06
2015

[No.353] スペル(Drag Me To Hell) <65点>

CATEGORYホラー




キャッチコピー:『何故?どうしたら?解かなければ、死。』

 女たちにとっての地獄は“老い”である。

三文あらすじ:銀行の窓口で融資を担当する女性クリスティン・ブラウン(アリソン・ローマン)。ある日、一人の老婆シルヴィア・ガーナッシュ(ローナ・レイヴァー)が窓口を訪れ、ローン支払いの延期を訴える。クリスティンがこれを断ると老婆は暴れ始め、いったんは警備員に追い出されたものの、その夜、帰宅途中のクリスティンを地下駐車場で襲い、去り際に不気味な呪文を吐きかける・・・


~*~*~*~


 1981年、革新的傑作ホラー『死霊のはらわた』で全ホラーファンを恐怖と興奮のるつぼに引きずり込んだ天才サム・ライミ。その後、同作をトリロジーに昇華させたり、他にもあれやこれやと監督作を排出してから、現在まで続く“アメコミ・ブーム”の先駆者的名作ヒーロー譚『スパイダーマン』を3作に渡って監督するに至り、彼の名声は全世界的なものとなった。そんな彼が、蜘蛛男のトリロジー後ひさしぶりに監督したホラー映画が、本作『スペル』である。

 本作のおおまかな筋としては、銀行の窓口女性が逆恨みで“呪い”をかけられ、ドロンドロンのケチョンケチョンにされる、ただコレだけ。もちろん、本作の主人公は呪いに対して苦心惨憺、試行錯誤、七転八倒の八面六臂で抗っていくのであるが、結局は原題通り“地獄に引きずり込まれる”ことになる。

drag to hell


 まぁ、本作のこの悲劇的なオチは、仰々しく“ネタバレあり!”と注記しておくほどのものではないだろう。あれだけ必死こいて頑張ったアッシュがそうであったように、往々にしてホラー映画の主人公というやつは、結局ラストで災難に見舞われがちだ。

 とはいえ、本作のバッド・エンドは、他のホラー作品と比べてみてもやや突出して無情。それは、やはり、偽善に嫌悪感を抱く健全な社会人からすれば、完全に“逆恨み”で呪いをかけられた、という主人公の帰責性の無さが大きく寄与していると思われる。しかし、それにも増して本作の読後感がどこか物悲しいのは、何と言っても、幼気なアリソン・ローマンちゃんが主人公だからではなかろうか。

dragmetohellAlisonLohman


 筆者の中での彼女は、巨匠リドリー・スコットの手による傑作ハートウォーミング・サスペンス『マッチスティック・メン』におけるニコラス・ケイジの娘アンジェラである。同作のラストもどこかしら物悲しさの漂う切ない幕引きだったのであるが、それは、アンジェラを演じるアリソンちゃんがあまりにもピュアでキラキラしていたからでもあった。そんな彼女も本作では随分と大人の役を演じるようになり、筆者などはまさに父親の心境で、悲劇にも強く立ち向かっていく彼女の雄姿を温かく見守っていたのであった…。

 が!しかし!よくよく彼女のプロフィールを見てみると、なんと生年月日1979年9月18日とあるではないか…!ということは、2015年9月6日の現時点で、彼女は36歳…!2009年の本作公開時点では、三十路だったということになる…。しかも、改めて考えてみれば、2003年公開の『マッチスティック・メン』出演当時、彼女は、24歳だったということではないか!これは…ロリータ!圧倒的ロリータ!だって、同作のアンジェラは、14歳の設定だったんだもの!『ハード・キャンディ』で同じく14歳の少女を演じた“弱ロリータ”のエレン・ペイジだって、当時の実年齢は18歳だったんだぞ…!

matchstickmenarison.jpg


 これが『マッチスティック・メン』のアンジェラ。おさない顔してるだろ。ウソみたいだろ。24なんだぜ。それで。

 こうなっては、もう軽々しく“アリソンちゃん”なんて呼んでいられない。敬い労わる対象としての“アリソンさん”であり、エレン・ペイジをも遥かに凌ぐ“強ロリータ”である。彼女は、年を取らない呪文でもかけられているのではないだろうか。

点数:65/100点
 サム・ライミ久々のホラーとして、ファンの期待を裏切らない良作。彼の持ち味が存分に発揮された、醜悪でぶっ飛んだ痛快なホラー作品である。もっとも、個人的には、作品外の部分で戦慄してしまった。ラ・ロシュフコーの言葉が正しいのなら、きっとアリソンさんは、一生地獄に引きずり込まれることはないであろう。

(鑑賞日[初]:2015.7.12)










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Tag:ヘンテコ邦題 悪趣味映画

2 Comments

キキキの下太郎  

こんにちは

いつも楽しく見させてもらってます!場違いで申し訳ありませんがゴジラモスラキングギドラをご覧になったことはありますか?もしあれば是非評価を見てみたいです!

2015/09/15 (Tue) 09:51 | EDIT | REPLY |   

Mr. Alan Smithee  

Re: こんにちは

キキキの下太郎さん

まず、全く場違いではありません。
当ブログでは、怪獣映画を全力で応援しております。

さて、筆者が観たことのあるゴジラシリーズは『vsデストロイア』までなので、
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』は、恥ずかしながら未見です。

でも、一度観てみようとは思っていました。確か、監督は金子修介ですよね?
筆者は平成ガメラシリーズが大好きですので、『ゴジラ・モスラ~』も近々
観てみます。

また鑑賞したら感想書きますので、よかったら読んでやってください。
キキキの下太郎さんの感想も教えていただきたいので、ぜひコメントいただけると
幸いです。

2015/10/08 (Thu) 23:03 | EDIT | REPLY |   

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