手が、どこぞの戦争ではこんな患者がごまんといた、というような説明をヘラヘラと続けるのだが、こっちはもうそれどころではない。極めつけは、ブロックが患者の口の中を見ようとした瞬間に現れる、ボツボツの舌。あー、頭がおかしくなる。

 このシークエンスがその他のシーンより圧倒的にグロいのは、エンターテイメント性が欠如しているからだと思う。“映画的ではない”、あるいは、“リアル”と言い換えてもいい。前述2シークエンスは、いずれもゾンビのキャラクターがいた。しかし、当該シークエンスのグロ的主役は、名も無き一般人。その症状も、おどろおどろしいモンスターへの変身ではなく、“傷”だったり“ボツボツ”だったりといったありうる症例。つまるところ、普通にグロい診察シーンを見せられているわけである。おまけに、必ずしも必要ではない壊死股間の画像をバックで流された日には、こちらの精神は崩壊寸前。華がないのにそれでいて無意味なグロシーンの連発に、我々のピュアなハートは完全に憔悴してしまうことだろう。

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 さて、以上のように、筆者は本作のグロシーンたちにかなりご立腹なのだが、それでももう幾度も鑑賞している。それはなぜかというと、本作には、“バカ映画好き”なら熱い血のたぎりを禁じ得ない“漢の魂完全燃焼”なヒロイックシーンが無数に併存しているからだ。

 その大部分を担っているのは、やはり彼女。

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 これは…もう…。筆者はこれまで散々“漢の魂が完全燃焼する”なんて言ってきたけれど、それは全て彼女のためにこそあるフレーズだったのだ。目映い美貌と鮮烈の美脚を兼ね備えた美女が欠損した脚部にマシンガンを装着する。圧倒的にパーフェクトなコンビネーション。冒頭でしっかり描かれるストリップシーンは彼女が右足を奪われる絶望のための前フリであり、その絶望はマシンガン装着というクライマックスのための最高のお膳立て。ただただ銃器を義足にしただけではない。もっていきかたが本当に上手いのである。

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 これこそが、“フルアーマード・チェリー・ダーリン”。筆者が思う「映画史に残るヒーロー(ヒロイン)ランキング」では、常に上位に君臨する女神である。

 それから、本作では、“グラインドハウス”ならではのお遊びもおもしろい。『デス・プルーフ』でもそんなお遊びはあった。印象的に用いられていたのは、やはり“モノクロからの黄色いマスタング”のシーンだろうか。わざと映像を白黒にしておいて、突然カラーに切り替える。そのとき我々は、女の子たちが乗っていたフォード・マスタングが、実は目の覚めるような黄色だったことを知るわけである。これがまたテネシーの冴えた青空に映えていて、ものすごく効果的であった。筆者などは、初鑑賞時、突然訪れた色の洪水に溺れそうになりながら、“嗚呼、映画っておもしろいな”と深く感じ入ったものである。

 本作で最も印象的なお遊びは、もちろん“MISSING REEL”のシーンである。かつて真に愛し合った恋人でありながら、勘違いやすれ違いから道を違え、そして、今また出会ったチェリー・ダーリンとレイ。今でも変わらぬ想いを寡黙に、しかし、素直に表現するレイと強がりつつあしらうチェリー・ダーリンの関係性は、しっかりと序盤から前フリされる。物語も中盤、遂に想いをぶつけ合った2人は、これまでの時を取り戻すように愛し合う。ここはかなりセクシー。それまでグロテスクで悪趣味な映像ばかり見せられていた観客もふと我に返り、束の間のエロに舌鼓を打つ。

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 と、前のめりに鑑賞していると、何やら画面がフニャフニャと揺れ始め、映像がムニャムニャとぼやけ始める。そして、なんとフィルムが焼き切れてしまうのである。スクリーンには“MESSING REEL(一巻紛失)”とのお知らせと館主からの謝罪のメッセージが。どういうことかと言うと、つまりこれは、昔の映画館での“あるある”なのである。古き良き映画館というのは、セキュリティーが中々にずさんだったらしく、心ない映画ファンが勝手に映写室に入ってリールを切って持って帰ってしまったり、酷いときは映写技師自身が持ち去ってしまったりといったことが割と日常茶飯事に起きていたらしい。そして、これは特にエロシーンが収録されたリールで顕著だったという噂も。そういったかつての映画館事情を知っている者からすれば、思わず笑ってしまう秀逸なお遊び、というわけだ。

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 しかも、このシーンは、単なる“あるある”のお遊びに終始しない。レイは寡黙なイケメンなのだが、なにやらかつて警察といざこざがあったようだ、ということが序盤から暗に描かれる。特に、マイケル・ビーン演じるヘイグ保安官との仲は最悪で、ゾンビが人を食い散らかす阿鼻叫喚の最中でも、レイは火器一つ与えてもらえない。しかし、今回の混乱の中でヘイグも徐々にレイのただならぬ本質に気付き始め、彼のタトゥーを指しながら「貴様はいったい何者なんだ?」と問うシーンがあったりする。ヘイグも真実を知らないようだが、観客は何がなんやら全く分からない。ただ、レイが圧倒的な体術を有し、重火器にも精通した謎の男だ、ということと、彼のタトゥーには何かしらの秘密がある、ということしか理解出来ない。しかし、逆に言えば、全てが明かされるであろう終盤へのワクワクは高まるばかりである。

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 なーんて思いながら漫然と鑑賞していると、前述の“MISSING REEL”。ロドリゲス、馬鹿やってんなー、なんて笑っていられるのも束の間、我々は目を丸くする。なんと、映画が再開されると、主要人物たちが立て籠もりひととき安全なはずだったバーベキューショップが思いっきり燃え上がっていて、場はパニックのただ中にあるのである。あんなにレイを嫌っていたはずのヘイグは、首に重傷を負って倒れながらも、「まさか、お前があの“エル・レイ”だったとはな…。」なんて訳知り顔で呟いている。

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 おいおい!どうなった!?

 10人が鑑賞すれば10人がそう叫ぶことだろう。これは本当に上手いなぁ。しっかりと前フリした上での絶妙の“スカし”。しかも、その後、エル・レイをリーダーとしてクライマックスになだれ込む展開が極めてスムーズに進む。だって、話が飛んでいるように感じられるのは、観客が一巻分観ていないだけなんだから。登場人物たちの行動原理としては一切説明不足な部分は無い。

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 お遊びと見せかけて実はこの上なく機能的な“MISSING REEL”のパート。『フォー・ルームス』の第3話「かわいい無法者」でも痛感したが、やはりロドリゲスは、映画の見せ方が上手い。本当にグロテスクで、毎回鑑賞の度、心から憔悴してしまうのに、それでも筆者が本作に取り憑かれている理由は、以上の通りである。

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点数:90/100点
 何度も言うが、本当にグロい。言葉にならぬくらい悪趣味だし、呆れかえるほど辟易とする。でも、心底楽しい。紛う事なき“エンターテイメント”なのである。

(鑑賞日:2015.3.8)










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Tag:グロ注意 これが女の生きる道 悪趣味映画 バカ映画 ブルース・ウィリス

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