[No.334] フロム・ダスク・ティル・ドーン(From Dusk Till Dawn) <96点>





キャッチコピー:『返り討ちにしてやるぜ!』

 全てが詰まった大人の宝箱。

三文あらすじ:アメリカ各地で強盗殺人を繰り返した兄弟、セス・ゲッコー(ジョージ・クルーニー)とリッチー・ゲッコー(クエンティン・タランティーノ)は、メキシコへの逃亡途中、牧師を辞め放浪の旅をしていたジェイコブ・フラー(ハーヴェイ・カイテル)とその一家を脅し、彼らのキャンピングカーに便乗することで国境を突破する。メキシコに到着した一行は、兄弟が現地の組織の使者と落ち合う予定のナイトクラブ“ティティ・ツイスター”で一夜を過ごすことにするのだが、なんとそこは邪悪な吸血鬼の巣窟と化していた。かくして、夕暮れから夜明けまで(From Dusk Till Dawn)の壮絶な死闘が幕を開ける・・・


~*~*~*~


 変態映画監督クエンティン・タランティーノが脚本を執筆し、彼の盟友ロバート・ロドリゲスが監督した本作。両者とも敬愛している筆者としては、当然のことながらマスターピースの一つに位置づけるべき傑作である。

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 本作を観た健全な映画鑑賞者がまず度肝を抜かれるのは、その大胆かつ奇抜なストーリー構成ではないだろうか。端的に言うと、本作の前半は、ゲッコー兄弟がフラー一家を人質にしながら国境越えを目指すクライム・アクション。しかして、後半になると一変、ティティ・ツイスター内で繰り広げられる阿鼻叫喚のスプラッター・ホラーになるのである。 この驚愕の構成を前にした初鑑賞時の筆者などは、「さすがタランティーノ!」と彼への羨望をますます強めたのだが、ストーリー原案としてクレジットされているのは、特殊メイクデザイナーのロバート・カーツマンなので、本当は彼こそを誉めてあげるべきなのかもしれない。

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 余談だが、実は本作には元ネタとなる作品が存在する、というのも、映画ファンの間ではよく語られる話。まぁ、だいたい1963年公開の『魔の谷』か1968年公開の『バンドレロ』を挙げる人が多いようである。

 とはいえ、そんな映画史的な話なんか、正直どうでもいいのである。『魔の谷』にしたって『バンドレロ』にしたって、本作ほどファッキンでサノバビッチではないだろう。つまるところ、本作ほど“クール”ではないに違いない。そう、筆者の個人的な見解としては、本作の見所は、実は前半部分にこそある。一言で言うなら、ゲッコー兄弟の格好良さに尽きるのである。

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 兄であるセスをジョージ・クルーニーが、弟であるリッチーをクエンティン・タランティーノ自身が演じているのだが、二人のいぶし銀たるや。セスはカリスマ性を帯びたロックンロールな狂気、リッチーはオタクっぽい陰湿な狂気。両者とも“クレイジー”と形容するのが最も適切なのだが、最高にセクシーでクールなのである。

 そんな二人の格好良さが最も端的に表れているのが、オープニング・シークエンス。これは、筆者の中では、映画史上トップクラスのオープニング。いや、思い切って映画史上NO.1と言っていいのかもしれない。



 まぁ、これなんだけれども、いやぁ格好いいね。小言なんか言いながら歩く二人の悪党。背後では大爆発。颯爽と去るテキサスの一本道。これ以上はない。これ以外はいらない。また、この爆発のやり過ぎ感が本当に素晴らしい。本作を冒頭から観てもらえば分かるのだが、この爆発の元凶は、件のグロッサリーストアーに陳列されている酒類のみ。別に爆薬を仕込んだわけではないのである。いや、そんなに爆ぜる?!というこちらの爆笑と鳥肌を見越した上での演出。素晴らしい。真心から素晴らしい。

点数:96/100点
 最高にバカバカしく、最高に格好いい。つまりは、我々タランティーノ好きにとって必要なものが全て揃っている、というわけである。

(鑑賞日:2015.3.22)

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