[No.348] アベンジャーズ / エイジ・オブ・ウルトロン(Avengers:Age of Ultron) <80点>





キャッチコピー:『愛を知る― 全人類に捧ぐ。』

 童心を知る― 全ての変態オヤジに捧ぐ。

三文あらすじ:ヒドラの残党バロン・フォン・ストラッカー(トーマス・クレッチマン)が極秘裏にロキの杖を使い人体実験を行っていることを掴んだスーパーヒーローチーム“アベンジャーズ”(Avengers)は、東欧の小国ソコヴィアの研究施設を襲撃、双子の改造人間ワンダ(エリザベス・オルセン)とピエトロ(アーロン・テイラー=ジョンソン)に翻弄されるも、ストラッカーの確保及びロキの杖の奪還に成功する。基地に戻り杖の解析を進める中で、杖の先端にはめ込まれた宝石に人工知能の存在を認めた“アイアンマン”ことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)と“ハルク”ことブルース・バナー(マーク・ラファロ)。バナーの疑義を押して、スタークは人工知能による完全な平和維持システム“ウルトロン(Ultron)計画”を実行するが、“アベンジャーズ”を平和実現のための排除対象として認識したウルトロンが、彼らに立ちはだかる・・・


~*~*~*~


 前作『アベンジャーズ』公開時、日本では、“キャッチコピー騒動”とでも呼ぶべき物議が、業界内外で醸し出されていた。“日本よ、これが映画だ。”という前作のキャッチコピーに対し、なんだかよく分からないいわゆる“知識人”のような人たちが文句を吐き、マスコミがこれをおもしろおかしく騒ぎ立てた、というのが、まぁ大まかな実態だろう。それを受けてか受けずかは知らないが、次作にあたる本作のキャッチコピーは、“愛”を全面に押し出し、かつ、呼びかけの対象を“日本人に限定しない”という、いささか曖昧なものに仕上がっている。

au13.jpg


 全人類に捧げるのは別に良いとして、問題は“愛”の部分である。本作は、そこまできっちりと“愛”を描いてはいない。もちろん、争いあってばかりいる現状の人類など救うに値しない!と断じる人工知能と人類の戦い、そして、お前たち“アベンジャーズ”こそが争いの元凶ではないのか!と憤る人工知能とヒーローチームとの戦いを描く作品であるから、主人公サイドを正当足らしめるための要素として“愛”は欠かせない。

 実際、本作では、前作と比較して“愛”にまつわるキャラクターが多く登場する。

 もっとも端的なのは、深緑の巨人“ハルク”ことブルース・バナーと漆黒の暗殺兵器“ブラック・ウィドウ”ことナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)の恋愛関係であろう。これはやや突貫的なフォーリン・ラブな気もするが、まぁ、そもそもアメコミヒーローというのは、とにかくふしだら極まりないものである。ブラック・ウィドウも原作では、ホークアイと付き合っていたり、キャプテン・アメリカの相棒と付き合っていたり、デア・デビルと付き合っていたり、本当に尻軽である。それにしても、ハルクの恋人といえばベティ―だと認識していたのだが、そのあたりはどうでもいいのだろうか。

au6.jpg


 それからもう一つ、本作で家族愛を体現するキャラクターは、鷹の目の射手“ホークアイ”ことクリント・バートン。なんと彼は、美人妻(妊娠中)と幼い子供2人を持つれっきとしたパパであることが、本作で判明する。なにやら、よし!今回は“愛”を描こう!まずは“家族愛”だ!と考えた制作人が、むむ!誰に家庭を持たせるか…アイアンマンはポッツがいる、キャプテンは冬眠から目覚めたばかり、ソーは神だし、ハルクは常に逃亡中、ウィドウはちょっと若すぎるし…あ!じゃあホークアイだ!みたいな感じで決めたような気もする。その結果として、よし!次は“恋愛”だ!余ってる2人は…ハルクとウィドウだ!『インクレディブル・ハルク』?あぁ、あれはそもそも一発目も無かったことになってるからいいだろう、ベティ―さよならー!となったのかもしれない。

au14.jpg


 “家族愛”ということでは、あと2人該当キャラクターがいる。真紅の魔性“スカーレット・ウィッチ”ことワンダと神速の群青“クイック・シルバー”ことピエトロのマキシモフ姉弟である。ソコヴィア人である彼女らは、幼いときの爆撃で両親が死亡し、そのときの爆弾がスターク・インダストリー製だったためトニー・スタークを憎んでいる、というキャラクター。

