[No.356] リディック:ギャラクシー・バトル(Riddick) <80点>





キャッチコピー:『銀河の果てで、暴れようぜ。』

 最果ての、最高の、再起動。

三文あらすじ:全宇宙の支配を目論むネクロモンガーの王“ロード・マーシャル”となった凶悪犯罪者リディック(Riddick)(ヴィン・ディーゼル)。しかし、部下に裏切られ、銀河の彼方、荒れ果てた大地が広がる見知らぬ惑星に一人置き去りにされてしまう。脱出するため無人シェルターから非常ビーコンを発信し、二組の賞金稼ぎを誘き出したリディックだったが、折しもの豪雨の中、水棲の凶暴なエイリアンが彼らの命を狙っていた・・・


~*~*~*~


 2000年に公開されたSFモンスターパニック作品『ピッチ・ブラック』。当ブログでも以前感想を書いたけれど、極めて良くできた良質の佳作であった。そして、同作で主人公だったのが、ヴィン・ディーゼル演じるところのリディックという男。

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 銀河をまたにかける超最強の凶悪犯罪者でありながらにして、人間、あるいは、“餌食”にとってより純粋な“悪”である異星のモンスターと決死のバトルを繰り広げるダーク・ヒーロー。そういう、すさまじく魅力的なキャラクターだったのである。

 しかし、『ピッチ・ブラック』の続編としてリディックを大々的に取り上げたその名も『リディック』(The Chronicles of Riddick)は、これがまぁ、超銀河レベルのとんでもない駄作であった。少なくとも、筆者は、深い混迷と落胆の中、深宇宙よりも深くうなだれた記憶がある。

 『ピッチ~』を良作だと感じ入った観客の大半は“モンスターパニック・ファン”だったろうに、なんと『リディック』では、リディックが、なんだかよく分からないが壮大な、王位継承を巡った惑星間の戦いに巻き込まれていく、という、重厚で陳腐な“スペース・オペラ”をおっぱじめてしまった。これはいけない。シリーズものの性として、作を追うごとに軸がぶれていく、というのは、まぁある程度仕方のないことではあるだろう。しかし、旧作の本質やキャラクターの神髄をも脱出速度で放り投げてしまうというのは、続編として決して許されることではない。

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 そんな前作があったものだから、筆者は本作に対しても大して期待をしていなかった。Huluの新着作品に表示されたので、戯れに、片手間に、鑑賞してみようと思った程度である。ところが、3作目にあたる本作では、一転して、一変して、第1作の趣が返ってきたのである。部下の裏切りにより辺境の惑星に独り打ち捨てられたリディック。彼は、生緩い王座での生活でたるみ切ったかつての“野生”を再び呼び覚まし、無慈悲で無垢な自然の猛威と戦っていく。

 続編が失敗したため節操もなくゼロからリブートする、という傾向は、昨今のハリウッド、特にアメコミものにおいて顕著であり、本作においても2作目で提示した方向性をいとも簡単にかなぐり捨てた、という点では同様である。しかし、本作では、まず、辺境の惑星に打ち捨てられたリディックがこれまでの自身の不覚と怠惰を反省し、傷を癒したり食料を確保したりという“サバイバル”を通して、またイチから“リハビリ”していく、という過程をしっかり描いており好感度大。

 その上で、1作目へと回帰した“SF・モンスターパニック”のプロットは、本シリーズのそれとして極めて正統的である。すなわち、本作で最も素晴らしいのは、第1作をしっかり踏襲したモンスター造形。1作目のモンスターが有していた特性は、複数の太陽を有した灼熱の惑星に22年に一度訪れる長期皆既日食の間暴れまわる夜行性の怪物、というものだった。この最高にワクワクする設定を思いついた時点で、1作目の成功は約束されていたと言っても過言ではないだろう。そして、本作のモンスターが有する性質も、荒廃した荒野の惑星が豪雨に見舞われる束の間の期間暴れまわる水棲の怪物、という、1作目の期間限定性をしっかり受け継いだ素晴らしいもの。

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 つまり、これらのモンスター造形に共通するのは、未知の惑星の性質がモンスターの恐怖と一体化している、という点である。未知の惑星を舞台とするいわゆる“アドベンチャー系のSF”における一番の肝は、ここは一体どんな場所なんだ?という未知なるが故の、不知なるが故の高揚である。そういった意味において、場所的性質がきちんとキャラクターの特性に織り込まれている本シリーズ1作目及び本作のモンスターたちは、“SF・モンスターパニック”のモンスターとしてほぼ完ぺき、と言っていいと個人的に思う。

点数:80/100点
 1作目がおもしろく、2作目はもっとおもしろく、そして、3作目で目も当てられない駄作に成り下がる、というシリーズは数多ある。しかし、本シリーズのように、1作目がおもしろく、2作目が駄作、そして、3作目で見事に復活する、というパターンは中々珍しい。本当の“再起動(リブート)”というのは、きっと本作のような作品のことを言うのだろう。近年では稀に見る(もちろん、『マッドマックス』を除けば、であるが。)最高のリブートであった。

(鑑賞日[初]:2015.8.13)

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