[No.36] 2001年宇宙の旅(2001:A Space Odyssey) <2001点>

2001 A SPACE ODYSSEY



キャッチコピー:『この眼で見る33年後の現実!空前のスケールで、はじめてシネラマ大画面に描く冒険と探検のスリル!本格的SF巨篇!さあ家族そろって未知の世界へ出発!待ちに待った宇宙旅行!愈々(いよいよ)明朝9時30分発射!』

 I'm sorry Stanley, I'm afraid I can't understand that.

三文あらすじ:遠い昔、突如アフリカの大地に出現した黒い物体”モノリス”に触れた類人猿は、道具を使うことを覚える。400万年後、ヘイウッド・フロイド博士(ウィリアム・シルベスター)らのチームは、月のティコ・クレーターで発見されたモノリスを調査していたが、その最中、モノリスは怪音と共に木星への信号を発信する。2001年、デビッド・ボーマン(キア・デュリア)、フランク・プール(ゲイリー・ロックウッド)他5名の乗組員と人類史上最高の人工知能HAL9000(声:ダグラス・レイン)を乗せた宇宙船ディスカバリー号は、木星探査ミッションの途上にあった・・・


~*~*~*~

 
 一映画ファンとして、勇気を振り絞って言う。いやぁ、あいかわらず退屈だった…。かれこれ3回目の鑑賞になるが、やっぱりどうしても、どうやったって、ボーマンが高次元へ移行する途中のあのカラフルなシークエンスで寝そうになってしまうんだよな…。

2001①


 そもそも、冒頭の”人類の夜明け”が既に退屈きわまりない。もちろん、猿たちが自由に暮らすアフリカの風景は、とんでもなく綺麗で雄大。これがまた実はセットでの撮影だというから驚きだ。むしろロケをした方が楽だったのではないかと思えるが、キューブリックの極度の飛行機嫌いを考慮すれば、納得の"無駄遣い"である。それから、なんと言っても特筆すべきは、類人猿のメイキャップ。このリアルさは本当にすさまじい。同年公開の『猿の惑星』にアカデミーメイキャップ賞を獲られたことを受けて、本作の小説版を執筆したアーサー・C・クラークが「審査員は『2001年~』の猿は本物の猿だと信じていたんだろう。」とジョークを飛ばしたというエピソードも、なるほどその通りとうなずける。

2001②


なんだけど…。まぁ、とにかくテンポがゆったり。はじめの内こそ興味深く鑑賞できるが、そのうちまるで猿の生態観察ビデオを延々見せられているような錯覚に陥ってくる。これはもう、よほどのキューブリックファンか、もしくは、よほどの猿好きでなければ、開始30分を越える頃には夢の世界へ誘われてしまうだろう。まさに”2001秒夢中の旅”である。

2001③


 その後も果てること無くゆったりとした展開が続く。それはまるで”美しく青きドナウ”に乗せて優雅なワルツを踊るかのようなテンポだ。特に、ボーマンがポッドに乗って船外活動をするシークエンス、ここはいけない。殺人的に眠気を誘う。BGMは無く、聞こえるのはただ呼吸音のみ。しかも、そのバックには船内の”シュー”という摩擦音が鳴り続けているのである。摩擦音というのは、覚醒状態の天敵だ。古来より英語圏では眠れぬ夜に羊(Sheep)を数えることからもお分かりの通り、摩擦音には、人をリラックスさせて眠気を誘う効果がある。

2001④


 その他にも、人類の叡知を結集した最強の人工知能HAL9000の声。ダグラス・レインというカナダ人俳優が放つ美声がいちいちダンディでスウィートなので、彼が喋る度、眠気に襲われる。しかも、やっとHALがシャットダウンされて安心したところ、そこから24分間セリフ無しという怒濤の展開がスタートするのである。本作は、文部省が”特選”に挙げている唯一のSF映画だと聞いたことがあるが、もし日本不眠症協会というものがあるなら、絶対に本作を”超特選”に挙げるべきだろう。

2001⑤


 とはいえ、筆者は決して本作を駄作だと言っている訳ではない。映画界だけでなく今や世間の常識になっている通り、本作は、押しも押されぬ不朽の大傑作である。では、本作が大傑作とされている理由はなにか。これまたどこでも言われていることだが、素晴らしい映像美壮大で奥深いテーマである(あと、いじわるな言い方をすれば、"キューブリックお得意の説明不足"も重要なファクターだ。)。そして、この両者については、解説サイトや解説本が山のようにあり、数多の映画マニアがそれこそツァラトゥストラがごとく語りまくっている。よって、今さら筆者が述べるべきことなど特に無いように思う。本作がいかに睡眠導入ムービーであるかについてしゃべることが出来たので満足だ。

2001⑥


 ただ、今回の鑑賞後、ネットで解説を探していて興味深い解釈を発見したので、そのサイトのアドレスを貼っておく(勝手に貼っていいのかしら。)。老ボーマンが割ったグラスの意味は筆者にとって長年の謎だったのだが、この解釈はその点についても非常に説得的であった。その他にも、浮いたボールペンの意味するところや、ボーマンの両親からのバースデー・メッセージの意味なども納得できた。

解説フラッシュサイト

点数:2001/100点
 映画ファンからの嘲笑や叱責を覚悟で正直に言うと、筆者は本作をおもしろい映画だとは思わない。筆者の信条はあくまでも「映画はすべからくエンターテイメントだ!」であって、本作の退屈さはいささか許し難いものがある。しかし、映像という点で本作は未だSF映画の頂点に君臨していると言っていいくらい圧倒的であるし、また、SF映画好きの筆者としては、現在制作されるSF映画全てにとってのお手本的存在である本作を、世紀の大傑作であると思う気持ちもまた本心である。結局、未だ低次元の存在に留まっている筆者には、本作の本当の見方が分かっていないのだろう。いつの日か、モノリスが眼前に降り立つ日を心待ちにするばかりである。

<おまけ>
今の筆者には、これで充分。


(鑑賞日:2012.2.12)

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