 弟であるクイック・シルバーを演じるのは、今をときめくアーロン・テイラー=ジョンソン。アメコミ好きとしては、言わずと知れた『キック・アス』として認識すべき俳優である。また、モンスターパニック、あるいは、特撮好きであれば、ギャレス・エドワーズ版『GODZILLA』の主役フォード・ブロディ大尉として想起するのが正しいだろう。爆弾処理員なのかヒッチハイカーなのかよく判別の付かない活躍を見せたあの彼である。

au15.jpg


 それから、姉であるスカーレット・ウィッチを演じるのは、今注目の若手女優エリザベス・オルセン。『マーサ、あるいはマーシー・メイ』で鮮烈な劇場映画デビューを飾ったらしいが、そんな作品は、アメコミ好きやモンスターパニック好きの心の索引には残ってはいまい。我々が覚えておくべき、あるいは、思い出すべきは、彼女が、ギャレス・エドワーズ版『GODZILLA』において、フォード・ブロディの妻エル・ブロディを演じていた、という事実である。

au16.jpg


 つまり、『GODZILLA』では夫婦を演じていた2人が、本作では姉弟を演じているという因果。まぁ、再びの共演が偶然なのか必然なのか、またはそもそもその両者に差異などないのかは判然としないが、一種のトリビアではあるだろう。で、このオルセン嬢がまた可愛いのである。

au1.jpg


 私見によれば、彼女は、モレッツちゃんの面影がありながら、マギー・ギレンホールの雰囲気もあるミューズ、ということになる。

au2.jpg


 まさに、真紅のカーペットに横たわる魔性である。もう一枚、エロいやつを。

au3.jpg


 これなんか、もうほとんど見えてしまっているではないか(ちなみに、本当に見えてしまっている写真もあるので、気になる人は検索してみてくれ。)。サイコキネシスを操るスカーレット・ウィッチも、突然の強風に舞うスカートは操れなかったようだ。…ってゆーか、こんなことをうれしそうに言っているようでは、筆者も立派な変態オヤジだな。まぁ、とにかく、オルセン嬢は、今後もヒーロー稼業と両立して様々な作品にどんどん出演していくであろうから、ぜひとも応援していきたい。

 それから、もちろん、我が愛しのスカヨハも頑張っている。

au4.jpg


 相変わらずのむちむちボディコン。セクシーである。やっぱりこっちの“スカーレット”も捨てがたいな。しかも、本作ではパーティシークエンスにおいて、このようなドレス姿も披露。ブルース・バナーとの“大人の恋のつばぜり合い”が大変にセクシーである。

au5.jpg


 …そうだ、筆者の個人的な愛の話ではなく、本作のテーマとしての愛の話であったな。上述した“恋愛”や“家族愛”が2本柱ではあるが、その他にももちろん、アベンジャーズ内の友情に裏打ちされた“仲間愛”であったり、我らがサミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーとアベンジャーズの信頼に裏打ちされた“師弟愛”のようなものだったりは、希薄かつ漠然とではあるが一応描かれている気がする。

au17.jpg


 しかし、一方で、本作に登場するそれらの“愛”は、全く適切な役割を与えられていないように思う。“愛”を持たぬ人工知能が導き出した人類殲滅という論理的な神の帰結を覆すため、人類が“愛”を再確認し、一致団結して敵の不当性と自身の正当性を証明する、という明確な展開は見えてこない。もちろん、“愛”にまつわるキャラクターが多数登場するのだから、人工知能と人類の決定的な違いは観客が感じ取れるだろう?と言われるのかもしれないが、それにしても、キャラクター各々の“愛”のエピソードがみなどこか散り散りで、一貫したテーマ性をくみ取ることが難しい。要は、『サマーウォーズ』における“ラブ・マシーン vs 陣内家”のような分かりやすい対比が無いのである。

au18.jpg


 さて、ここからは、我々アメコミ好き、あるいは、夏のブロックバスター好きが歓喜すべき、アクション面での見せ場についてかいつまんで述べたいと思う。上記では本作の内容的な部分での不満を若干吐露したが、アクション超大作としての本作は、やはり傑作。

