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21
2012

[No.41] インサイダー(The Insider) <89点>

CATEGORYドラマ




キャッチコピー:『銃声のない、荘厳なる戦場へ・・・。』

 人は自分自身の解放者であり、煙草は解放の象徴である。

三文あらすじ:ある日、CBSの人気ニュース番組『60 Minutes』のプロデューサー、ローウェル・バーグマン(アル・パチーノ)の元に匿名で大手タバコメーカーB&W社の不正を告発する極秘ファイルが届けられる。ローウェルは、時を同じくして同社を解雇された研究開発部門副社長ジェフリー・ワイガンド(ラッセル・クロウ)に接触し、インタビューに応じるよう説得する。B&W社との守秘義務による拘束や同社からの脅迫を受けながらも、ワイガンドは内部告発者(The Insider)となることを決意するのだが・・・


~*~*~*~

 
 『銃声のない、荘厳なる戦場へ…。』

 名キャッチコピーだ。素晴らしい!ヨコデミー賞だけでなく、キャッチコピーの大きな賞(コピデミー賞)も創設するべきだろう。ポスターも実に渋くていい。

 本作の監督は、マイケル・マン。先日紹介した『コラテラル』の監督であり、筆者のオールタイムベスト『ヒート』の監督でもある。『コラテラル』では”タクシードライバーと殺し屋”、『ヒート』では”銀行強盗と捜査官”という立場の異なる男のドラマを描いた彼が本作で描き出すのは”大企業の内部告発者とジャーナリスト”のドラマである。

 まず、オープニングでは、ローウェルの人物像とバックボーンが紹介される。マイケル・マンは、登場人物の人物像を端的に描写するのが上手い。本作では、イスラム原理主義者へのインタビューを通して、彼が超人気ニュース番組の敏腕プロデューサーであり、自分の言葉と仕事に強い信念を持った男であることが描かれる。
 次に、仕事場で軽い打ち上げのようなことをしている研究者達を尻目に、一人だけ帰り支度をするワイガンドが登場する。このシーンで彼が解雇されたことが分かり、彼が帰る豪勢な邸宅とゴージャスな妻、そして可愛い2人の娘の存在で、成功者であった彼が自分の信念と守るべき幸せの間で板挟みになる展開が予想される。これも端的で非常に上手い。

 人物紹介後の展開は、マイケル・マンらしい重厚な男のドラマである。文句なし。ただ、やたら長い。上映時間は157分。まぁ、時間的には『ヒート』の方が長いのだが、派手な見せ場やアクションシーンが無い分、本作の方が体感時間では上を行くだろう。

 前半は、家庭の問題や会社からの脅迫に脅かされるワイガンドをローウェルが如何にして説得するかが焦点。キャッチコピー通り本作が”戦場”を描いているとすれば、ここでは主にローウェルとB&W社との戦争を描いている。これで終わりかと思いきや、今度は、会社の利益からインタビュー映像の放送を中止させようとするCBSとローウェルとの戦いが描かれる。ここからが長い。まぁ、実話を基にしているから仕方ないと言えばそうなのだが、ワイガンドが法廷で証言するシークエンスの盛り上がりが良かっただけに、その後の集中力が切れてしまったという観客も多いのではないだろうか。
 ちなみに、本作の脚本はあの『フォレスト・ガンプ』の脚本を担当したエリック・ロスである。他に彼が脚本を書いた映画で筆者が観たことのあるものは『ポストマン』と『ベンジャミン・バトン』があるが、この3つは、どれもクライマックス的な展開が何回かあり、最後まで集中力が保たなかった思い出がある。

 とはいえ、本作は、冗長でつまらない映画では決してなく、素晴らしいエンターテイメント作品なのである。
 マイケル・マンの臨場感溢れる演出や無機質だがクールな街の描写は本作でも健在。音楽も時に激しく、時にメローに物語を盛り上げる。特にワイガンドが法廷に向かうシーンの音楽は印象的。そして、なんといってもアル・パチーノラッセル・クロウの演技が素晴らしい。ラッセル・クロウは、何をやらしても本当に器用に演じきる俳優だし、アル・パチーノは、この手のキャラをやらせたらもはや右に出る者はいないだろう。

 さらに、マイケル・マンが紡ぎ出す男のドラマは、本作においても超一級のクオリティ。事実、第72回アカデミー作品賞にもノミネートされている。
 ちなみに、この年オスカー像を手にしたのは、新人監督サム・メンデスがアメリカ社会が抱える闇を暴き出した『アメリカン・ビューティ』だった。未だアカデミー賞受賞作品を撮っていないマイケル・マンにとって、本作はオスカーを手にするチャンスだったのだが、アカデミー会員は、重厚な社会派ドラマよりもロリコン親父の憂鬱物語に軍配を挙げてしまったのだ。確かに『アメリカン・ビューティ』は、一家庭を通して現代のアメリカが抱える問題を上手く描き出したのかも知れないが、個人的にはやはり本作が受賞すべきだったと思う。この年の他のノミネート作品は『グリーンマイル』『サイダーハウス・ルール』『シックス・センス』がある。筆者はまだ『サイダーハウス・ルール』を観ていないが、『グリーンマイル』は、トム・ハンクスがうれしそうに朝までセックスするシーンしか思い出にない映画だし、『シックス・センス』は、アカデミー賞を受賞するにはアカデミックさに欠ける。CUTのアカデミー特集では、本作が受賞できなかった理由を”シリアスすぎた”としているが、この理由もよく分からない。シリアスな話は、アカデミー賞が好物とするところであったはずであるし、先ほども言及したように、本作は、エンターテイメントとしても十分に楽しめる。ひょっとしたら、アカデミー賞においても上層部からの圧力で得票数のもみ消しが行われたのだろうか。

点数:89/100点
 本作は、素晴らしく緊迫した男のドラマであるが、その緊迫感と長尺の上映時間に見合った集中力が要求される作品でもある。鑑賞の際には、事前にたっぷりと睡眠をとることが必要だ。筆者のように、決して2日酔い、3日酔いで観てはいけない。

(鑑賞日:2012.2.20)










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