 まずは、冒頭。ヒドラ党の拠点にアベンジャーズが急襲をかけるシークエンス。これは、まぁすごい。オープニングから雪崩のように押し寄せるアクションのつるべ打ち。中でも、予告編で印象的に用いられている全員集合のワン・カットは、天晴れの一コマである。

au7.jpg


 これ。まさに「Avengers Assemble!」である。

 それから、やはり本作のアクション的目玉と言えば、満を持して登場、原作ファン大歓喜のアイアンマン Mark.44、通称“ハルクバスター”であろう。

au8.jpg


 これはカッコいい!アイアンマンスーツに身を包んだトニー・スタークがさらにその上から装着する、という鋼鉄の超重量マトリョーシカ。衛星軌道より飛来する補給用小型滞空基地“ヴェロニカ”からパーツが射出される、というのもシビれる。あとは、ただただしっちゃかめっちゃか。現時点でハリウッドが有するアクションの物量を総結集させたかのような圧巻のスペクタクルが、目まぐるしく展開される。もう、この辺は、あなたのようなオッサンも筆者のようなオッサンもすっかりと童心に戻り、キャッキャキャッキャとはしゃいでよろしい。極めつけは、このシーン。

au10.jpg


 原作ファンにはお馴染みの激突シーンだ。言ってみれば『ダークナイト・ライジング』で披露されたベインの“背骨折り”みたいなアイコニックなシーンである。

 ただまぁ、このシークエンスでも本作の“雑さ”だったり“粗さ”が前面に出ている。ハルクとハルクバスターとの大規模な市街地戦に巻き込まれる市井の人々を描写することで、当該シークエンスでは、“ヒーローの是非”という問題提起を行うのだが、本作はその後終幕に至るまでその提起しっぱなしの問題を回収しないのである。「ウルトラマンって実際ビル壊してばっかりやんwww」というマセガキの揶揄や、『大日本人』『ガメラ3』が扱った巨大な英雄の“罪”。換言すれば、人々を救うために必然街を破壊し、逆に人々を危険に晒しているという“ヒーローの矛盾”を突いているわけだが、明快な解答を作中で提示しないなら、そんな問題提起はそもそも不要である。だいたいからして、夏のブロックバスターにそんな辛気臭いテーマなど必要ない!

au19.jpg


 一方で、いやもうちょっと善悪ってもんを考えろよ、思うのが、トニー・スタークの人工知能“愛”。世界平和実現という理想のもとでややドラスティックな手法をとり、結果としてウルトロンという怪物を生み出してしまった、というところまではいいだろう。トニーは、深く深く己を恥じ、汚名返上と名誉挽回に奔走すればよろしい。ところが、彼は、懲りずにまたやるのである。その結果生まれたのが、究極生命体“ヴィジョン”というヒーロー。

au11.jpg


 見た目、ダセェ…。しかも、ダサい割に達観してるし。こいつは、もともと原作ではウルトロンの手で作られた対アベンジャーズ用人造人間だったのだが、本作では、トニーが、なんだかバイオロジーを駆使したような、よく分からないがすごい人体にJ.A.R.V.I.S.を押し込んで生み出したことになっている。そして、このトニーによるヴィジョン創生のシークエンスが、何やら初見では少し戸惑ってしまう語り口になっているのである。ウルトロンを世に放った一度目のミスを全く省みず、またぞろ完璧に同じ過ちを犯しているように見えてしまうからだ。えぇ?またおんなじことやる?いやいや、これはスカーレット・ウィッチの洗脳能力がいまだ残留しているということなのだな!と筆者なんかは早計に邪推してしまったのだが、最後まで鑑賞を続けてもそんな説明は全くなく、本当にトニーがバカなだけ、と考えざるを得ない。この辺はもうちょっとフォローできたのではないだろうか。

au20.jpg


 加えて、個人的にJ.A.R.V.I.S.のキャラクターが大好きだったので、こんなにいけ好かないスカし野郎になってしまって残念だ、という落胆の気持ちもある。しかも、この野郎、原作ではなんと愛しのスカーレット・ウィッチと恋仲になり、あまつさえ結婚し、あろうことか子供を設けるのである…!てめぇ!A.I.の分際で健全な変態オヤジから貴重な目の保養を略奪するとはいい度胸じゃねぇか!と、筆者は刹那憤ったのだが、ふと考えてみると、果たして彼になぜ子供が作れるのか、という疑問にぶち当たる。アメコミはこういうところが本当にむちゃくちゃなのだが、原作では、なんとスカーレット・ウィッチの現実改変能力によって、彼らはあり得ないはずの懐胎を実現した、というのである。

au22.jpg


 そう、よくよく調べてみると、我が愛しのスカーレットちゃんは、相当ハチャメチャなキャラクター。彼女の能力は、先述の現実改変能力、そして、確率操作の力。確率操作って…。それはスーパー宝貝<パオペエ>でしか為し得ない神の御業だろうに…。しかも、彼女は、なかなかの淫乱ビッチだったりもして、ヴィジョンと付き合う前はホークアイと付き合ってたり、ヴィジョンと別れてからは、もともとヴィジョンの人格のモデルだったワンダーマンを生き返らせて付き合ったり、その後、破壊されたヴィジョンを復活させると、ワンダーマンと別れてまたヴィジョンと付き合ったり。なんだか、崇高な能力を男漁りにばかり消費している気がするぞ…。これじゃあ、スカーレット・ビッチじゃないか。…えぇと、これはいわゆる親父ギャグである。

au21.jpg


 まぁ、アメコミっていうのは、総じてそんなもんである。子供心を完全燃焼させるヒーローでありながら、大人になってから改めて見てみるとそのオドロオドロしい恋愛模様に舌を巻く。無垢な少年から変態オヤジまでを網羅的に熱狂させる素晴らしいコンテンツではないか。

点数:80/100点
 随所に突っ込みところが散見されるものの、“夏のブロックバスター”としては完全無欠、申し分などあろうはずもない最高の超大作。子供も大人も熱狂できる、今年オススメの一本である。

(鑑賞日[初]:2015.7.20)
(劇場:TOHOシネマズ梅田)

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン MovieNEX [ブルーレイ DVD デジタルコピー(クラウド対応) MovieNEXワールド] [Blu-ray]

新品価格
¥3,126から
(2016/8/2 01:12時点)


ハメンジャーズ / エーチチ・モム・ウルトロン [DVD]

新品価格
¥2,065から
(2016/8/2 01:12時点)


ムービー・マスターピースDIECAST アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン アイアンマン・マーク43 1/6スケール ダイキャスト製 塗装済み可動フィギュア (2次出荷分)

新品価格
¥39,490から
(2015/7/30 23:44時点)


【ムービー・マスターピース DIECAST】『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』 アイアンマン・マーク45 1/6スケール ダイキャスト製 塗装済み可動フィギュア

新品価格
¥42,750から
(2015/7/30 23:44時点)


ムービー・マスターピース アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン ハルクバスター 1/6スケール プラスチック製 塗装済み可動フィギュア

新品価格
¥132,800から
(2015/7/30 23:45時点)


ムービー・マスターピース アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン ハルク(DX版) 1/6スケール プラスチック製 塗装済み可動フィギュア

新品価格
¥48,000から
(2015/7/30 23:45時点)


【ムービー・マスターピース】 『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』ブラック・ウィドウ 1/6スケール プラスチック製 塗装済み可動フィギュア

新品価格
¥27,800から
(2015/7/30 23:47時点)


【ムービー・マスターピース】『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』 ソー 1/6スケール プラスチック製 塗装済み 可動フィギュア

新品価格
¥30,200から
(2015/7/30 23:47時点)


【ムービー・マスターピース】 『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』 ホークアイ 1/6スケール プラスチック製 塗装済み可動フィギュア

新品価格
¥29,900から
(2015/7/30 23:47時点)


ムービー・マスターピース アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン キャプテン・アメリカ 1/6スケール プラスチック製 塗装済み可動フィギュア

新品価格
¥45,800から
(2015/7/30 23:48時点)


【ムービー・マスターピース】 『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』 スカーレット・ウィッチ 1/6スケール プラスチック製 塗装済み 可動フィギュア

新品価格
¥28,800から
(2015/7/30 23:49時点)


【ムービー・マスターピース】 『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』 ヴィジョン 1/6スケール プラスチック製 塗装済み 可動フィギュア

新品価格
¥28,970から
(2015/7/30 23:50時点)


【ムービー・マスターピース】『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』ウルトロン・マーク1 1/6スケール プラスチック製 塗装済み可動フィギュア

新品価格
¥32,100から
(2015/7/30 23:51時点)


ムービー・マスターピース アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン ウルトロン・プライム 1/6スケール プラスチック製 塗装済み可動フィギュア (2次出荷分)

新品価格
¥46,000から
(2015/7/30 23:51時点)


関連記事
スポンサーサイト

Comment

Leave a Reply





管理者にだけ表示を許可する

Trackback